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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 8日からの入院支度で着替えやら、なんやらを荷造りしたンだが、前回と違って着るモノが厚手になっているため、10日分でも結構な荷物になった。11月も半ば、さすがに褌に作務衣ってワケにはいかないからなぁ。

 ついでに入院誓書などの入院手続き用の書類の記入を済ませ、ガン保険請求用の書類も準備。まさか前回の入院・手術から、わずか1ヶ月ほどで再入院・再手術になろうとは、夢にも思わなかった。海外旅行用のキャリーバッグに着替えを詰めている家内に、なんと話しかければ良いのか、言葉を探してみたが見つからない。売文屋のくせに、気の利いた一言も見つけられないとは情けないね。

 「今度はお腹の手術だから、しばらく美味しいモノが食べられないね。
  明日はウナギかお寿司食べに行こッか?」

 実を言うと、先日の退院以来、空腹感を感じた事がない。すなわち、”何が食べたい” という欲求が失われている。食べれば美味しく食べられるし、量だって大盛りでガッツリ食えるンだけどね。それに闘病休業によって収入は激減しているし、これから先も医療費が嵩む。おまけににノートPCの故障買い換えで、予想外の出費を強いられた直後だ。贅沢などしていられない……。

 「う~ん、ウナギやお寿司もいいけど、うまいうどんが食いたいな。
  いつものうどん屋さんに行こうよ」

 「いいよ。じゃあ、いつものうどん屋さんに行こうね」

 家内はすでに荷物は詰め終わっているはずの、キャリーバッグの中の荷物を点検しているフリをして、コチラに背を向けたまま話をしている。自分もすでに書き終えた、提出書類に目を向けたまま返事をしていた。

 深まりゆく秋の夜。こんな夫婦の一場面がありましたよ、ってお話でした。

 自分は日本一の果報者亭主かもしれない……。

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 弱り目に祟り目ってな言葉があるんだが、今日の自分がまさにそれで、闘病生活で医療費はかさむわ、お仕事できないから収入は激減するわでトンデモナイ状況にも関わらず、3年前に購入したノートPC、Let'snote-R6が突然故障。電源さえ入らない状態になってしまった。

 闘病中とは言え、売文屋なんて商売はオツムさえシッカリしてりゃ、小遣い程度の収入は得られる。取材には出られないが、エッセイやら評論やらスピーチライティングなら、病院のベッドの上でもこなせるからね。それに釣り情報誌 『磯・投げ情報』 の連載記事の執筆、国交省関連機関誌 『波となぎさ』 からの執筆依頼も来ているし。

 そんなワケで、昨夜のうちにメインPCから必要なデータをLet'sNote-R6に移行しようとしていたら、作業中に突然、R6の画面がブラックアウト。それっきり起動しなくなってしまった。焦ったのなんのって、起動してくれないンじゃリカバリーのしようもない。PCに関しちゃいささか知識も自信もあるんだが、こればっかりはお手上げだ。

 近所の大型家電店の開店を待って修理に持ち込んだのだが、修理完了まで早くて3週間はかかる。原稿の締め切りには間に合わない……。仕方がない、新しいノートPCを買おう。自分の場合、ネットブックやi-Padなんかじゃなくて、フルスペックPCじゃないと都合が悪い。

 で、買ってきましたよ。最新型のLet'snote CF-S9。ついでにデータ通信端末docomo L-05も。てか、docomo L-05を同時契約すると4万円引きになる。病院でもメールのやりとりや、入稿ができるように購入を考えていたンで、渡りに舟だった。

 しかし、ここでの十数万円の出費は痛い。今年は地デジ対応で液晶テレビを買ってアンテナ工事をしたり、エアコンを買い換えたり、とにかく出費が重なっている。挙げ句の果てが、ガンを患って人生の土壇場ですよ。

 まったく、弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂ですよ、ってお話でした。 チクショウ!

