的中

　為替市場で 「円」 が一夜にして、94円どころから97円をうかがう勢いで売られ、エライ事ンなっているんだが、どうやら先日の予想が的中しちゃったみたいで困っちゃうね、と言うお話を書こうかね。

　そもそも、ドル安ドル安と騒いでいたのは日本だけで、どこの国もドルの手当に苦労していたわけですよ。なんだかんだ言われていても、現状では決済用の通貨はドルが主流なんだもん。いや、実際にだね、どこの国の金融機関でも、市場でドルを調達する事が出来なくなっていたんだから。じゃぁ、どっからドルを調達してたのか、ってーと、各国の中央銀行が供給していたわけです。この先、それも極々近いうちなんだが、円キャリートレードの返済が終わると、一気に100円台まで円安が進行するんじゃないだろうか。だって、市場にドルが無いんだからね。

　「為替」 は通貨の取り引きだから、その通貨の発行国の金利でレートが決まる。だけれども、金融商品の一つでもあるわけですよ。つまり、需給関係も大きく影響する。需要が多いのに、供給が少なければ高騰するのは当たり前ですな。まして、今般の経済危機の爆心地である米国よりも、日本の景気の落ち込みの方が大きいときたモンだ。そらアンタ、外国資本は日本から逃げ出すわね。それが一時的な避難であったとしても、日本からオゼゼが逃げていくわけです。だいたい、"景気" って言うくらいだから、実体経済を見て、"雰囲気" とか "気配" とか "気分" でお金は動いていくわけですよ。もちろん、「実体経済の実情を見た上で」 ですけど。

　で、そんなこんなで我が国は円安、株安になっちゃって、経済閣僚は困っちゃうんだが、肝心な時に与謝野大臣が一人二役どころか三役も兼任してて、矢切の渡しじゃないけど、船頭と舵取りと漕ぎ手を兼ねている状態。孫悟空みたいに分身の術が使えればよいのだけれど、そんな事ァ出来っこないわけです。そーなるともう、日本丸に乗っている日本国民は、新婚初夜の新妻のように、「好きにして……」 としか言えない（笑）。だって、「イヤだ！」と言っても、大臣は一人三役兼ねてるわ、野党は審議に応じないわ、世界各国から見れば日本は超お金持ちだから 「返すあてはないけど金貸して！」 と言い寄ってくるわ、で、どーにもならんのですよ。身を任せ、全てを委ねちゃうしかない。

って、誰に？　それは 「運」 とか 「成り行き」 でしょうなぁ……。