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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 五日間の抗ガン剤治療の効果が、早速出てくれた。急速に肥大化していた腫瘍の進行が止まった。ギリギリ紙一重の治療ながら、副作用に悩まされることもなく、効果の早期発現は涙が出るほどうれしかった。家内と両親は泣き喜び、効果が出た旨を連絡した知人・友人も皆、喜んでくれた。

 とりわけ喜んでくださったのが、役者もどき時代の先輩であり、師匠の伊藤久二康さん。久二康さんの主宰する 『ACE PROJECT』 のプロモーションをお手伝いする約束をしていたので、「眠釣、オマエ、何が何でも元気になって手伝え! 末期ガンだろうが、なんだろうが叩き伏せて戻って来い!」 と、自分の闘病生活にいつも力と熱のこもった声援を送ってくださっていた。

 久二康さんも若い頃、練習中に頸椎を骨折するという事故に遭っている。。自分はその事故の現場にいて、おそらく一番近くで目撃していた。ミニトランポリンで、体育館の天井に楽勝で触れるほど高く飛び、三回転前方宙返り。何回も成功し、「さすが久二康さん!」と思った。しかし、次のジャンプで失敗。久二康さんが頭からマットに突き刺さった。自分が記憶しているのは 「グヂッ!」 と言う、鈍くて、太くて、不気味な音。ボキッでも、ゴキリでもない。人間の生命活動に、明らかなダメージを与える音だと思った。

 救急隊に運ばれていく久二康さん。素人目に見ても、明らかに首の骨が折れているに決まっている。あの時、久二康さんの噛み締めていた絶望と恐怖はいかばかりだっただろう。それもアクション俳優としての全盛期24歳。人生の花道を歩み出したばかり。死の恐怖ももちろんだが、全身麻痺の障害者になってしまう事への恐怖……。

 しかし、久二康さんは挫けなかった。事故からわずか半年後、ニヤリと皮肉っぽい笑みを浮かべて現場に戻ってきた。その久二康さんが頸椎骨折の大ケガとの闘病生活中に、何度も聴いて、心を奮い立たせていた曲がこれ。自分にも勧めてくださった。自分も毎日聴いてるけど、闘志、気力が噴き上がってきます。

 まだまだ続く長丁場の闘病生活ですけど、燃え歌を聴きながら更なる闘志を燃やしてますよ、ってお話でした。

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 11月21日、五日間の抗ガン剤治療第一クールを、副作用に悩まされることなく乗り切ることができた。11月14日のエントリー「死闘」でも書いたが、自分の受けた抗ガン剤治療は、ギリギリ紙一重の治療だった。腹部の虫垂ガンと左睾丸の摘出手術後、一日早い6日目に抜杭(抜糸)して、手術明けの肉体的休息インターバル無しで、抗ガン剤治療突入。それも限界量ギリギリの投与ですよ。一般的な抗ガン剤治療が2時間半程度なのに対して、自分は初日6時間、二日目10時間、三日目8時間、四日目8時間、五日目6時間……。

 五日目の本丸突入も成功だろう。今、抗ガン剤部隊が本丸内に討ち入り、城将の首級を討ち取らんとしているはず。とは言え、この闘いの本番はこれから。自分を蝕んでいるガンの悪性度・進行の早さと、自らの肉体・生命力の一騎打ち。まずは第一関門を突破できたと思って、今後の治療、養生に向けての士気盛んですよ、ってお話でした。

 今のところ、副作用もなく、闘いは優勢に進んでいる。強靱な肉体と生命力を授けてくれたご先祖様と、両親に心から感謝しているし、主治医の先生方、看護師の皆さんにも深く感謝しています。

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 11月20日、抗ガン剤治療4日目も副作用に悩まされることなく、乗り越えることがきた。3日目の虎口攻めと同じく、シスプラ隊とペプシド隊による本丸突入橋頭堡の確保に成功。まぁ、やはり後半のペプシド隊の攻撃中に若干の反撃があり、37.4度ほどの微熱は出たけどね。食事もちゃんと食べられたし、吐き気や不快感、倦怠感は感じなかったし、食事のほかにパイナップル、ミカン、スニッカーズなどのオヤツまで食べてたりする……(笑)。