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 今日は千葉から釣りアイテムメーカー工房浦安のT常社長が、「再入院前の元気な姿」 を見に来てだすった。T常社長とのお付き合いは10年以上になるか……。千葉からわざわざお越しいただき、過分のお心遣いまで頂戴してしまって恐縮至極だったが、やはり嬉しかった。

 「いつもブログで様子は読んでたンだよ。
  でも、きっと空元気を出して、自分を鼓舞しているんだろうと思って、
  コメントを書き込んだり、メールを送る事ができなかったンだ」

 いえいえ、空元気なんかじゃありません。実際、手術後の回復に向けての痛みは残ってますけど、ガンに冒されている箇所はドコも痛くないし、違和感すら感じていません。

 T常社長と話をしていると、釣友のWASAさんがお見舞いに来てくれた。先の入院中にも多額のお心遣いを携えて訪ねてくれたんだが、今回はWASAさんが半年ほど海外出張してしまうため、出発前に顔を見に来てくれた。ありがたいなぁ。先の入院前、スポーツ新聞の釣行取材にも協力してくれた。本当にありがたい釣友です。

 夕刻にはマイミク&釣りインストラクターの先輩である、ほうねんえびさんが、お願いしておいた髷鬘を持ってお見舞いに来てくだすった。髷鬘というよりも、ちょんまげエクステンションなんだが、実に良い出来で、髻(もとどり)をチョイと調整すれば、チョットした舞台でも使用できそうだ。感謝感激!

 やはりデカイ病を患ってみると、人の縁と情の有難味が改めてよくわかりますね、ってお話でした。

 自分は実に幸せ者です……。

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 退院後、最大最悪の苦痛で目が覚めた。寝返りを打った拍子に、肺ガン手術の跡の、肺のどこかに負担が掛かった様だ。「ズズン、ズッキーンッ!」という重く激しい痛み。あまりの痛みに「ウググ……、グァッ!」と苦鳴を上げて跳ね起きてしまった。跳ね起きた瞬間、胸骨と肋骨の痛みも併発。肩や首までゴリゴリに凝ってしまい、脂汗が滴り落ちる。まだ体内の手術跡が安定しきっていないんだな。

 体内に巣くっている腹部、睾丸、背筋、そして新たに転移発生したガンの病巣は、痛くも痒くもないのだが……。鎮痛剤のロキソニンを飲み、ボルタレン坐薬を挿入したが、まだ効いてこない。気を紛らわせるためにネットに繋ぎ、こうして文章を書いている。

 闘病に向けての不安が無いと言えばウソになるが、ガンとの闘い、死への恐怖よりも、こういった痛みの方が耐え難い。だが、この痛みを耐え抜き、治療に取り組まねば生命を失う事になる。肉体の痛みを凌駕する意志の力を、もっと鍛え蓄えなければ……。どうやって鍛えりゃいいのかわからんけど。

 どんなにツラく苦しくても、来年9月13日までには治す。何が何でも治すという、盤石強固な意志をもっと強く持つしかないな。なんで来年9月13日まで、ってェと、結婚25周年の記念日だから。そう、銀婚式なのですよ。自分の回復を信じ、その後の厳しくなるであろう生活も考えた上で、

  「 一 人 笑 う て 暮 ら そ う よ り も  二 人 涙 で 暮 ら し た い 」

とまで言うてくれた家内のためにも、絶対にこの病を克服せねば。痛みには人一倍、いや、人256倍弱い自分だけど、ここは緊褌一番、耐え抜いてみせなきゃ……。とは言え、この身体内部からの痛みはキツイ。眠剤を飲んでいたにも関わらず、効果持続時間中に飛び起きるほどだもの。でも、世の中にはもっとツライ痛みに耐えているガン患者はたくさんいる。自分も耐え抜いて、「二人笑顔で暮らす日々」 にしてみせるぞ!

 っと、威勢の良いセリフを並べてはみたモノの、やっぱり痛ッてェ~ッ! 

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 毎日たくさんの激励メール、メッセージ、電話、お見舞いを頂戴して感謝の言葉もないンだが、「どうやって病気と闘っていくの?」 って事をよく聞かれます。治療計画についてはまだ、詳しく聞いていないンだけど、第二ラウンドは手術によって腹部腫瘍と左睾丸を摘出。その後、手術傷の回復を待って、第三ラウンド以降は抗ガン剤治療となる予定です。

 主治医のM山先生が感じておられる印象としては、「極めて悪性度の高い絨毛ガン」って事らしい。絨毛ガンってのは、男性の場合は精巣腫瘍として発現する事が多いンだが、非常に進行が早く、血液に乗って転移する 「血行性転移」 も起きる。症状としては睾丸の肥大化や硬化(石の様に硬くなる)らしいンだけど、自分の場合は肥大化も硬化も見られていない。ただ、左睾丸に嚢胞が出来ているのが確認されたので、ここを疑うのは当然ですな。転移性の高さから、確定診断を出すには、早急に摘出して病理検査を行うしかない、ってのがコイツの厄介なトコです。

