苦悶

　家内がフリトレー社の 「激辛マニア－史上最強ハバネロ味－」って激辛スナックを買ってきた。自分も辛い物は嫌いじゃないので、「どれどれ、ひとつ試してみるか……」と３つほどつまみ上げて、口に放り込んだ。サクサクとした食感はまずまず、コンソメの味と香りがなかなかイケ…る……って、ドわぁああああ！ カライなんてモンじゃない。舌はもちろんの事、口の中のスナックが触れた部分がヒリヒリ、その内に熱感を伴った痛みに変わってきた。家内も「ギャーッ、ダメダメ、これはダメだよ。辛い、カライ、痛い、ツライ」 と大騒ぎ。慌てて氷をブチ込んだ麦茶を飲んだが、口中の辛さが収まらない。その内に歯茎や口唇にまで痛みが押し寄せてきた。ウガイで口の中を雪いでも消えない。夫婦二人して部屋中を転げ回った末、冷蔵庫で冷やしてあったマンナンライフ社のコンニャク畑の甘味で辛さを、冷感で熱さを中和してようやく落ち着いた。今思い出しても鼻の頭に汗が出てくるほど辛かったのだが、本当の恐怖は辛味だけではなかった。

　辛さと熱間を伴った痛みがようやく薄れた頃、冷たい麦茶をガブガブと飲んだので、トイレに行きたくなった。小用を足してトイレから出……ギャァアアアアアッ！　痛い、痛い、痛い、痛いよ。ナニのアレが焼け付くように痛い。ウガイの際に水洗いしたのに、指先にまだハバネロの成分が残存していたのだよ。股間を押さえて悶絶している自分を見て、家内は腹を抱えて大笑いしているが、ジッとしていられないほど痛い。衣服を脱ぎ捨て、浴室に駆け込んで石鹸で洗い流したが、その後もしばらくの間ヒリヒリピリピリしていた。

　教訓。トイレに入る前にも石鹸で手洗いすべし。いや、まったく、とんでもない目に遭ってしまった……。激辛スナックなんか二度と食べないぞッ、ってお話でした。