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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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FishingShowOsaka2007 毎年、大阪と東京(今年は横浜)で開催されているフィッシングショー。2月2日の業者商談日と、3日の一般入場日初日の取材に大阪へ出掛けたのだが、ここ数年でずいぶんと雰囲気が変わった。年々、出展社が減少しているし、中堅釣具メーカーのブースが小さくなってきている。おかげで通路が広くなり、各ブースを見て回るには都合がよいのだが、'00年以前の「どわ~ん!」とした活気や、人いきれでムンムンとした"祭りの場"といった雰囲気が薄れてしまった。商品サンプルやマスコットアイテムの配布もほとんど無くなったし、大手釣具メーカー各社の総合カタログも、一般ユーザーには有料販売という形になってきている。まぁ、有料販売となったのは、稚魚放流資金の財源にもなっているのだが……。

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 コッソリ、ヒッソリ、ナイショの釣り場で、自分の思いついた釣法を試してきた。なかなかアタリが出ず、「チョットばかし時季外れだったか、釣法自体が見当外れだったかな?」と、溜息混じりの独り言を口にした瞬間、誘いを掛けていた竿先が「ゴゴン、ガッツーン!」と一気に引き込まれた! 集中力はとうに途切れていたが、身体が反応してくれた。反射的にアワセ! 竿先にグッと重みが加わり、ハリ掛かりしたのはよいが、いったい何が釣れたのか判断しかねる。初めて試した、思いつきの妙ちきりんな釣法なので、アタリや引きで魚種を判断するのが難しい。断続的に下へ(海底へ)引き込もうとするところから推測するに、良型のメバルか? それにしては引きが鈍重というか、「ググググ、キュンキュン」ではなく、「ガンガン、グワワン」といった不思議な感触。

 足下まで引き寄せたが、引きが一向に弱まらない。ハリスは1.2号。強引にやりとりすると、相手が歯のある魚で、針を飲まれていたらハリスがプッツンの可能性もある。かと言って、あまり遊ばせていると、これまたプッツンの可能性大。遊ばせて切られるよりも、ここは勝負に出てみる方に賭けよう。タモ網を左手に掴み、ドラグを締め込んで竿を起こして一気に浮かせる。海面に顔を出した魚が、「ゴバッ!」と大きく口を開いた。途端に抵抗が弱まった。サッとタモ網ですくい上げたのは尺級のタケノコメバル! オォ~、タケノコメバルでこのサイズは、陸っぱりでは滅多に釣れない大物。メジャーもデジカメも持っていなかったので、ナイフで即締め、血抜きを済ませて大急ぎで納竿。

 帰宅後、まな板に載せて全長を計測してみると29cm。惜しい! なんとも口惜しい1cm。死んだ魚は縮むんだよなぁ。久々に「あ~、釣り上げた直後の生きている状態だったら30cmあっただろうに……」と、メジャーとカメラを持って行かなかった事を後悔した。ちくしょ~ッ!

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「釣りが趣味ってワケじゃないけど、釣りに行く事もあるって程度の人にも、やはり数万円の投資を薦めるのですか?」

 はい、薦めます。釣りを趣味にしてください(キッパリ)。いや、安い道具だって魚は釣れますよ。だって、魚は竿やリールを見てエサに食いつくワケじゃないんだから。以前にも書きましたけど('04/11/16「漁具と釣具」)、趣味の釣りは "釣趣" を求める。エコノミータックルで仕留めるのも釣趣、最強の高級タックルで仕留めるのも釣趣、攻め手搦め手を考えるのも釣趣。ごついヘビータックルでブッコ抜くのも、ライトタックルで慎重にヤリトリするのも、釣りという道楽をどう楽しむかは本人次第。「釣れればそれでイイや」って人には、1980円のセット釣具でも充分かもしれない。安い釣具を買い替え買い替え、常にニューモデルを使うのも、ソコソコの釣具を買ってメンテナンスを覚えつつ、長期間愛用するのも、結局は本人の価値観の問題です。だけど、棍棒のような剛竿で小型魚を釣っても手応え(=釣趣)は楽しめない。やたらと重たい釣具では、快適に釣りを楽しむ事が出来ない。精度の低い安物釣具ではトラブルが頻発して、釣りどころじゃないって事もある。

 釣具は価格と性能が正比例します。どうせ釣りを始めるのならば、ほんのチョッピリの見栄を張って、そこそこの釣具を買いましょう。安物は壊れやすいし、ここ一番の時にトラブルが起きやすい。結局、買い換える事になります。それに、せっかく大物が掛かっても、道具が悪くて逃がしたら口惜しくて眠れなくなります。

