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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 名古屋港、四日市港をはじめ、三河港、衣浦港などの国際貿易港は、'04年7月1日に発効した改正SOLAS条約によって、立入が厳重に規制されている。SOLAS条約(ソーラス条約)とは、みなさんもご存知のタイタニック号の悲劇をきっかけに定められた、海上人命安全国際条約の事である。それがどうして港の立入規制にまで及んだのかと言うと、'01年9月11日のアメリカ同時多発テロを契機に、国際テロの阻止を目的として、船舶や港湾設備の保安対策強化が必要とされたため。



 改正SOLAS条約によって、身近で手軽な釣り場であった岸壁は、釣りどころか、近付く事さえできなくなった。伊勢湾奥屈指の人気釣り場であった金城埠頭も、今ではフェンスに囲まれ、24時間監視カメラが稼働し、各ゲートには警備員が配置されている。侵入しようものなら、即座に通報され、警察に検挙される。「多少のお目こぼしはあるだろ?」などと、甘い考えは通用しない。なぜなら、国際貿易港は重要保安施設として位置付けられ、管理者には侵入者の通報が "国際船舶・港湾保安法" によって義務づけられており、お目こぼしなどしたら、管理者は50万円以下の罰金を科せられる。もちろん、侵入者も不法侵入で摘発される。神奈川県では、摘発されて警察のご厄介になってしまった釣り人が数十人もいる。

 「そんな話、知らんがね!」とおっしゃる方もおられよう。一般市民に保安対策強化の理由は、ほとんど知られていない。なぜなら、港湾施設や岸壁は、建前上は従前から「関係者以外立入禁止」になっていた。行政や管理者の立場からすれば、元々が立入禁止なのだから、改めてアナウンスする必要は無いという事になる。

 保安対策強化の対象になっていない岸壁も、釣り公園や臨海緑地などを除けば、ほとんどの場所が立入禁止であり、釣りや散策が楽しめているのは、"黙認"という微妙な一線上にある。厳密に言えば、不法侵入にあたる。実際、名古屋港でも警察による釣り人やレジャー客への退去勧告が行われた場所がある。当然、水難事故が起きれば、黙認されなくなるだろうし、迷惑駐車、港湾設備の破損、ゴミの放置や落書きによる汚損も閉め出しの理由となる。

 港の岸壁でお子さんと一緒に釣りでも……、とお考えのご父兄の皆様、安全装備とマナー、そして立入規制には、くれぐれもご用心のほどを。

-「名古屋タイムズ」'07年7月16日 掲載稿-

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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