 ところで、自分の病状についてご心配をいただき、誠に恐縮至極なんだが、「実際のところ眠釣の病状は、客観的・医学的な分類ではどーなのよ?」ってなご質問をいただいたりもして、どうお答えしたモンかと……。自分が戦っているガンは、男性には非常に珍しい絨毛ガンで、まだ原発病巣も確認検査中ってな状況で、暫定的に肺原発性絨毛ガンって事になってます。病期(ステージ)で言えば、左背筋内部など、肺以外の他臓器にも転移してるので、ステージIVです。それ以外にも虫垂ガンとして、別のガン(腺ガン)にも冒されてました。こう書いてしまうと、「末期ガンだ、絶望的だッ!」なんて話になっちゃうンで、本文中にはハッキリと書かずにいたンだが、一昔前ならともかく、現在では病期に応じた治療法が確立されているので、むしろ治療法ステージと言った方が良いね。そりゃまぁ、低いステージの方が病状は軽いに決まってるんだけどさ。

 どのような言葉を尽くしても、正確に伝わることはないと思うが、自分が生死の土壇場、崖っぷちに立っているのはわかっていても、まったく現実感を伴っていない。達観しているのでもなく、諦観しているのでもなく、さりとてすべてを受け入れているわけでもない。おそらくは、今現在、自分の肉体が感じている痛みや不具合のすべてが、手術や抗ガン剤治療による回復に向けたモノだからだろう。病状悪化に伴う苦痛が出るような事になれば、死生観も変わってくるかと思うが、今の自分は主治医の先生や看護師さんの医療スタッフを信じて頼る事、家内との未来を見据えた自らの闘病への意志をシッカリと保つ事のみ!

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 11月19日、抗ガン剤治療の副作用が出始める3日目。朝から覚悟を決め、病院食の昼食はとめてもらい、治療開始前、家内に五平餅を買ってきてもらって先に食べておく。甘い胡桃味噌の焦げた香ばしさに 「こんなウマイもの食ったのに、吐き出してたまるかッ!」っと、闘志が噴き上げてくる。いや、ただの意地汚い貧乏性なだけか……(笑)。

 自分の聞いた話の範囲では、抗ガン剤治療開始3日目くらいから副作用の吐き気・不快感・食欲不振、倦怠感が出始めるとの事。今日は攻城戦で言えば、すでに一の丸の大手門を突破、二の丸を抜いて、今日は三の丸攻撃。「虎口(こぐち)」攻めですな。今日は制吐剤の点滴から始まって、8時間ほどの戦闘。いつ、どんな反撃をしてくるのか、ドキドキものだ。

 気分もお天気も上々、午前11時に制吐剤の先遣斥候隊が出陣。今日はシスプラ隊とペプシド隊の二隊による攻撃で、先陣はシスプラ隊。4時間ほどの戦闘中、手負い(副作用)無しで、無事に攻撃終了。続いて後詰めのペプシド隊による攻撃開始。さすがに要衝の虎口だけあって、少々手こずり、37度代の微熱が出た。なぁにね、この程度はダメージの内に入らない。平気、平気、ってなモンで、1階の売店へアイスモナカを買いに行く。アイスうまぁ~ッ!

 そんなこんなで、抗ガン剤治療3日目も、無事に副作用無しで乗り切っちゃえましたよ、ってお話でした。

 本日4日目も副作用無しで乗り切れたらイイなぁ~。すでに10時30分からシスプラ隊が戦闘中なんだが、今のところバイタルも安定、吐き気も不快感も気力減退も無し。昼食の味噌ラーメン(病院食だよ)も完食。いい感じだ!

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 11月18日11時45分、抗ガン剤投与前の予備点滴開始。制吐剤(悪心・吐き気止め)のナゼア隊とリンデロン隊が斥候部隊として出陣。この注入が終わって12時15分、本日の先陣ブレオマイシン隊出陣! ブレオ隊の攻撃終了に続いて、間髪入れずに昨日の緒戦で小手調べ出陣したシスプラチン隊が3時間の攻撃に再出動。シスプラ隊の奮戦中に、本陣の自分は足湯に浸かりながらシャンプー介助をしてもらう。戦場にあっても、最低限の身だしなみと保清(清潔を保つこと)は必要だね。

 さっぱり&ほかほかしたところに、M山先生が陣中訪問にお越しくださった。
 
 「どうですか、具合は?」

 「二日目の今日も、まったく副作用の吐き気や不快感は感じていません。
  ちょうど今、シャンプーと足湯を使わせてもらい、気分上々です♪」

 「その頭でシャンプー?」(クスクス)