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釣りを始めたいんだけど、って相談を知人のS氏から受けた。

  「防波堤釣りでいいんでしょ? 釣具の初期投資に使える予算は?」

  「いくらくらいが相場よ?」

  「総額で5万円も出せば、そこそこの品で一通り揃うよ」

  「ご……5万!? チョ、オマ……、それって高級品じゃね?」

  「いいや、普及品だけど?」

  「高いって。3万円でなんとかならんか?」

  「なるよ。代わりにリールがチッとばかしチープになる」

  「それを先に言えよ。で、竿は?」

  「竿は実売ベースで1万円以上のモノがイイよ」

  「……。総額2万5千円で収まるか?」

  「ダメ。タモ網無しで釣りに行く気?」

  「あ……。タモって980円のじゃアカンか?」

  「釣り場にもよるけど、伊勢湾じゃ6mが標準だねェ」

  「6mのタモっていくらよ?」

  「安いもので1万円弱かな? で、竿が1万、リールが1万、タモが1万」

  「さ、3万ね……」

  「あ、クーラーボックスもいる」

  「クーラーって3千円くらいだろ? 自分、いくらの使ってンの?」

  「船用が2万チョイ、投釣用が1万5千、防波堤で使ってンのが1万くらいかな?」

  「……。なぁ、えらい勢いでお金が必要だけど、マジ?」

  「マジ。使いやすくて耐久性のある釣具なら仕方ない」

  「自分、なんでそんなにジャブジャブつぎ込んでンの?」

  「だって道楽だもの」

  「はぁ?」

  「道楽だから『それなりの道具を使ってる』って自己満足の世界に浸れなきゃ」

  「なるほどねェ~」

  「安物買いの銭失いにゃ、なりたくないでしょ?」

  「そりゃそうだけど……」

  「じゃ、ま、3万円は用意しときよ。来週にでも釣具屋に付き合ったげる」

  「あ……、いや……、女房に相談してからにするわ」

たぶん、S氏は釣りを始めないと思う(笑)。

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 「危険」or「安全」の二者択一で言うなら、『釣りは危険!』(キッパリ)。転倒、転落、落水、高波、船の事故から、夏場の熱中症や落雷、冬場の寒気、それに睡眠不足や過労など、危険要因はいくらでもある。釣りに限らず、レジャーやスポーツに危険は付きもの。されど、危険を避ける知識と危難遭遇時の装備や対処法を心得ておく事で「安全に楽しむ事」は可能。危険を避けるという事には、体調の管理も含まれる。

 先日、チョイと近所の釣り場を覗きに行ったのだが、どうも挙動不審な釣り人がいた。岸壁際で仕掛けを投入してはしゃがみ込み、時にべったりと座り込む。しばらくして立ち上がるとフラ~リ。「どうしたんだろ?」と近付いてみると、飲みかけのワンカップ酒が傍ら(かたわら)に置いてあり、顔が真っ赤っか。泥酔状態だった。クーラーボックスの脇に置かれたレジ袋に、ビールや缶チューハイの空缶が5本以上は入っていた。オッサン、そりゃアカンて。海辺でチョイと一杯、ほろ酔い気分で釣りも満喫ってェのはアリだろうが、真っ直ぐ立っている事も出来ないほど飲んじゃダメだァ。いくらフラットな岸壁釣り場でも、フラフラとしてたんじゃ危ない。その時の潮位は海面まで2m。潮位の高低はともかく、シラフでも落ちたら間違いなくアウト。それに、あれだけ酔っていたら帰りの車の運転は無理。「おとーさん、危ないから道具を仕舞って、車で寝た方が良いよ」と忠告はしておいたけど、どうしたかまでは見届けていない。自分はまったく酒を飲まない(飲めない)のでよくわからないが、泥酔時は意識朦朧の状態なんだから重病人も同然でしょう? 酔っぱらってる本人はご機嫌なんだろうけど……。

 身近で手軽な防波堤、岸壁、砂浜の釣りでも水辺の危険は同じ。「身近で手軽な釣り場だから安全だ」という思い込みが危ない。釣りは危険を内包した水辺のレジャーだという意識を持って、安全に楽しんで欲しいものだ。これからは厳冬期を迎える。「身体の内側からもアルコール燃料で暖めよう……」という場合も、度を超さないようにご注意!

