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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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【自然体験の欠如】
 2004年6月に川村学園女子大の斎藤哲瑯教授(教育社会学)が、関東・東北の小中学生3288人を対象に実施した自然体験や日常体験の調査によると、生まれてから一度も日の出・日の入りを見た事が無い小中学生が、都市部では52.6%、郡部でも45.9%という結果が出ている。海や川で釣りをした事のない子も40%以上にもなると言う。(産経新聞2004年11月28日東京朝刊掲載記事より)



【神秘的な日の出、幻想的な日の入り】
 古来、日本人は太陽を女性神・天照大神として崇めてきた。キリスト教布教以前の欧州や南米などでも太陽を神として崇めていたが、太陽は男性神として、月を女性神と位置付けている。しかし、日本人は「母なる太陽」「母なる海」「母なる大地」と、自然の恵みをもたらす森羅万象に母性を見出し、その美しさ、優しさ、逞しさ(怖さ?)を"おかあちゃん"の姿になぞらえる。そのおかあちゃんの最も美しい姿、優しい姿が日の出と日の入りにある。暗闇に包まれていた天地が濃紺から紫紺へ、そして臙脂色から鮮やかな朱色へと変化していく朝日の美しさには、神秘的な荘厳さを感じる。山の端や海の彼方に沈みゆく夕日には、一日の労をねぎらい、「ゆっくりお休み」と語りかけてくれている様な、幻想的な優しさが感じられる。このような情景を目にした時に湧き起こる感情を、美への感動として受け止め、叙情的に表現できる感性を子ども達が育むきっかけにしたい。

【自然体験から知的好奇心へ】
 さて、単純に日の出や日の入りを子どもに見せれば良いわけではない。「ほ~ら、キレイでしょう」だけで終わらせてしまっては、単なる自然体験で終わってしまう。「この美しさを『神様の出現』だと思ったんだよ」「空の色が変わるのはどうしてだろうね?」など、知的好奇心を持たせる神話や自然科学などを語ってあげるべきだ。自然体験による感動を、知的好奇心へと向けてこそ甲斐があるというもの。
 「そうは言っても、日の出・日の入りを見に行くのはねェ……」と抵抗感を感じるのは、ご自身の感性が錆び付き始めている証拠。北は北極、南は南極まで、洋の東西を問わず、地球上でお天道様の見えぬ土地はない。極端な話、東西が開けた場所なら自宅の玄関先だって良いのだが、子ども達に喜んで体験させるには、幾分のレジャー的要素を加味しておきたい。そこで、臨海公園や臨港緑地をオススメしておく。夏休み期間中の7月~8月なら、日の出鑑賞は午前4時過ぎ頃、日の入り鑑賞は午後6時30分頃からが見頃。
 さぁ、子ども達と共に日の出・日の入りの美しさと優しさを体験し、知的好奇心をかき立てるために、海辺に出掛け……と、その前に日本神話と自然科学の勉強をおさらいしておかれたし。

※各地の日の出・日の入り時刻
国立天文台天文情報センター暦計算室 http://www.nao.ac.jp/koyomi/
※日の出・日の入り鑑賞時の注意
朝日・夕日といえども、太陽を直視しない事。空と海の色の変化を鑑賞しましょう。
また、太陽観測フィルターの付いていない望遠鏡、双眼鏡、カメラを使用しない事。
カメラが故障したり、最悪の場合は失明する危険があります。

-「波となぎさ」'07年9月1日発刊 172号 掲載稿-

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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男性
自己紹介:
釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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