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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 愛犬ロンの容態が良くない。先日で14歳6ヶ月になったのだが、今朝になって自力で起きあがる事が出来なくなった。エサも全く口にしない。クタ~ッと横になっているが、意識はハッキリとしており、「ロン」と呼び掛ければ顔を向けてくれる。呼吸や脈拍は安定しており、苦しそうではないのだが……。食いしん坊の大飯ぐらいで、ケンカ好きで、何にでも興味を持って駆け回っていた事を思うと、切なくて仕方がない。してやれる事と言えば、スポイトを口の端に差し込んで水を飲ませてやる事と、抱きかかえて身体を支えながらオシッコをさせてやる事くらいしかない。



 認めたくないが、ロンは食が細り、体力や気力が衰え、身体の機能を徐々に低下させて、天に帰る旅支度を始めたのかもしれない。旅立つ直前まで元気では、その瞬間に苦しむ事になる。これは人間も同じで、老化による衰弱(老衰)は天寿を全うする者への、天のご褒美だと……。

 ロンを送り出す心構えは出来ている。出来てはいるのだが、まだまだ一緒にいたい。「じゃぁ、いつまで?」と訊かれれば、永遠に一緒にいたいに決まっている。しかし、それはあり得ない事。ペットとの別離の日は必ず来る。どれだけ自分に言い聞かせ、納得しているつもりでも、別れの時はつらい。

 自分は今回、初めて"安楽死"を選択肢に入れている。ロンは睾丸腫瘍、皮膚ガン、口腔内腫瘍、膀胱ガンを患ってきた。転移を防ぐための抗ガン剤治療も行った。ロンは充分に頑張ってきたのだ。すでに狂犬病予防のワクチン接種もできないほど衰弱しているロンには、これ以上の積極的治療方法は無い。もしもロンが苦しみに喘ぐような状態になったら、延命させて苦しみを引き延ばすよりも、介錯をしてやるのも飼い主の務めではないかと思っている。どんな形であれ、自分は決してロンを見殺しにはしない。ロンにとって最善の旅立ちが出来るのならば、背負うべきものは背負っていく覚悟だ。

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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男性
自己紹介:
釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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