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 誘いブッ込みのシーズン開幕を目前に控え、質問メールを頂戴しています。この釣りは腕よりも運の要素が大きい釣りです。ビギナーもベテランも同じ土俵の上で勝負できます。伊勢湾奥だけの釣法ではなく、全国ドコでもOK。水深やポイントの距離に応じてタックルを選んでください。

港湾部用仕掛け【遠投の必要がない港湾部】
ロッド:万能防波堤竿もしくは磯竿1.5号~2号、4.5~5.4m
リール:ナイロン3号が100m以上巻けるスピニングリール
    (ダイワ・レブロス2500、シマノ・ナビ2500程度)
ライン:投釣用の4色に色分けされたナイロン3号推奨
    (投点やヒットポイントまでの距離が判るから)
    先糸としてフロロカーボン3号を10m巻いておく
オモリ:ゴム管付き中通しオモリ3号~5号
    (水深やポイントの距離に応じて使い分け)
ハリス:フロロカーボン1.5号~2号1m
    (明るい内は1.5号、夜釣りの場合は2号)
ハ リ:チヌ3号
エ サ:ボケジャコ、カメジャコ、ストロー虫、ユムシなど
    (伊勢湾奥ではカメジャコがスタンダード)

サーフ・遠投用仕掛け【サーフなどの飛距離が必要となるポイント】
ロッド:遠投磯竿3号~5号、4.5~5.4m
リール:クイックドラグ付き投釣用リール
    (ダイワ・パワーサーフQD、シマノ・パワーエアロ)
    もしくはリアドラグ付きリール
    (ダイワ・アオリマチック、シマノ・ナビL)
ライン:投釣用の4色に色分けされたナイロン3号~5号
    (投点やヒットポイントまでの距離が判るから)
    力糸としてテーパーラインを結んでおく事
オモリ:中通しオモリ8号~12号
    (水深やポイントの距離に応じて使い分け)
ハリス:フロロカーボン2号~3号1m
    (明るい内は2号~2.5号、夜釣りの場合は3号以上)
ハ リ:チヌ3号~5号
エ サ:ストロー虫、イワイソメ、ユムシ、サナギなど
    ワカサギ、小アジ、イワシ、サンマ、イカなども好餌
    マゴチ・ヒラメには小アジ、シロギス、メゴチなど

【この釣りの注意点】
置き竿にする場合は、必ずドラグをゆるめておく事。アカエイや良型のチヌ、スズキがヒットしてタックルが海にドボン! という悲劇が避けられます。コツはアタリが出てもあわてずに、ジックリ食い込ませる事。ゴンゴン、ゴツゴツの後、糸フケが出ない程度に、竿先を前に倒して送り込んで、グゥ~と引き込んでからアワセる。アワセも竿先をビシッとしゃくるのではなく、竿全体をグイッと身体に引きつけるようにしっかりとアワセる事。釣れる魚はフッコ、クロダイ、マゴチ、ヒラメ、アナゴなど。場所によっては天然ウナギなども釣れます。 冬場の夕マヅメ~半夜の釣りですから、防寒装備はシッカリとして行ってください。万が一に備えてライジャケもお忘れなく!

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sayorin-01 工房浦安のSSIIというアイテムを使用した、従来のサヨリ釣りのまったりイメージを一変させるアクティブな釣法が "表層誘い釣り(浦安釣法)" です。「(魚のいる)潮目まで飛ばし、誘って食わせ、アタリをとって釣る」という、釣り本来の面白さが味わえます。SSIIには2つの使用法があり、アクティブな攻めの釣りを楽しみたければ表層誘い釣り、ノンビリと楽しむならウキ流し釣りと、釣り人の好みやその日の状況に合わせて、SSII一つで多様な攻略法が組み立てられます。

 表層誘い釣りはSSIIを投入したら竿先を下げ、ルアー釣りのようにカゴウキのテンションを感じながら、ユックリと道糸を巻き取り続けます。アタリは竿先にダイレクトに出ます。道糸を巻き取り続けているため、アタリを感じても特にアワセを入れる必要はありません。スッと竿先を引くか、リールを巻くスピードを速める程度で充分です。食いの良いときは、竿先がギュンギュンと引き込まれ、「これがサヨリのアタリか!」と驚かされます。表層誘い釣りのコツは、竿と道糸が一直線にならないようにすることと、道糸をたるませないこと。竿先と道糸が90~120度になるように構え、常にカゴの重さ(テンション)を感じながらリールのハンドルを巻き続けます。道糸がたるんでいると、アタリがとれないので注意してください。

sayorin-02 ウキ流し釣りはSSIIのテンビンアームをカゴの下にセットして使用します。ヨリ糸部分に流線型中通しウキの小を付けた、誘い流し釣りスタイルです。投入後、SSIIとアタリウキが一直線になるように道糸を巻き取り、潮の流れに乗せます。低水温期や澄み潮時などにも有効です。流し釣りとは言え、時々軽く竿先をあおってコマセを振り出したり、誘いを掛けます。置き竿にする場合も、道糸を張り気味にしておけば竿先にアタリが出ます。また、表層誘い釣りの様に、仕掛けを引いて誘う釣りも可能です。