 自分の場合、すでに肺、虫垂、背筋への遠隔転移が起きているので、仮に精巣腫瘍だったとすれば、TNM分類ではM1a(所属リンパ節以外のリンパ節及び肺転移)、病期はⅢC期(肝臓・脳・骨など他の臓器に転移している)になる。……、か~な~りヤバそうな感じなんだが、実は精巣腫瘍も絨毛ガンも、抗ガン剤が実に良く効くので、70~90%の確率で根治できるらしい。頑張り甲斐があります。

 今後の闘病戦法をボクシング風にまとめてみると、

 ・第一ラウンド=右脇へのフックを叩き込んでOK狙い(ダウンは奪うもOKできず)。
           <右肺中葉切除・腫瘍摘出手術>

 ・第二ラウンド=ボディーアッパーおよび金的へのローブロー攻撃(笑)でスタミナを奪う。
           <腹部腫瘍摘出および左睾丸摘出手術>

 ・第三ラウンド=ヒットアンドアウェーでポイントを稼ぎ、判定勝利を狙う。
     |     <抗ガン剤による数サイクルの全身治療>
 ・最終ラウンド

 う~ん、フルラウンド闘う体力とスタミナ、それに気力は充分なんだが、やっぱりかなり消耗しそうだなぁ。抗ガン剤の副作用のしんどさは、実際に抗ガン剤治療を受けている人達から、何度も話を聞いている。24時間船酔い状態の悪心・吐き気、血管が焼け付く様な痛み・不快感、難聴や耳鳴りなどの聴覚異常……。ウヘ~、ガンそのものよりも、副作用の方が怖ェじゃんかよ~!

 とは言え、死んじゃうのと、苦しいけど治るのと、どちらかを選ばにゃならん、となれば、当然、苦しくても治して元気になりたい。試合もしないで世界チャンピオンになれるボクサーはいない。チャンピオンになりたければ苦しい練習に耐え、命を落とす危険を顧みないでリングに立つしかない。ましてやチャンピオンなんて称号よりも大事な、自分の人生、生命そのものを勝ち獲りにいく闘いなので、ヘコたれてなんかいられませんよ、ってお話でした。

 なにしろ、死んだら新聞の物故者欄に名前が載るくらい、この世に功績を残したい、ってのが居眠釣四郎の人生の目標なんだから。まだ何も功績を残してないのに、ここで負けたら 「余命一年の花嫁」 ならぬ 「汚名末代の野良オヤジ」 だからね(笑)。

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 治療方針が決定した。11月8日再入院、11月10日に腹部腫瘍および左睾丸の摘出手術。腹部腫瘍の摘出手術はM山先生が、腹腔鏡手術で執刀してくださる。ん~、睾丸摘出は想定外だったけど、ガンの原発は睾丸かも知れない (てか、絨毛ガンはソコが本来の拠点) ンで、疑わしきは取っちゃうべきだね。コッチは泌尿器科の先生の執刀になる。

 しかし、マズイ事に30日にインフルエンザの予防接種を受けちまってる。本来、手術前1ヶ月は各種のワクチン接種はしない方がイイ。不活性化されてるとはいえ、病原体を体内に入れるンだから、麻酔などの影響で悪さをしだす可能性があるから。まぁ、 リスクっちゃぁリスクだけど、絶対にダメってなレベルじゃないし、手術を1ヶ月も先送りできるほど余裕がある状態じゃないからなぁ。

 さて、一昨日から出始めた血痰の原因。CTの結果、左右の肺に新たな転移病巣が……。さすがにこれは自分にとっても、主治医のM山先生にとっても、まったくの想定外。自分の身体を冒しているガンの悪性度の高さがうかがい知れる。まぁ、悪性度が高かろうが、できる事はしっかりと病気と向き合い、闘う事しかないから、まったく気落ちしたりはしていない。闘病への気力は充ち満ちている。

 正直、自分がこんなに病気に対して、前向きでいられる人間だとは思っていなかった。痛いの大嫌い、歯の治療でさえ冷や汗と脂汗を流してガタガタ震えている様な弱虫が、次々と襲いかかってくるガンに立ち向かっていけるなんてねェ……。

 道教では人間は天から授かる 「魂」 と、地から授かる 「魄」 の二つのタマシイを宿している、と考えられていて、肉体が滅びると 「魂」 は天に帰り、「魄」 は地に戻るワケです。自分の 「魂」 はお調子者で弱虫だけど、普段は表に出てこない 「魄」 は極めて強壮なのかもしれない。

