弥縫

　あらあら、まぁまぁ、おやおやの茶番劇が繰り返されて、もうウンザリってな気分の御仁も多かろうと思うんだが、ここでウンザリしちゃう程度の有権者だから、何遍でも騙されちゃうワケで、自らを"選良"と自認する議員先生方は、どんだけのストレスに晒されても、屁の河童、蛙の面にナントヤラの図太い神経でなきゃ務まらない。まぁ、中には自らの命を絶ってしまう方もいないでもないが、そういう方は 「向いていなかった」 って言われてしまう、怖い世界でもあるわけだ。

　だってね、一般的なサラリーマン（高卒上）の生涯賃金が２～３億円弱と言われている中で、議員先生方は表向きの収入だけでも年間およそ４千２百万円（歳費＋文書通信費など）。政治に金が掛かるのは仕方ないし、高給優遇も当然だとは思うが、たいした仕事をしてない連中までもらえちゃうんだモンなぁ。そりゃ相当のバッシングを受けたところで、どうって事ァないし、そう簡単に辞めるはずがないわな。ガッチョリ儲かるんだモン。

　で、国民的不人気の親分と裏で糸引く黒幕が、選挙を前に身を退いたワケだが、すでに決まっちまった法案なんかは、もう取り返しがつかない。国民（有権者）はまるで、「一回やらしてください」 と懇願するモテない男にほだされて、「一回だけよ」 と許した結果がデキちゃった心優しい女性、みたいなモンだ（笑）。これが他人事じゃなくて、我と我が身、子々孫々にまで繋がっちゃうんだから困っちゃうね、ほんとにもう。

　今回の辞任劇も参院選対策であることは間違いない。どう取り繕ったところで、失政の責任を取らずに辞めた、としか自分には見えないんだが、幸か不幸か、我が家は子宝に恵まれなかったので、次代に残すべき何もなければ、我が子の行く末を案ずる必要もない。せいぜいが残り30年チョイの、自分たち夫婦の生涯だけ考えておけば良いから、いくらかは気が楽だよ、ってお話でした。

　無責任だって？　ンなの仕方ないじゃん。我が家はいずれだね、連れ合いと二人、老老介護に疲れ果て、身の処し方を誤る可能性だってある身の上なんだモン。他人様の子の将来にまで、考え至るほどの余裕なんざ、ありゃせんわィ。

弥縫（びほう）＝失敗や欠点を一時的にとりつくろうこと。