 身近な防波堤や港湾の岸壁でのサヨリ釣りを前提に、推奨タックルを紹介します。竿は磯竿1.5~2号4.5~5.3m、または万能防波堤竿4.5~5.3m。投げ竿を流用する場合は15~20号負荷の軟らかめで4mくらいのもの。リールは小型スピニングリール。道糸にPE1.5号またはナイロン3号を150m程巻き、先糸としてフロロカーボン4号を10mほどつないでください。カゴは磯竿1.5~2号・防波堤万能竿ならSSIIの2S。磯竿3号や投げ竿の場合は4Sを使用します。仕掛けはナイロン3~4号の二本ヨリのヨリ糸に、ハリス0.8~1.2号を1~1.5mを直結。ハリはキス針7号、かわせみ針社製狐針3号など。ヨリ糸を作ったり、ハリを結ぶのが面倒なら、3号ハリス2mに市販のハリス付きサヨリ針3.5号を直結してください。従来のサヨリ釣りでは考えられないほどの長い仕掛けですが、SSIIは仕掛け絡みを徹底的に軽減したアイテムですから、仕掛け絡みでイライラすることはほとんどないでしょう。

 コマセはアミコマセにパン粉を加え、イワシ粉末を少々混ぜます。パン粉はアミコマセを解凍すると出てくるドリップを吸着し、投入時にコマセのシャワーが降り注いでくるのを防いでくれます。また、コマセの増量効果もあります。イワシ粉末は集魚力を高めてくれますが、混ぜすぎるとベタついてコマセの出が悪くなるので注意。付けエサはジャリメ(イシゴカイ)、ハンペンのストロー抜き、オキアミや粒アミなど。ジャリメは投入時に外れてしまう心配が無く、ポイントが遠い場合なども安心して遠投できます。ハンペンのストロー抜きを使用する場合は、ラップをかけずに一晩寝かせ、少し乾燥させてやるとエサ持ちが良くなります。オキアミや粒アミは、砂糖をたっぷりと振りかけて一晩寝かせると適度に締まって使いやすくなります。

 エサ付けにも釣果を伸ばすコツがあります。まず、ハリの軸に対してまっすぐ、深く通し刺しにしてハリスまでコキ上げ、ハリのチモトを完全に隠してください。エサ付けの要領は「赤ちゃんに靴下を履かせる」ような感じです。そしてハリのミミをエサの内側からチョイと突き出して引っ掛けます。これでエサのズリ落ちが防げます。ジャリメエサの場合は、深く通し刺しにしてあるので、タラシは1cm弱で充分です。タラシが長いとエサの先をしゃぶられるだけで、かえって釣果が落ちてしまいます。

 サヨリは潮目に集まります。従って潮がぶつかり合い、潮目のできる防波堤の先端や曲がり角が好ポイントとなります。潮目にはエサとなるプランクトンやコマセが溜まり、サヨリも寄ってくるからです。潮目には目に見える潮目と、SSIIを引いてくると重たく感じる「見えない潮目」があります。シロギスやカレイの投げ釣りで、海底のヨブ(段差)が好ポイントであるように、サヨリ釣りではこの見えない潮目も好ポイントとなります。釣果を伸ばすためには、潮目を探り出すことが肝心。目に見える潮目が見つからないときは、SSIIのコマセカゴにティッシュを詰めてフルキャストし、潮目を探ることから始めましょう。なぜティッシュを詰めて投げるのか? 初手からフルキャストで沖目にコマセを撒いてしまっては、サヨリが沖に出ていってしまうからです。また、SSIIはコマセを詰めた状態でバランス設計されているため、コマセ代わりにティッシュを詰めておかないと、投入時の飛行安定性が落ち、仕掛け絡みの原因になります。ティッシュはカゴに内蔵されているオモリの上になるように詰めること。コマセを使用する場合も、カゴが空になったら必ず補充してください。

sayorin-03 食い気のある群れが回遊している時は、コマセを使わずともバンバンとサヨリは食ってきます。こんな群れに出くわしたらコマセは使わず、カゴにティッシュを詰めたまま手返しよく釣り上げましょう。食いが遠のいたらコマセを使います。潮さえ流れていれば充分な釣果を得られます。釣り場も自分も汚れないし、手返しも早いので、釣り開始の数投はカゴにティッシュを詰めたままやってみてください。大きな声では言えませんが、潮上に大量のコマセを撒いている釣り人がいる場合もコマセは不要です。

