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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 21年間、人間に換算すれば百歳を超えて和みと癒しをもたらしてくれた、かけがえのないペットだった愛猫アビが、天に帰って1年が過ぎた。ようやく、悲しみが想い出に変わりつつある。1年前の今日、家内と共にどれほど悲しみ、嘆いた事だろう。五十歳近い中年夫婦が、アビの弛緩した亡骸を抱きしめて、泣きに泣いた。

 我が家ではペットは家族の一員という位置付けではない。主である人間とペットの間には、愛情を惜しみなく注ぎ注いでも、文字通り猫ッ可愛がりはしても、"主従関係" という厳然たる一線を引いていた。現在のペットである、フェレットのチャオとの関係も然り。我が家におけるペットの位置付けは 「癒しと和みをもたらす忠臣」 なのだ。

 アビが天に帰る前日、関西に住む弟夫婦に女の子が誕生した。その日のアビは、視力も聴力も失っていたが、朝には 「ゴハンちょーだーい!」 と元気だった。しかし、その夜、急に身じろぎするのも億劫そうになった。翌朝一番で動物病院に連れて行ったが、血液検査でもエコー検査でも異常なし。むしろ前週の検査時よりも数値は改善していた。そして帰宅後、午後2時30分頃から容態が急変。起き上がる事も出来なくなり、午後2時51分、家内と自分に看取られて静かに21年の生涯の幕を閉じた。死因は老衰。姪っ子の誕生と入れ代わりの大往生だった。

 アビはきっと我が家に仕え、幸せだったのだと思う。でなければ21年間も生きてはいなかっただろう。18歳半で腎臓腫瘍で右側腎臓の摘出手術を受け、それでもなお、毎日自宅で点滴(皮下輸液)の介護を受けつつ、2年半も生きてくれた。アビと出会えた幸せ、一緒に暮らせた喜び。生涯を懸けて尽くしてくれた、アビへの感謝の思いを噛みしめている。

 ありがとう、アビ。生まれ変わっていても、生まれ変わっていなくても、遠慮せずに遊びにおいで。そしていつかまたどこかで会ったら、また友達になっておくれ。アビの事は忘れないよ。だって、今日は……我が誕生日なのだから。

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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男性
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釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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