 「五厘刈りの坊主頭でも、かゆくなるンですッ!」

 「あはは、そっか。じゃ、その元気で抗ガン剤治療も頑張って!」

 「頑張りますとも。頑張らないと死んじゃうンですから、命懸けで頑張ります」

 16時15分、シスプラ隊攻撃終了。多剤併用療法波状攻撃第三波のペプシド(別名エトポシド)隊出撃……、って、あれ? 軍師のN尾先生がいない。うわ~、出撃一時延期~! って、焦ることもないか……。この間に自分の体調を考えた。、抗ガン剤治療の副作用が出て、何も食べたくなくなる前に好物を食っておこう。なじみのウナギ屋さんに特上ウナギ弁当1900円を発注し、家内に病院まで届けてもらうことに。

 18時。家内が特上ウナギ弁当を持って病院へ。と、同時に軍師のN尾先生もようやく参陣。

 「会議で遅くなりました。具合はどうです?」

 「まだ吐き気も不快感もありません」

 「そうですか。まぁ、まだ二日目ですから、副作用を訴える人は少ないです。
  では、ペプシドを入れます」

 「先生、ウナギとか好きのモノを食べちゃって良いですか?」

 「食べたいものを食べて良いですよ、お酒とタバコはダメですけどね(笑)。
  明日以降もその元気が続くと良いのですが……」

 「明日からはツラくなりますか?」

 「なったら我慢しないこと。吐き気でも、痛みでも、不快感でもお薬で軽減できます」

 「はい」

 「頑張るのは病気を治そうという心構えで、不快感や苦痛を我慢する事ではありません。
  眠釣さんはそういう意味で、頑張る必要はないンです。ウナギ、美味しいですか?」

 「はひ……、超~美味しいです(涙目)」

 この後、家内がカンファレンスルームに呼ばれ、病状と今後の治療計画、そして家族としての心構えを教えていただいた。非常に珍しく、かつ悪性度の高いガンであること、しかし治療方法の目処は立っていると言うこと、そして何よりも家族としての心構えを指導していただいたおかげで、家内は穏やかな表情で戻ってきた。

 結局、この日の抗ガン剤治療が終了したのは22時15分。10時間は長かったなぁ~。でも、いつも不安気だった家内の表情が明るくなって安心した。そりゃそうだよ、いくら本人の自分がケロリとしていても、病期はステージIV、多臓器転移し、1週間で腫瘍が3~5割も肥大化進行する悪性度の高さ。家内と自分の立場が逆だったら、耐えられないなぁ。なんとしても来年の9月13日までにガンの牙城を攻め落として、元気に銀婚式のお祝いをするぞ!

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 闘病生活第三ラウンドの緒戦は、ノーダメージで切り抜けたと思いきや、思わぬ伏兵が潜んでおり、吐き気や痛みは伴わないが、かなりキツイ反撃を加えてきた。

 抗ガン剤ってのは結局のところ、体内にある 「ガンという生きた細胞を破壊して殺す」 お薬なワケで、正常な細胞にも多少なりとも影響(ダメージ)を与えます。ンなモンで、長い時間体内に留まっていられては困りますわな。合戦が済んだら軍隊にはさっさと帰陣・帰国してもらわないと、領民が困るようなモンだね。合戦でもないのに、ヤベェ武器を持ったのがウロウロしてたンじゃ、安心して生活できない。

まぁ、そんなわけで抗ガン剤治療の際には、ガン細胞に一撃を加えたら、戦線から即離脱させるために、大量の水分も点滴する。そう、オシッコが近くなるのです。ほぼ1~2時間おきにトイレ。排泄欲求は我慢できないし、するべきじゃない。起きている間は気にならないが、尿意に眠りを妨げられてしまうのはツライ。眠った気がしない。それに点滴を刺しているから動きづらいし、補液ポンプを付けた重たくてバランスの悪い点滴台もジャマだし、寝ぼけていて転んだりするリスクもある。

 事前にトイレが近くなると話は聞いていたが、伏兵がかなりストレスのたまる反撃に出てきやがりましたよ、ってお話でした。

 あ、オシッコ漏っちゃう……。

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 11月17日午後12時31分、第三ラウンド緒戦開戦のゴング。この緒戦、自分は6時間もの長丁場なんだが、だいたい2時間半くらいの人が多いとか。むぅ~、自分は倍以上ですか、そうですか。

 で、抗ガン剤治療は、人によってはいきなり気分が悪くなる人もいるらしい。幸いにして今日のところの自分は、不快感も吐き気もダルさも感じていない。「あぁ、よかった~♪」っと、胸を撫で下ろしていたら、呼吸器科・腫瘍内科主治医のN尾先生に、意味深なお言葉を掛けられてしまった。

  「あぁ、緒戦はね。こんなモンで済んでますけど……、明後日くらいかなぁ~?
  怒濤のラッシュがくるから、うまくしのいでね♪」
 
  「え゛ッ? 今日は小手調べって事ですか?」

  「はい、そうですよ~♪」 (^-^)ニッコリ

 えっと~、いきなり全開、最初っからクライマックスの "抗ガン剤仮面ライダー電王 「俺様の必殺技」 攻撃" じゃなかったン? 