 応用釣法として、SSIIカゴウキフォームにワイヤーハリスのタチウオ仕掛けを結んでタチウオの引き釣り、ヨリ糸にハリス5号1mを結んだ弓角やワーム仕掛けでハマチやカンパチも狙えます。ハネ、セイゴ狙いならハリス2号1mに丸セイゴ15号、アオイソメ餌。夜釣りの場合はウィングを外して、ぎょぎょライト3Lをワンタッチ装着できます。秋から春にかけては、海水浴場などのサーフでヒラメ狙いも楽しめます。ハリス3号1mに3~5gほどのトラウト用スプーンを結んで波打ち際まで丹念に探ってください。

 遠投性に優れたSSIIなら、従来仕掛けでは届かなかった沖目のポイントまで仕掛けを飛ばすことも可能です。SSIIという1個のアイテムで、様々な釣りが楽しめます。

-海悠出版「磯・投げ情報」'03年2月号サヨリ特集掲載稿に加筆修正-
※仕掛図は工房浦安より画像使用許可済み。無断転載を禁じます。

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 タイ、ヒラメ、尻尾の黄色い回遊魚、イカの王様アオリイカ。陸っぱり釣り人の勲章とも言える、憧れの釣魚だ。釣趣はもちろん、食味の良さもすこぶる付きの高級魚だけに、ボウズ覚悟の釣りと言われても、足繁く釣り場に通う釣り人も多い。特にアオリイカは身切れ、足切れで取り込み直前に逃げられて口惜しい思いをさせてくれる難敵だ。アオリイカには活き餌での泳がせ釣り、ヤエン釣り、和製ルアーの餌木を使ったエギングと三通りの釣法がある。最もアタリが多い代わりに、取り込み率の低いのがヤエン釣り。有名な村田満氏をして、「ウァ~、また逃げよった。ほんまに難儀な釣りやで!」と言わしめている釣りである。この難儀な釣りにも関わらず、「イカがアジを抱いてさえくれれば、十中八九取り込んで見せまっせ。最近の取り込み率は10割!」と豪語するのが、釣り針メーカーかわせみ針の吉田社長。迷わず弟子入りして、ヤエン円月釣法の直伝をお願いした。

円月釣法 そのヤエン円月釣法とは、投入からアタリを待つまでは従来のヤエン釣りと同じ。餌のアジをしっかりと抱き、食い気に目が眩んで、少々の違和感を感じてもアジを放さなくなるまで待つ。ドラグを鳴らす走りが止まり、ソ~ッと竿先を上げてテンションを掛けても動かなくなったら、ドラグを中間位置まで締めて、ヤエン投入にベストの角度が取れる距離まで寄せる。そしてヤエン投入。使用するヤエンはかわせみ針製のフルステ100。ここからが従来のヤエン釣法とは趣を別にする。ヤエン投入時に肩に担いでいた竿を手に持ち、リールのドラグを締め込み、いったん竿を海面と並行に寝かせてから、眠狂四郎の円月殺法よろしく、大きくゆっくりと半円を描くように竿を立ててヤエンを送り込む。次の瞬間、竿先がギュンと絞り込まれ、ヤエンの針が刺さったアオリイカが怒りの逃走を開始。すかさず「グィ~ン!」とアワセを入れた吉田社長が、「堪えられませんな~ァ」とニヤリと笑みを浮かべる。200年の時を超え、愛刀の無想正宗をメガドライAIR 0.8号5.3mに持ち替えた、眠狂四郎がそこにいた。

