気風

　自分の母校がまたしても話題になってて、前回は大麻なんてバカバカしいネタで世間に恥を振りまいてくれたんだが、今回は時代錯誤すぎるネタなモンで笑っちゃったよ。機動隊と揉めて逮捕者が出たそうです。う～ん、なんつーか、自分の在学していた30年ほど前と変わってない。つか、こんだけ情報化され、様々なアプローチ方法がある時代になっても、未だに30年前、40年前と変わらない手法で 「革命」 とやらを夢想しているのが、昭和臭プンプンでとってもナイスです（笑）。

　自分の在学中は今よりも派手に左翼連中が暴れていて、総長室を占拠したり、学生会館で麻雀やってたら機動隊が壁をブチ破って突入してきたりしたんだけどね。それっていつの話だよ、って思うかもしれないけど、昭和50年代、西暦'80年代の話です。当時、何があったかってーと、成田闘争の賑やかなりし頃です。ラディカルな左翼がまだ生き残っていた時代で、成田の飛翔弾事件やら、自民党本部焼き討ち事件やら、浅草橋駅焼き討ちなんて事件も起こしてたなぁ。

　で、紺色と橙色がイメージカラーの我が母校はこんな連中の根城だったもんで、しょっちゅうロックアウトされて、学内立入禁止、講義は休講、試験はリポートに振り替えで、得したのか損したのかよくわからん大学生活でした。あ、学費は 「西のR、東のH」 ってくらい、私学では安かったんだけどね。

　なんてーのかなぁ、十代後半から二十代前半で抱く、理想社会への憧れ、自己顕示欲、破壊衝動みたいなのが渾然一体となって、それを満たしてくれそうな "場" が左翼活動なのかもしれない。聞き分けの良いお利口さんだった坊ちゃん嬢ちゃんが大学に進学して、"革命ごっこの英雄ごっこ" を見て、「一緒に暴れちゃえば世の中よくなるかも～」 ってな空気に触れて感染しちゃうってのも、わからん話じゃない。まぁ、左翼思想にかぶれるのは青春期の仕上げに罹る、ハシカとか水疱瘡みたいなモンです。あの世代で読んだチェ・ゲバラの自伝なんか、半端じゃなくカッコイイと感じたもんなぁ。あ、そのゲバラさんも、今では写真の通りのお姿になっちゃってるんだけどね。

　自分の母校には、そんな夢想癖に漬る気風が溢れていたっけな、てお話です。