釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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パジャマと言っても人間の着る寝間着の事じゃなくて、刀のパジャマです。「なんだそりゃ?」って疑問に思う方が大多数だと思うが、ヤクザ映画で健さんが着流し姿で提げている、白鞘の事です。本来、白鞘ってのは朴木のムク材で作られた、日本刀を仕舞っておく時に使う鞘と柄です。使用目的は、あくまでも刀の保存収納用で、白鞘は刀のパジャマみたいな物です。
で、健さんみたいに白鞘・白柄の刀で人をブッタ斬ると、あっと言う間に(おそらく一撃で)柄が割れてしまって使い物にならなくなります。だって、白柄は目釘が一本入っているだけで、柄糸をしっかりと巻き締めた柄巻きがなされていないから、斬撃の衝撃を受け止める様には出来ていないんだもん。それに白柄は滑りやすくてしっかりと握れない。これで何人も叩ッ斬るのは不可能です。
で、その白鞘の脇差し模造刀を一振り、知人から頂戴した。朴木の一枚板から作られた、なかなか格好良い白鞘刀で、武士の刀剣取り扱い所作を稽古するのに持ってこい。家内に言わせると、「拵えの美しい刀よりも、白鞘の方が威圧感があって怖い……」らしいです。だーかーらー、それはヤクザ映画の影響だってば。
「でもさ、『必殺仕事人・激突!』 じゃさ、滝田栄さんの演じる山田浅右衛門が、
白鞘の胴田貫でブッタ斬るじゃん」
「あのシーンの前に、白柄の上下二カ所に鉄輪を嵌めてる支度シーンがあるだろ」
「そうだっけ?」
「そうだよ。もう一回、よく見てみ。必殺シリーズは、その辺の作り込みはしっかりしてる」
必殺シリーズのDVDを探して再生。検証してみる。
「あ、あった、あった。なるほどね。へ~、これがないと柄が割れちゃうんだ」
「それにな、本気で人を叩ッ斬る時の柄の握り方はだね、右手は鍔元を握り、
左手は柄頭ではなく、右手から指一歩分程度離れた位置を握っ……」
「ふ~ん。もう刀や武士のウンチクはいいよ。その話、長くなるし」
「……(女子と小人は養い難したぁ、孔子様はよくぞ曰うてくだされたもんだ)」
まぁね、自分自身も、二十数年前に殺陣やアクションを教えてくださった師匠、先輩方に、「そんな事で人が斬れるか、殺せるかァ!」って注意されると、「いや、マジで人を斬っちゃうワケじゃないし、人殺しの技を覚えたいわけじゃないし」なんて、心の中で反論してたっけなぁ。時代や役柄に合わせたリアルな所作を知っていてアレンジしているのか、知らないから知らないままにやってるのか。そりゃぁもちろん、知っていてアレンジしている方が演技に深みが出ますわな。自分に殺陣や所作を教えてくださったのは、今村均さん、中瀬博文さん、戸田新太郎さん、勝光徳さん、功刀明さん、伊藤久仁昭さん、伊藤久二康さんをはじめ、映画やドラマ、特撮番組で殺陣やアクションを演じていた、知る人ぞ知るその道のエキスパートの方々です。みなさん男前だけど、メッチャ怖い顔してます(笑)。
そんな怖い師匠、先輩方に叱られ、どやしつけられ、時にはブン殴られながら覚えた所作や動作が、今になって役立っているわけで、今さらながら師匠、先輩方には深く感謝している次第。今では自分が"本気のチャンバラごっこ"を監修する立場になり、「そんな事で人が斬れるかぁッ! 自分の足を斬っちまうぞ!」と怒鳴り散らしては、恨めし気な三白眼で睨まれているんだから、人生ってのは順送りですね、というお話です。
あ、試し斬りで柄が割れちゃうって方、握り方を鍔元と柄頭じゃなく、鍔元と右手下指一本に変えると良いですよ。理由は柄の中の茎の位置を考えて貰うと判ると思います。刀身の物打ちが力点、鍔元が支点、茎の先端を作用点として考えれば、左手で柄頭を握ると、柄の内部の茎の先端に加わる力が柄に全て掛かってしまいます。そこで左手を拳半分ほど上にずらして、茎の先端に当たる部分を握れば、柄の割れる心配は少なくなります。よくわからないって方は、テコの原理をもう一度お勉強し直してみてください。