 さて、アオリイカ釣りの第二関門がこのヤリトリ。良型になればなるほど、自重とパワーで身切れしやすい。恥じらう乙女を抱き寄せるが如く、優しくゆっくりと抵抗をいなすべし。美しい弧を描いてメガドライAIR 0.8号5.3mがしなる。20m程先の海面にボワッと墨が広がった。我が事のように大昂奮で鼻の穴をふくらませてイカギャフを用意しようとすると、吉田社長に制止された。「完全に引き寄せるまでギャフを用意したらあきません。こっちの殺気が伝わったら、あちらさんも必死に抵抗します。まぁ、ゆっくりとヤリトリを見ときなさい」と余裕シャクシャク。海面に何度もブシューッと水飛沫が上がる。強烈な走りで抵抗を続けたアオリイカもついに岸壁下まで引き寄せられた。ここが第三関門で取り込み直前のバラシも多い。イカギャフを素早く打ち込む。海面と平行に持ち上げようとするとイカがギャフから外れてしまうので、海面と垂直にスルスルとタモの柄を畳んで取り込み成功。ヤリトリを見守っていたギャラリーから称賛の歓声が上がる。華麗なまでの釣技で仕留めたアオリイカは胴長36cm。「1杯だけではまぐれやと言われてしまうから、もう1杯釣りましょか」。

吉田社長アオリ釣果 30分後、再び吉田社長の竿にアタリ。今度のアオリイカはアジを抱くやいなや、85mも道糸を引き出した。「今度のイカはずいぶんと足の長い、ジャジャ馬のおてんばやね」と苦笑。あまり走られると、ヤエンの投入可能距離に寄せるまでの間に逃げられる可能性が高まる。「いや~、この寄せの時はなんぼ経験しても足が震えますわ」と言いながらも、アジを抱いただけのアオリイカを引き寄せる、ヤエン釣り最大の醍醐味を楽しみながら、ゆっくり慎重にヤエン投入距離まで寄せると、ヒョイと竿を肩に担ぎ、道糸を取ってヤエン投入。1杯目を釣り上げた時の再現フィルムを見ているかのような、完成された吉田流ヤエン円月釣法で取り込まれた2杯目は胴長30cm。微笑を浮かべて「取り込み率10割は、口先だけじゃおまへんやろ?」と語る吉田社長の言葉には、自社製品と自らの釣技への揺るぎない自信が感じられた。

 翌日は小雨の降り続く一日だったが、早朝からアオリイカフリークで釣り場はほぼ満員。前日と同じ場所に釣り座を構えたのだが、意に反してこの日はなかなかアタリが来ない。「これは我慢の釣りになるな」と持久戦を覚悟した午前9時過ぎ。吉田社長の出していた2本竿に同時にアタリが出た。二つのリールがジィ~とドラグを鳴らす。慌てることなく左側の竿を手に取り「右側の竿はアジが大きめ。しばらく放っておいても大丈夫」と吉田社長。悠々と本日1杯目アオリイカを引き寄せ、慣れた手つきでスッとヤエンを投入。必死の逃亡を図るアオリイカも、吉田社長の手練手管のヤリトリにあえなく御用。続いてもう一本の竿に取りかかる。このアオリイカは寄せの段階で海面まで浮いてきた。「ありゃー、これはいかん。ヤエンを送る角度が浅いがな」。それでもヤエンを送り込まねば絶対に釣れない。竿を頭上にかざし、さらに背伸びをしてヤエンを送る。ヤエンが届いた頃合いを見計らってテンションを掛けたまま竿をいったん横に寝かせ、円月釣法アワセ。見事に乗った。海面におびただしい墨を吐き出しながら引き寄せられるアオリイカ。2杯目も岸壁に身を横たえた。計測すると2杯とも胴長30cm。アオリイカはボウズ覚悟の釣り、その中でもヤエン釣りは最も非効率な釣りだと思っていた自分には、目から鱗どころか瓦が落ちるような思いだった。

YASUアオリ釣果 実を言うと、自分もアオリイカ釣りは好きだが、ヤエン釣りはヒット数に比べて取り込み率が著しく低く、ストレスが溜まるばかりなので、2度ほど経験してサッサとやめてしまった釣法。釣り情報誌の記事だけを頼りに、我流でやっていたのだから取り込み率が低いのも、当然と言えば当然なのだが……。それ以来、アオリイカは活き餌での泳がせ釣りか、エギングで狙っていた。それが吉田社長に弟子入りして、餌付けの手際、送り込み、寄せ、アワセ、やりとりまでをみっちりと仕込んでいただいてから、ヤエン釣りへの苦手意識はすっかり無くなった。今では「ヤエン釣りは得意!」と言っても良いほど、取り込み率もアップしたし、何よりも、イカがアジを抱いて走り、ヤエンの投入可能距離まで引き寄せる、という今まで最も苦手としていたプロセスを、ワクワクしながら楽しめるようになった。師匠の釣法を "ヤエン円月釣法" と名付けたのも自分だ。あれほど苦手だった(と言うか、あまりの取り込み率の悪さに毛嫌いしていた)ヤエン釣りに自信が持てた。我流のヤエン釣りで四苦八苦した挙げ句、行き詰まりを感じて投げ出してしまった自分だから言えるのだが、やはり、その道の巧釣手から2泊3日、朝から晩までじっくりと直伝を受け、奥義を授かると釣格(=釣技の格)が上がりますぞ。

