忍者ブログ
釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
[112] [111] [110] [109] [108] [107] [106] [105] [104] [103] [102]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



 波の制御機能はそのままに建設コストを下げる新設計法をはじめ、点検・補修が容易なローコスト運営で長期使用が可能になり、さらには "壊れにくいが壊しやすい" という、改修も視野に入れた港が築かれる時代になった。まったく、海洋工学や海洋土木技術、そして築港技術の進歩には本当に驚かされる。

 港の防波堤や岸壁は釣り人にとって、最も身近で手軽な釣り場。しかし、時に最も危険な釣り場にもなる。磯や離島に釣りに行く場合は危険を想定して、ライフジャケットの着用や救難ロープの携行などの、安全装備も用意するし、気象・海象にも気を配る。しかし、防波堤や岸壁は身近で手軽であるがゆえに、安全装備や危険回避といった意識が希薄になる。そして、万が一の落水時。防波堤や岸壁は垂直に切り立った構造になっており、海面からの高さもかなりあるので、自力で這い上がる事はまず不可能。防波堤であれ、臨海公園であれ、落水した場合に自力で出来る事は何一つなく、発見・救助されるのを待つしかない。その救助を待つ間に流されたり、沈んでしまわないように、すがりついておく手掛かりさえないのが実情だ。

 「港は遊び場ではない!」と言われれば確かにその通りなのだが、港の造り方・使い方がこれほど進歩しているならば、せめて臨海公園や釣り公園になっている場所や、将来一般開放されそうな場所については、転落防止柵や救命浮輪だけではなく、緊急避難用のハシゴなり、救援を待つ間にすがりついておける手掛かりを設置してあれば、落水事故による殉難者も減るのではないだろうか。

-「月刊港湾」'06年9月号掲載稿に加筆修正-

拍手

PR



コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
YASU ・居眠釣四郎・眠釣
性別:
男性
自己紹介:
釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
最新記事
(09/01)
(08/24)
(08/13)
(07/29)
(07/23)
最新トラックバック
ブログ内検索
アクセス解析
バーコード
カウンター
忍者ブログ [PR]