識別

　ご機嫌伺いに得意先を訪うてきた。受付のインターホンを押し、「毎度、お世話になっております！」 と申し上げると、「はい、毎度。申し訳ないけど、入室前にアルコールで両手を消毒、上着などにも除菌スプレーを吹き付けて、入口脇のマスクを掛けてから入ってください」と言われた。うぅ～む、新型インフルエンザ対策を徹底している……。

　実はこの得意先、少数精鋭主義で技術者主導。社内で新型インフルエンザが蔓延し、欠勤者が続出したら会社の存続に関わる。外来者と言えども、徹底した対策をとっているわけ。で、社内に入って、さらに驚いた。社内にいる全員がマスクを着用しているんだが、白、青、緑、ピンクと色分けされている。担当さんに話を聞くと、「あぁ、白は外来のお客様、青は社員、緑は家族に新型インフルエンザ罹患者（りかんしゃ）がいる社員、ピンクは風邪気味の社員なんだよ」って。おおおおお、なるほど。これなら不注意に接触して、感染してしまう心配は少なくなる。さすが、考えたモンだ。

　大企業ではこんな具合にはいかないだろうけど、これくらい徹底していてくれると安心して訪問できるし、打ち合わせや商談も額を付き合わせてできる。しっかりした会社は、万事に抜かりがないですね、ってお話でした。