【吉田社長の使用タックル】
ロッド:ダイワ メガドライAIR 0.8号5.3m
リール:シマノ ナビ4000L
ライン:ゴーセン アオリイカ フロロスペシャル1.75号
ヤエン:かわせみ針 フルステ100(M)

【YASUの使用タックル】
ロッド:ダイワ ブレイゾンマルチ 1.5号5.2m
リール:シマノ BB-X EV3000 アオリイカ
ライン:ゴーセン アオリイカ フロロスペシャル1.75号
ヤエン:かわせみ針 フルステ100(M)

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 10月22日、愛知県常滑市りんくう町の中部国際空港前島釣り護岸にて、JOFI愛知主催「水辺感謝の日-釣り場清掃&釣り大会-」が開催された。今年も幹事を仰せつかり、常滑商工会議所と常滑市生活環境課に指定ゴミ袋の提供、収集ゴミの回収を依頼し、事前の手配を手抜かりなく済ませておいた。チョット見はきれいな釣り護岸も、42人の参加者と前島釣り護岸に来ていた釣り人有志で清掃を開始すると、人目に付かぬ物陰や階段下などから、出てくるわ、出てくるわ。中型ゴミ袋44袋の空き缶、ペットボトル、コンビニ弁当の空容器、カップ麺の容器、釣具屋の袋、配合餌の空き袋、ルアーや餌木のパッケージ、捨てられたハリ付きの仕掛け、折れた竿、壊れたリール、……etc。とにかく、釣り護岸に捨てられているゴミなのだから、犯人は釣り人に決まっている。参っちゃったのが、物陰にティッシュと共に鎮座ましましていた "ウ●チ"。犬や猫のフンじゃないよ。明らかに、お尻を拭いた後のティッシュまで一緒にあるんだから、間違いなく人間のモノ。少し離れているが、そんなに遠くない場所にトイレがあるんだけどなぁ。ゴミだけじゃなく、人としての尊厳まで捨ててる

 みんなで集めてきたゴミを集積場所で、可燃ゴミと不燃ゴミに分別。これがまた、腐敗した弁当の食べ残し、配合餌、コマセの凄まじい悪臭に辟易とさせられる。「何が悲しゅうて、こんな事をせにゃならんのか……」と、悲しくなってくるよ、マジで。釣り場清掃のたびに思うのだが、釣り場の清掃なんて、台風等の天災による漂着物の回収を除けば、本来は不必要な作業。同じ趣味を持つ不心得者の尻拭い(本当に尻を拭ったティッシュの後始末まで)をしているワケで、釣り場清掃活動が必要になるなんてェのは、釣り人の民度の低さをテメェ達で証明してるようなもんだ。ニコニコ笑顔で、「いい汗流したゼ!」なんて言ってられる、脳天気な活動じゃない。むしろ、釣り人として恥じるべき活動。

 全国の釣りファンは1200万人と言われているが、仮に月1回のペースで釣行して、そのたびに20gのゴミを釣り場にポイ捨てしてきたとしよう。年間で出るゴミの総量は、
 
20g×12,000,000人×1回×12ヶ月=2,880,000,000g=2,880t

2,880トンって、想像も付かない膨大な量のゴミですよ。迷惑なんてレベルを突き抜けて、これはもう、災害だってば。たったの20g(5号オモリに2本針仕掛けを付けた程度)でも、全国の釣り人が月イチで捨てるとこんな量になる。「チョットくらいのゴミだから……」ってポイ捨てしないで、チョットくらいだからこそ、お家に持ち帰りましょうや。

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 梅雨時の雨もやっかいだが、秋の雨に濡れたときの不快感、寒さは梅雨時のジメジメベタベタに匹敵する。皮肉なことに、梅雨時や秋雨の頃が年間を通じて最も多彩な魚種が釣れる時期。そんな好シーズンに、雨だからといって指をくわえている手はない。雨の日でも釣行したくなるような、快適かつ機能的なレインウェアを探してみよう。