 生く死ぬの土壇場にあって、こうしてmixi日記やらブログやらを書き込む余裕、病状を公表してしまうアッケラカンとした気構え。まったく、そんな自分が自分の中にいた、なんて信じられませんよ、ってお話でした。

 あ、A5病棟の看護師のみなさん、またお世話になります。今度は西側の窓際のベッドがいいなぁ。鈴鹿のお山に沈む、秋の夕日の美しさは格別だもんね。

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 今日は病院付属のクリニックでインフルエンザ(季節性+新型)の予防接種。家内の分も一緒に予約しておいたので、夫婦揃ってすんなりと接種できたんだが、自分の問診票は既往症欄に転移性肺ガンだの、罹患中疾病欄に絨毛ガンだの、医師から接種の許可が出ているかの確認だの、そりゃもう賑やかな事……。

  インフルエンザ(季節性+新型)の予防接種を終えて、クリニックに併設されているカフェでお昼ゴハン。ここのカフェは医療施設併設ながら、美味しいので人気がある。食事を済ませて車に戻り、ゴホンと咳。ん? ちょっと痰が絡んだな、っとティッシュに取ってみて唖然。点々と血が混じ……。

 「 マ ジ か よ ッ ! 病巣はすでに肺の一部と共に、手術で切除したじゃねーか!」

 自分の体内に起きている異常が、どんだけのモンなのかが把握しきれないもどかしさはあるが、幸い、月曜に診察を受ける事になっている。ドクターにきちんと症状を話して、対応を考えていただこう。

 ウ オ ァ ア ア ア ア ア ア ア ~ ッ !

 クソッタレ病魔めが……、必ず、必ず叩き伏せてくれるゾ!

 どっからでもかかって来やがれ!

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 検査結果がすべて出揃った。結果は闘病生活第2ラウンドの開始。肺の腫瘍は別の場所から転移してきた、「転移性肺ガン」って結果。原発(ガンの大元)はなんと腹部。虫垂辺りの絨毛ガン。ベテランの腫瘍専門医の先生も、虫垂原発の絨毛ガンは見た事がないと言う、稀有なガンだった。しかも転移が認められ、それもまた厄介な場所で、左の背筋内部に1.5cmほどの腫瘍が……。幸か不幸か、腹部の腫瘍は手術で摘出できるし、背筋内部の腫瘍については手術は難しいが、絨毛ガンは抗ガン剤で叩けるので、抗ガン剤治療という事になりそう。もちろん、再入院ですわ……。

 あまりに稀有な病態なモンで、治療方針については再検討を行い、11月1日に決定する事になった。腹部の腫瘍は、すでにかなり肥大化し始めており、いつ腸が破れるかわからない状態らしい。M山先生からは 「何か異常や痛みを感じたら、スグに救急外来に来るように!」ってクギを刺されてしまった。ん~、でも、何の自覚症状もないよ? お腹も痛くないし、張りも感じてない。吐き気も下痢もなきゃ、お通じも順調だし、ゴハンも美味しく食べられてる……。

 肺の時もそうだったけど、痛くも痒くもないんだよ。ガンって苦痛に満ちた病気だと思ってたンだが、それはとんでもない間違いだね。静かに、しかし確実に増殖・転移して身体を蝕んでいく。まさにサイレントキラー。

 それにしても、こんな妙ちきりんなガンに罹るなんて、よっぽど日頃から妙ちきりんな事ばっかしてたンだろうなぁ。あ、これも自覚がありませんね、ってお話でした。

 って、笑い話に出来ちゃう自分の精神構造がよくわからんわ……。

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 悪夢ッてェのは寝てから見るのが普通なんだが、退院後初の外来診察で病理検査の一部結果を聞かされ、やはりあまり芳しい結果ではないかもしれないとのお話があった。腫瘍マーカーのHCGがだ、基準値は5未満なんだが 3 8 0 9 . 7 なんてトンデモない数値が出ていた。HCGってのは妊娠時に生成されるホルモンで、妊娠検査なんかでも測定するんだが、男子でHCGの値が飛び跳ねるってェのはヤバイわけです。あぁ、HCGが高いと精巣でテストステロンが生成されるから、自分がオリンピックだとか、国際的な試合に出たりすると筋肉増強剤使用によるドーピングを疑われちゃうね(笑)。