  「あ、それはね、使うお薬が違ってくるって意味で、今日もキッツイ攻撃かましてますよ♪」

 な、なるほど……。今日は相手の反撃の少ない、足を使って死角を突く攻撃だったワケなんですね。で、明日、明後日あたりから、足を止めて真っ正面から打ち合うゾ、と……。って、まさか辰吉丈一郎選手ばりの "ノーガード戦法" じゃないよね???

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 10日に行った第二ラウンド、腫瘍摘出手術の病理検査結果が出たンだが、虫垂周辺部腫瘍は絨毛ガンではなく、虫垂ガンと言うべき腺ガンで、本丸だと見なされていた、摘出した左睾丸からは病変は見つからず。

 左右の肺に10カ所の新たな転移病巣が見つかり、心臓脇にある4.5cmの影もガンだと確認され、左背筋内部のガン病巣も5cmほどに肥大化しており、本来なら17日にいったん一時退院し、中一週間ほど空けてから抗ガン剤治療を開始するモノなんだが、自分の体を冒しているガンの悪性度の高さから、手術の抜糸が済む17日か18日から抗ガン剤治療の予定。状況としては最悪の方向に向かい始めてしまった。

 ラウンド間のインターバルなしで第三ラウンドの抗ガン剤治療のゴングが鳴ってしまうが、ギブアップもタオル投入も許されない闘いなワケで、ボロボロにダメージを負ってしまいそう。

 このバトルは文字通りデスマッチなので、引き分けでも生命を失ってしまいますから、万が一、泣き言を言い出したら、ガツンと喝を入れてやってくださいね、ってお話でした。
 
 「ウ゛~、バレンジャゲベ! ゴセパキョクギンサギササ ン・ミンチョ・ゼダザ。
 ギブロンバ、ギブロンバァ~ッ!」

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 さぁて、闘病生活第二ラウンドのゴングがまもなく鳴るんだが、今回も懸命に頑張らないと、必死だから全身全霊で闘ってきますよ。ただ、前回と違って手術室の様子も雰囲気も、バッチリわかっているだけに怖ェええええええッ!

 あれ? もう陽が高く昇っているのに、ずいぶんと星がきれいに見えるな~。

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               頭上に落ちてきそうな程、よく見える……(笑)

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 8日からの入院支度で着替えやら、なんやらを荷造りしたンだが、前回と違って着るモノが厚手になっているため、10日分でも結構な荷物になった。11月も半ば、さすがに褌に作務衣ってワケにはいかないからなぁ。

 ついでに入院誓書などの入院手続き用の書類の記入を済ませ、ガン保険請求用の書類も準備。まさか前回の入院・手術から、わずか1ヶ月ほどで再入院・再手術になろうとは、夢にも思わなかった。海外旅行用のキャリーバッグに着替えを詰めている家内に、なんと話しかければ良いのか、言葉を探してみたが見つからない。売文屋のくせに、気の利いた一言も見つけられないとは情けないね。

 「今度はお腹の手術だから、しばらく美味しいモノが食べられないね。
  明日はウナギかお寿司食べに行こッか?」

 実を言うと、先日の退院以来、空腹感を感じた事がない。すなわち、”何が食べたい” という欲求が失われている。食べれば美味しく食べられるし、量だって大盛りでガッツリ食えるンだけどね。それに闘病休業によって収入は激減しているし、これから先も医療費が嵩む。おまけににノートPCの故障買い換えで、予想外の出費を強いられた直後だ。贅沢などしていられない……。

 「う~ん、ウナギやお寿司もいいけど、うまいうどんが食いたいな。
  いつものうどん屋さんに行こうよ」

 「いいよ。じゃあ、いつものうどん屋さんに行こうね」

 家内はすでに荷物は詰め終わっているはずの、キャリーバッグの中の荷物を点検しているフリをして、コチラに背を向けたまま話をしている。自分もすでに書き終えた、提出書類に目を向けたまま返事をしていた。

 深まりゆく秋の夜。こんな夫婦の一場面がありましたよ、ってお話でした。

 自分は日本一の果報者亭主かもしれない……。

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プロフィール
HN:
YASU ・居眠釣四郎・眠釣
性別:
男性
自己紹介:
釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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