 パラパラと降る小雨程度なら、撥水性に富んだウィンドブレーカーやパーカーでも事足りるが、一日中降り続くような雨となるとパンツ付きのレインスーツが必要だ。釣りは竿を振ったり、屈み込んだりと様々な動きをするだけに、ゆったりとした作りのウェアを選ぼう。ただし、大きすぎると風でバタついたり、キャスティングや竿さばきの支障となる。袖や腰回りにアジャスターの付いた製品がおすすめだ。

 釣り人にうれしいアイデア機能を採用した製品もある。デクーン社製エントラントGⅡレインジャケットは袖口にネオプレーンを採用し、竿を握る手から伝ってくる雨をシャットアウトしてくれる。ヤマハ製クルクルレインスーツは、首を左右に振るとフード部分が一緒に回り、視界を妨げないクルクルフードを採用している。袖部分にもバタ付きを防ぐアジャストタブを採用するなど、オートバイツーリング用の製品だが、釣りにもありがたい機能が満載だ。

 防水性、機能性に加えて快適性も考慮しておきたい。気温は高くなくても身体は汗の蒸気を放出する。ご同輩諸兄もウェアの裏側がびっしょり濡れて不快だったという経験があるだろう。デュポンのゴアテックス、東レのエントラント、ヤマハのサイバーテックスなど透湿防水素材を使用したレインウェアなら、不快な汗蒸れを防いでくれる。ゴアテックス製はまだ3万円台と高価だが、エントラント製やサイバーテックス製はかなり値がこなれ、定価で7千円台の製品も登場してきた。透湿防水素材のレインウェアの快適さは、他の素材の追随を許さない。デザインもタウンウェアとして通用するレベルの製品が多く、バイク用品店のレーシングワールド南名古屋店の西村氏によると、春秋のウィンドブレーカー兼用で購入する人も多いそうだ。

 携帯性を考えると透湿防水素材のレインウェアは少々かさばる。不意の雨に備えるなら、小さく折り畳めて軽量なナイロン製に軍配が上がる。価格も2千円前後からそろっている。汗蒸れは避けられないが、裏地が総メッシュの製品ならベタ付きを防いでくれる。購入するならパンツの裏地にもメッシュを使用している製品を選んでおきたい。しゃがみ込んだときにパンツがまとわりついていると、お尻の部分が裂けてしまうからだ。釣具量販店の上州屋では予算に合わせて、豊富な商品ラインナップからお気に入りの一着を選べる。上州屋名古屋店の米本店長おすすめのウェアは、沖釣りや長時間の雨中釣行なら透湿防水素材ハイパーウェザークロスを採用しながら1万円以下の価格を実現したケンクラフトKRレインスーツ。不意の雨に備えるならパンツも裏メッシュのGETTレインスーツ。どちらもコストパフォーマンスに優れた製品だ。

 レインウェアといえども、使用後のメンテナンスは欠かせない。デクーン社の奥村社長に、お気に入りの一着を長く愛用するための方法を教えていただいた。透湿防水素材は海釣りで海水を被ると、塩分で蒸気を逃がす微細な孔がふさがれてしまう。使用後の水洗いが欠かせないのだが、洗濯機でガラガラ洗いは禁物。表面の撥水性が落ちる上に、肝心の防水フィルムが剥離してしまう。ぬるま湯で手洗いし、汚れのひどい部分は柔らかいスポンジでこする。コマセなどの匂いが付いてしまい、どうしても洗剤洗いが必要な場合は毛糸洗い用の中性洗剤を使用する。水切りはギュギュウと絞るのではなく、スノコなどの上に置いて押さえるように水切りをする。乾燥は直射日光を避けて陰干し。表面の撥水性が落ちてきたら、市販の防水スプレーを吹き付けてやると良いそうだ。保管方法はどんな素材のレインウェアでも、高温多湿は避けたい。防水フィルムの劣化や色褪せなど、ウェアの寿命を大きく縮めてしまう。車のトランクに入れっ放しにするのは最悪だ。使用後の手入れや保管方法で寿命が大きく変わってくるのは竿やリールと同じ。透湿防水素材製の高価なウェアほど手入れに気を遣って欲しいそうだ。

 雨の日は釣り場も空いている。お気に入りの快適レインウェアがあれば楽しい釣りを満喫できるはず。滅多に使わないレインウェアだからこそ、着用時には機能性と快適性に富んだ一着を選びたい。

-週刊TV「Hello Fishing」'02年8月29日号コラム掲載稿に加筆修正-

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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