で、健さんみたいに白鞘・白柄の刀で人をブッタ斬ると、あっと言う間に(おそらく一撃で)柄が割れてしまって使い物にならなくなります。だって、白柄は目釘が一本入っているだけで、柄糸をしっかりと巻き締めた柄巻きがなされていないから、斬撃の衝撃を受け止める様には出来ていないんだもん。それに白柄は滑りやすくてしっかりと握れない。これで何人も叩ッ斬るのは不可能です。
で、その白鞘の脇差し模造刀を一振り、知人から頂戴した。朴木の一枚板から作られた、なかなか格好良い白鞘刀で、武士の刀剣取り扱い所作を稽古するのに持ってこい。家内に言わせると、「拵えの美しい刀よりも、白鞘の方が威圧感があって怖い……」らしいです。だーかーらー、それはヤクザ映画の影響だってば。
「でもさ、『必殺仕事人・激突!』 じゃさ、滝田栄さんの演じる山田浅右衛門が、
白鞘の胴田貫でブッタ斬るじゃん」
「あのシーンの前に、白柄の上下二カ所に鉄輪を嵌めてる支度シーンがあるだろ」
「そうだっけ?」
「そうだよ。もう一回、よく見てみ。必殺シリーズは、その辺の作り込みはしっかりしてる」
必殺シリーズのDVDを探して再生。検証してみる。
「あ、あった、あった。なるほどね。へ~、これがないと柄が割れちゃうんだ」
「それにな、本気で人を叩ッ斬る時の柄の握り方はだね、右手は鍔元を握り、
左手は柄頭ではなく、右手から指一歩分程度離れた位置を握っ……」
「ふ~ん。もう刀や武士のウンチクはいいよ。その話、長くなるし」
「……(女子と小人は養い難したぁ、孔子様はよくぞ曰うてくだされたもんだ)」
まぁね、自分自身も、二十数年前に殺陣やアクションを教えてくださった師匠、先輩方に、「そんな事で人が斬れるか、殺せるかァ!」って注意されると、「いや、マジで人を斬っちゃうワケじゃないし、人殺しの技を覚えたいわけじゃないし」なんて、心の中で反論してたっけなぁ。時代や役柄に合わせたリアルな所作を知っていてアレンジしているのか、知らないから知らないままにやってるのか。そりゃぁもちろん、知っていてアレンジしている方が演技に深みが出ますわな。自分に殺陣や所作を教えてくださったのは、今村均さん、中瀬博文さん、戸田新太郎さん、勝光徳さん、功刀明さん、伊藤久仁昭さん、伊藤久二康さんをはじめ、映画やドラマ、特撮番組で殺陣やアクションを演じていた、知る人ぞ知るその道のエキスパートの方々です。みなさん男前だけど、メッチャ怖い顔してます(笑)。
そんな怖い師匠、先輩方に叱られ、どやしつけられ、時にはブン殴られながら覚えた所作や動作が、今になって役立っているわけで、今さらながら師匠、先輩方には深く感謝している次第。今では自分が"本気のチャンバラごっこ"を監修する立場になり、「そんな事で人が斬れるかぁッ! 自分の足を斬っちまうぞ!」と怒鳴り散らしては、恨めし気な三白眼で睨まれているんだから、人生ってのは順送りですね、というお話です。
あ、試し斬りで柄が割れちゃうって方、握り方を鍔元と柄頭じゃなく、鍔元と右手下指一本に変えると良いですよ。理由は柄の中の茎の位置を考えて貰うと判ると思います。刀身の物打ちが力点、鍔元が支点、茎の先端を作用点として考えれば、左手で柄頭を握ると、柄の内部の茎の先端に加わる力が柄に全て掛かってしまいます。そこで左手を拳半分ほど上にずらして、茎の先端に当たる部分を握れば、柄の割れる心配は少なくなります。よくわからないって方は、テコの原理をもう一度お勉強し直してみてください。
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