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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 闘病生活第七ラウンド、抗ガン剤治療第四クール初日。午前11時30分に物見隊の制吐剤(デカドロン&ナゼア)が出陣。11時55分、先陣のペプシド隊が出撃。戦闘時間は半刻(1時間)。ふむ、軽い耳鳴りは相変わらずだが、気分が悪くなる事もなくペプシドの投与は完了。続いて14時30分から本隊シスプラチン隊が出撃。一刻(2時間)の戦闘時間の間も、ウトウトと居眠りしてしまうほどの余裕。

 以前にも書いたが、抗ガン剤治療は治療開始直後から血圧と酸素摂取量、点滴針を刺した位置の異常の有無(=液漏れの有無)、患者のアレルギー反応などを、0分、5分、10分、15分、30分、60分毎にチェックし記録していく。ガンという生きた細胞を破壊して殺す劇薬だから、正常な細胞も大なり小なりのダメージを負う。時にはショック症状を起こして、死に至る事だってある。薬液が漏れただけでも、抗ガン剤が滲んだ部分の組織は壊死してしまう。そうなると外科的に手術して抉り取るしかない。だから厳重な監視の下で、投与は医師でなければ出来ず、看護師が抗ガン剤を投与する事は許されていない。

拘束 で、抗ガン剤治療中はベッド上で安静にして、動かないようにしていなければならないのだが、点滴針を刺した場所によっては、寝返りや腕の重みで薬液がきちんと投与できない場合がある。そこで、居眠りをしても腕が動かないように、ベッドの柵に手首を縛り付けて拘束しておいた。これなら無意識に点滴のルート(=管)が下敷きになってしまう事はないし、点滴針の刺さった部位が圧迫される事もない。

 が、この程度の理由で ”患者の身体拘束” は許されていない。患者自身が自分の意志で、自分自身の手によって拘束するのならOKだが、それを手伝う事も認められていない。片手で日本手拭いを使って、ベッドの柵に腕を縛り付けるのは、面倒くさいったらありゃしない。断られるのを承知で、看護師さんに、「チョットだけ手伝ってよ」 と声を掛けてみたら、案の定、「ダメです。法律違反になっちゃうから、全部ご自分でやってください」 と断られてしまった。むぅ~、優秀な看護師さんだ……。こういう融通が利いてはいけないのだ。規則は規則、ルールはルール。厳格に守る事が徹底されていてこそ、良い教育が徹底されている、良い病院なのですね、ってお話です。

 しかしまぁ、ニコリともせずに 「ダメなモノはダメ!」 と、ビシッと言い切れる看護師さんってなぁ、カッコイイね。なんつったって、彼女達は自分の子供世代の20代。20代で自分の年齢の何倍も上の人の要望をハッキリと断り、時には叱責までできる胆力には驚いてしまいますな。やっぱり ”命の現場” に立つ人間は、気概や気組みからして徹底して鍛え上げられてンね。

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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