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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 「海の貴婦人」と言えばシロギス。では、「海の腹黒和服美人」と揶揄したくなる、釣り人の心をもてあそぶ小憎らしい魚は? 答はサヨリ。銀白色の羽二重に、いぶし銀の打ち掛けをまとった楚々たる風情に似合わず、朝方はハンペンしか口にしなかったかと思えば、昼頃にはアミエビ、夕方にはイソメと、その日その時で餌の好みが変化するわがままっぷり。その上、「アタッた!」と喜んだのもつかの間、エサの端だけをしゃぶってバイバイという強かさ。しかし、そのわがままと強かさに翻弄されてみたくなるのが男……、もとい、釣り人の性(さが)。



 さて、そんな小憎らしいサヨリを「攻めて、誘って、食わせて、アタリを取って釣る」という、アクティブな釣法がある。SSⅡ(スーパーサヨリン2)というカゴウキを使用した、浦安釣法と呼ばれる釣法だ。飛距離は従来仕掛けの2~3倍、しかもサヨリ釣りに付き物の仕掛け絡みがほとんど無い。遠投磯竿や万能防波堤竿でビューンと飛ばし、ゆっくりと仕掛けをさびいて誘いを掛け、アタリは竿先で感じ取る。感覚的にはシロギスの引き釣りと同じだ。違うのは風の影響で道糸がフケるのを避けるため、竿先を水面スレスレに下げる点だけ。

 今シーズンのサヨリ釣況やいかに、と9月12日午前7時30分から名古屋港で試し釣り。アミエビにパン粉とイワシ粉末を少々混ぜた自家製コマセに、付け餌はイシゴカイ。二投目にククッと小気味よいアタリ。下アゴの先にチョンと差した口紅も愛らしい18センチの新子サヨリ。4投目、5投目にも連荘で同サイズのサヨリが掛かってきた。同行の西田氏にも人生初のサヨリがヒット。「キタキタ、キターッ!」と大喜びの西田氏。竿先に伝わるサヨリの引きに目尻は下がり、ついでに鼻の下まで伸びている。それを横目で見ていた私が、「これで西田氏も腹黒サヨちゃんの虜だな。可哀想に……」などと考えていた事はナイショだ。

 二人の釣果は実釣正味3時間弱で、18センチのサヨリ13匹にオマケのサッパ2匹。最盛期には2時間で1人20~30匹は釣れるサヨリだが、シーズンを占う試し釣りにしては上出来の釣果だ。今年の伊勢湾奥、三河湾奥は未だに水温が26~28度と高く、開幕は遅れ気味になったようだが、9月末には最盛期を迎え、11月末まで楽しませてくれるだろう。

 おすすめのサヨリ釣り場は、名古屋港、新舞子マリンパーク、榎戸漁港、碧南海釣り公園、半田港、武豊港など。なお、浦安釣法を試される場合、従来釣法の流し釣りをしている先行者がいたら、必ず潮上に釣り座を構えること。潮下に入ると確実にオマツリになるので注意。

-「名古屋タイムズ」'07年9月16日 掲載 編集前原稿-

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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