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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 昨日保護したブチの迷い仔猫。朝7時にちゃんとトイレを使って排便。臭気がひどい……って、便の中に猫回虫がいる! まぁ野良猫なので寄生虫くらいはいるだろうが、その後で少しエサを食べたと思ったら嘔吐。吐瀉物の中にも猫回虫がウヨウヨ。これはマズイ。幼猫が大量に寄生されると命に関わる。吐瀉物の臭気もひどい。下痢はしていないが、この症状……。猫回虫だけによるものならまだしも、ウィルスに感染しているかもしれない。昨夜保護した時点から感染症の危険性を予測していたので、ブチ猫はケージで完全隔離しておいたのは正解だった。便と吐瀉物を割り箸でジッパーバッグに収め、病院に持参することにする。



 実を言えば、今日はフェレットのチャオもレントゲンとエコーの検査の予約をしてあった。先週7月4日に受診した健康診断の血液検査で、肝機能の数値に若干の異常が見られたからだ。ブチ猫はアビの遺品のキャリーに入れて車のカーゴスペース。チャオはフェレット用キャリーに入れて助手席。フェレットはパルボウィルスには感染しないが、亜種のアリューシャンウィルスにはやられる。念には念を入れて、絶対に接触しないように注意を払っておいた。

 動物病院に着き、ブチ猫のカルテを作ってもらうため、暫定名として「ブッチ」と名付けた。ブッチの便と吐瀉物を入れたジッパーバッグを受付で渡しておく。診察室に呼ばれ、チャオは検査のため半日入院。ブッチの診察開始。生後2ヶ月ほどだが、体重が500gしかない。体温は平熱だが、脱水症状も見られる。呼吸音は問題ないが、心音にやや雑音が混じっているらしい。寄生虫はやはり猫回虫。右目には充血も見られる。うん? 昨夜はそんな充血はなかったはず……。診察台の上でウンチをしてしまったが、何を食べていたのか真っ黄色な固形便。獣医師の先生も「何だろう、コレは?」と首を傾げてしまう不思議なウンチ。結局、ブッチも血液検査と衰弱状態の治療のため半日入院となり、午後4時半の夕方診療開始時刻にお迎えに行くことに。

 家内と行きつけのウドン屋で昼食を済ませ、帰宅すると動物病院から留守番電話が入っていた。嫌な予感が走る。急いでコールバックしてみると、血液検査の結果、白血球が「6」でほとんど無い状態(猫の正常値は55~195)。便からはパルボウィルスが検出された……。治療薬インターフェロンの点滴中に急変し、意識が薄れているらしい。時間外だが「今すぐ行きます。よろしいでしょうか?」と問うと、OKをいただけた。この時点で覚悟を決めた。大量の猫回虫寄生、それに加えてパルボウィルス感染。これはもう、絶対に助からない。家内と涙目で動物病院へ。受付に行くと動物看護士のKさんに、「今さっき、ブッチくん……、亡くなりました。今、先生が処置をしていますのでお待ちください」と告げられた。やはりダメだったか。診療時間外なので待合室には誰もいない。昨夜、オイラに甘えて見せたのは、わずか2ヶ月の生涯最後の安らぎを求めていたのだ。残された命火を精一杯燃やした甘えだったのだ。あまりにも切なく、あまりにも憐れな野良仔猫ブッチの運命。家内と二人で大泣きに泣いてしまった。

 先生から説明を受ける。治療中に突然の嘔吐と激しい下痢を起こして意識を失い、14:30、そのまま天に帰ってしまったそうだ。感染源はおそらく母胎感染。そして猫回虫症とパルボウィルス感染症が合わさって劇症化したのが原因。苦しみは一瞬だっただろう。助けてやりたかったが、これも運命。できることは全てしてやった。野良猫の過酷な運命はシャーでも見ていたが、ブッチとはわずかに14時間の付き合いだった。先生は野良猫を保護したと知っているので、「ブッチ君のご遺体はどうしますか?」と尋ねてくれた。引き取って我が家の一員として弔ってやりたい。ブッチよ、時間の長短じゃないよ。オマエは我が家の一員だ。だからシャーもロンもアビも送ってもらった八事霊園に連れて行ってやるからな。

 続いて事後処置として、ブッチの使ったケージ、トイレ、食器、パッドなどは全て廃棄処分し、室内でブッチの触れた箇所は消毒薬を散布するように指示された。渡された消毒薬は「ビルコンS」(輸入元バイエル社)で、500ccの水に溶かして使用するオレンジ色の粉末5g。水に溶かすと綺麗なピンクに変わる。これがパルボウィルスはもちろん、ジステンパーから鳥インフルエンザ、SARSや炭疽菌まで、感染症を引き起こすほとんどのウィルスや細菌に効く。環境負荷もなく、人間やペットにはほぼ無害って優れた消毒薬だ。

野良仔猫ブッチ ブッチが白布に覆われ、小さな小さな箱に入れられて帰ってきた。穏やかで静かな寝顔。しかし、たった数時間で病み疲れて毛艶はすっかり失せ、昨日撮った写真とは別の猫のようになっていた。そっか、そんなに疲れたか。幼い身体でよく頑張ったな。偉かったぞ、ブッチ。さぁ、シャー、ロン、アビの待つ八事霊園に行こう。目が覚めたらきっと、オマエの先輩達が待っているよ。
 先生に深くお礼を述べ、検査と治療費の9千円を支払って八事霊園へ直行。曇っていた空が青く、明るくなっていた。

 八事霊園でブッチの弔いを済ませ、16:45、動物病院にトンボ返り。チャオのお迎えだ。検査結果が気に掛かる。今、ブッチを送ってきたばかりなので、家内も自分も目が真っ赤。待つこと30分。チャオが帰ってきた。キャリーの中でバタバタ大暴れ。よほどイヤだったのだろう。さらに待つこと30分。診察室に呼ばれた。まずはレントゲンの所見。肝臓、腎臓、脾臓共に異常なし。続いてエコーの結果も異常なし。肝硬変、肝臓腫瘍、肝炎による変形や異常な所見なし。ただ、ALT数値が352(フェレットの正常値82~289)と高いので、肝臓の薬を3週間投与することに。とりあえずは命に関わる悪性の疾患所見が出なかったことに安心した。あぁ、よかった。もしかしたらブッチがチャオの病気を持っていってくれたのかもしれない。ブッチめ、チビ助のくせに義理堅いヤツだ。ありがとうな、ブッチ。

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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