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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 3月1日から始まった闘病生活第八ラウンド、抗ガン剤治療第五クールは流石にキツかった……。5日間の集中投与でドドーンと副作用が出てきた。

 ・3月1日、制吐剤点滴後、ペプシド、シスプラチン投与。
 ・3月2日、制吐剤点滴後、ペプシド、シスプラチン、ブレオマイシン投与。
 ・3月3日、制吐剤点滴後、ペプシド、シスプラチン投与。
 ・3月4日、制吐剤点滴後、ペプシド、シスプラチン投与。
 ・3月5日、制吐剤点滴後、ペプシド、シスプラチン投与。

 二日目の3月2日から、食事どころか水さえも飲みたくない状態になってしまった。なんとか口から栄養分を摂らねばと、トマトジースと野菜ジュースを無理矢理飲んでいた。もちろんベッドから降りるのはトイレに行く時だけ。ベッド上で身体を起こす気力さえも無くなってしまった。

 食事が摂れない状態なので、5日間の集中投与を終えた3月5日夕方から、持続栄養点滴ビーフリード(ブドウ糖点滴)の24時間点滴を受ける事に。この持続栄養点滴が曲者で、水分も栄養分も点滴で強制的に体内に送り込むので、飲まず食わずでいられる。性根が怠け者の自分などは、ますます飲み食いしたくなくなってしまう。ベッドの上でテレビをボンヤリ眺め、時折ネットを覗くだけ。それ以外の時間はトロトロと眠って過ごしていた。

 3月9日、本来ならブレオマイシンの追加投与の予定だったが、ダメージが大きすぎるので休薬する事に。3月10日、身体の臭いが耐え難くなってきた。蒸しタオルで身体を拭ってはいても、なにしろ10日以上お風呂に入っていない。嗅覚がおかしくなっているとは言え、イヤな臭い、キライな臭いには超敏感になっているので、ストレスで苛立ってくる。一時で良いから点滴を抜き、お風呂に入らせて欲しいと看護師さんに頼み込み、主治医のN尾先生の了承の上で点滴を抜いてもらった。早速、ベッドから降りて病棟内を散歩してみる。――ッ! ふくらはぎもスネも太腿もお尻も筋肉が落ち、真っ直ぐに歩けない! 足が萎えて自力歩行が困難になってしまっていた。それでも元気を出すためにシャワー入浴。

 熱めのシャワーを浴び、入浴介助用の椅子に腰掛けて、石けんでガシゴシと身体を洗う。ギモヂイイ~。が、椅子から立ち上がった途端に立ちくらみ。入浴を終えて身体を拭っていても、クラクラして脱衣場でしゃがみ込んでしまう。クソッ! たかが入浴でこの様かよ。それでもサッパリしたが、いきなり入浴はチョット無理しちゃったか……。自分の病室に戻り、ベッドで横になると心地良い眠気に誘われ、看護師さんが夕刻のバイタルを取りに来るまでグッスリとお昼寝。

 この入浴が効いた。空腹感は感じないが、家内に作ってもらった小さなオニギリを口にしてみると食べられる。しめた! 口からモノが食えるから、持続栄養点滴を中止してもらえないかと相談してみる。N尾先生からOKが出た。翌11日にはお餅を焼いて持ってきてもらい、食べてみると美味しく感じた。12日のお昼には焼き芋も食べられた。しかし、味覚が狂ってしまっているので、美味しいから食べられる、のではなく、気持ち悪くならないモノだけを選んで口に入れているだけ。

 食べられるか食べられないかは、味や匂いよりも食感で分かれている。パンや揚げ物の衣はアウト。お豆腐や油揚げもアウト。野菜類も茹でたほうれん草や白菜もダメ。肉類はステーキはOKだが、ハンバーグはダメ。白米と麺類はOKだが、チャーハンなどはダメ。もう食べてみないと何がOKで何がアウトなのわからない状態。好物だった餃子や麻婆豆腐などがアウトになったのはショックだった。

 とは言え、いくらかでも口からモノが食えるだけで違う。もう点滴はイヤなのだよ、ってお話なんだが、この3月11日が未曾有の大災害、戦後最大の国難の日となろうとは夢にも思わなかった……。

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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