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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 暑さ寒さに弱く、早起きも苦手、まして雨の降る日に釣りなど冗談じゃない。そんなネコ科の釣り人である私だが、そぼ降る雨を衝いてイソイソと出掛けてしまう釣りがある。それが梅雨アナゴ。

 ブッ込み釣りをしていてアナゴが掛かると、ハリを飲み込まれて仕掛けはグチャグチャ、はずそうとすればニュロニョロヌルヌルと始末に負えない。しかし、食味はウナギに勝るとも劣らず、さっぱりとした淡泊な味わいは、中高年のご同輩諸兄には、ウナギよりもオススメである。



 アナゴ釣りは実にアバウトで、エサの付いた仕掛けを放り込んでおけば、1尾や2尾は釣れてしまう。だが、東京湾奥エリアでは、誘い・喰わせ・送り込み・アワセの妙といった釣趣から、専門乗合も出船する人気魚。この釣趣を陸っぱりでも堪能できるのが誘い釣り。半夜釣りの場合、遠投の必要はないので、コンパクトロッドや万能防波堤竿に小型スピニングリールのチョイ投げでよい。肝心なのは置き竿にせず、持ち竿でアナゴとの知恵比べを楽しむ事。

 仕事を終えた午後7時、名古屋港にてアオイソメをエサに釣り開始。50メートルほど投げ、海底の凹凸を感じ取る様に誘いを掛ける。シロギスの引き釣りよりも、さらにゆっくりとサビく。竿先に「クッ!」とアナゴ特有の押さえ込む様なアタリ。サビく手を止めて、食い込みを待つ。アナゴがエサをくわえ込んでいく、モゾモゾという感触が伝わってくる。続いて「グググッ」と本アタリ。ここでシッカリと竿を立ててアワセを入れる。アワセが早ければすっぽ抜け、遅ければハリを飲みこまれて難儀する。1尾目は50センチ級の良型。アワセのタイミングもバッチリ決まり、上あごにハリ掛かりしていた。

 1尾目からの良型に気を良くしたものの、その後2回のアタリをすっぽ抜けで逃がし、リリースサイズのメソッコを追釣したところで、そぼ降る雨が大雨に変わってしまい、後ろ髪を引かれる思いで納竿。しかし、白焼きにしようか、それとも煮アナゴにしようかと、ヨダレを口一杯に溜めながら釣り場を後にした。

※名古屋港海づり公園、大野漁港、半田港、武豊港なども実績釣り場。港湾部は改正SOLAS条約による立入規制区域が多く、入釣できる場所も黙認釣り場なので、ライジャケ着用など安全装備とゴミの持ち帰りの徹底、そして駐車マナーには充分留意されたい。

-「名古屋タイムズ」'07年7月4日 掲載稿-

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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