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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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シャーの介護9日目。
【朝】
 昨夜未明、シャーの容態が急変した。頭を持ち上げる事が出来ず、呼吸も浅く荒い。体温も下がっている。朝になるのを待って、動物病院に運び込んだ。体重は3.7kgにまで落ちていた。ここ数日間の闘病で、ついに最後の体力まで尽き果ててしまったらしい。わずかに残っていた抵抗力も尽きて、肺炎を起こしていると先生が告げた。体温が下がったのは、発熱してウィルスや病原菌と闘う抵抗力が落ちてしまったからだ。極めて厳しい局面。それでも最善を尽くしたいと申し出ると、「(シャーの)命の保証は出来ないけどいいか?」と言われた。元々、野良猫のシャーだ。自分が発見していなければ、すでに無かったはずの命。ここで肺炎治療のための博打を打って、シャーに恨まれるなら恨まれてもいい。抗生剤などの治療薬2本、栄養剤1本の合計3本の注射。注射の針を刺されても、「ヴギャ……」と声を上げるだけ。暴れる体力も無い。連れ帰ったら乾燥した暖かい部屋に置く事と、水分をまめに補給してやる事を指示された。敢えて "乾燥した部屋" に置くのは、猫が喉の渇きを感じて水分を摂るようにするためだそうだ。しまった、わざわざ加湿器で乾燥を防いでいたよ……。

【昼】
 動物病院から戻り、午後になってもシャーはぐったりしたまま。完全に寝たきり状態に戻ってしまった。流動食も受け付けない。薄い砂糖水、猫用ミルクを注射器のポンプで1〜2時間おきに与える。口の中に流し込んでも、半分はタラタラとこぼしてしまう。飲み込むのも辛そうだ。根気よく、ひたすらシャーの快復を祈りながら介護を続けるしかない。
 猫は野生の本能で、具合が悪くても本当の限界が来るまで動き回ったり、無理をしてでも餌を口する。弱っている姿を外敵に見られたら、獲物にされてしまうからだ。一見、元気そうに見えても、実は青息吐息の状態と言う事もよくあるらしい。そのため、異常に気付いた時には既に手遅れという例がとても多いそうだ。この2〜3日、回復傾向にあると思っていたが、実際は攻め寄る病に対し、シャーは総力を結集して突撃を敢行していたのか……。そこへ『肺炎』という新手の敵が現れ、シャーは深手を負ってしまった。頑張れ、シャー。大丈夫、俺が助勢してやる。すでに2回も重篤状態の介護は経験している。今度もちゃんと面倒見てやるから。それに獣医さんも加勢してくれる。陣は整ったぞ。もう一合戦ブチかましたろうぜ、シャー。

【夜】
 頭を持ち上げるようになった。ペーストは無理だが、流動食を15ccほど口にした。水も10ccほど飲んだ。ゴソゴソと動くので座らせてやったらオシッコをした。やっぱり寝たままでするのはイヤなんだな。そういえば今日は便が出ていない。食べていないんだから、出るはずもないか……。あるいは排便する力が出ないのかもしれない。
 依然として呼吸は荒く、息をしているだけでも辛そうだ。獣医さんには「今夜持ちこたえられるかどうか……」と言われている。寝ずに付き添ってやり、明日は朝一(9:00)に動物病院に連れて行く。シャー、明日の朝9時に診療予約してあるからな。頑張って今夜を乗り切ろうな。

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HN:
YASU ・居眠釣四郎・眠釣
性別:
男性
自己紹介:
釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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