 冗談はさておき、M山先生から 「眠釣さんね、今日は血液検査を受けてもらい、念のため26日にMRIをもっかい撮りましょう」 とのお話。エエエエエエーッ! あ、あ、あの狭い検査機器のベッドに再び寝かされるのかよォ~。一昨日のPET検査で死んだ方がマシじゃねーか、と思うほどツライ姿勢を取らされたのに、また26日にもかよ……。こりゃまた痛いよ、きっと。あの狭いベッドに寝かされて、脱力状態で肋骨と胸骨の痛みに耐えるのか~。ズゥゥ━━lllll_ト ̄|○lllll━━ゥゥン

 M山先生、いつものニコニコ笑顔で曰く、「うん、検査の1時間くらい前にね、ロキソニン飲んでおくといいかも(^-^)」 って。根性無しで我慢知らずの自分は、ロキソニンじゃ足りません! ボルタレン坐薬も入れていくし、モーラステープも貼ってくよ、って誰に宣言してンだかわからないけど、悪夢の再来にビビリまくってますよ、ってお話でした。(ι´д`) ハアアアアゥ~ン

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 それはさておき、外来診察を終えて入院病棟へ入院仲間のお見舞いに行ってきた。同室で胃ガンの手術を受けたS田さんが、ちょうど退院してくる所に出くわした。「退院おめでとうございます」 と声を掛けようとしたら、「ややや、眠釣さんじゃないか。具合良さそうだね!」 と機先を制されてしまった。そりゃね、娑婆に出しても大丈夫だから、S田さんより1週間早く退院できたんだもの。

 この後、自転車で転倒して折れた3本の肋骨が肺に突き刺さり、救急搬送されてきたK良さん、結腸ガンの手術を受けたO川さん、聴覚神経の異常で入院治療中のK藤さん、大腸&直腸ガンで手術前のN田さんらをお見舞いして、まだ帰れないなぁと肩を落とす人、明日には退院と喜ぶ人、これから手術でビビる人、と悲喜こもごもな様子を目の当たりにしてきた。

 あぁ、やっぱり再入院なんて事にはなって欲しくないなぁ。摘出した腫瘍の詳細な病理検査、PET検査、血液検査、そして26日MRI検査の結果を、腫瘍専門の先生、呼吸器科のN尾先生、そして執刀医のM山先生で検討し、28日の外来診察で方針決定となる予定。悪ければ化学療法で叩くって事になるんだが、抗ガン剤治療ってツライんだろうなぁ。病気と向き合い、真っ向勝負を挑む闘志は萎えていないけど、抗ガン剤治療中の患者さんに、24時間船酔い状態だとか、血管がビリビリジリジリ焼け付くようだとか、おっかねー話ばっか聞かされてっから、正直、ビビってます。

 元気と思考力が残ってるウチに、やれる事ァ全部やっとかないとイカンなぁ。

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 PET検査 (Positron Emission Tomography:ポジトロン・エミッション・トモグラフィー:陽電子放射断層撮影) を受けてきた。受けちゃえばどうって事ァないンだが、前日から運動制限と安静維持、検査5時間前からは絶食し、飲み物は糖分を含まないお水かお茶に限る、って条件が付きます。なんでか、ってーとガン細胞がブドウ糖を好むって性質を利用し、ブドウ糖に似た成分の検査薬18F-FDG (フルオロデオキシグルコース) を静脈注射して、1時間ほど安静にして待って、FDGがガン細胞に集まってったところを撮影する、って検査なワケです。このFDGには半減期110分間ほどの放射線である、ポジトロン核種(=陽電子放出核種)が合成されてるから、PETカメラで撮影すれば、身体のどこにガンが潜んでいるのか一目瞭然になる、ってワケ。まぁ、詳細を知りたい方はコチラを見てください。
 【PET検査ネット】 http://www.pet-net.jp/

 この検査、非常に高精度で着衣のままで受けられるし、痛みや恐怖感を伴わないので、実に素晴らしい。脱がないで検査できちゃうから、女性特有のガンなんかでも、抵抗感を感じないで検査を受けられる。脱がないどころか、タオルケットや毛布なんかも掛けちゃって、30~40分じっとしてるだけ。しかも全身くまなくチェックできるし、ガンの進行度合い、転移の有無や転移の位置まで特定できちゃう。しかァし、こういった最新のスッゲェ技術を使ったモンってのは、いかんせん費用がかかる。人間ドックなどの健康診査に追加項目で加えた場合、10万円ほどかかる。自分の場合はガン患者としてPET検査を受けてるから、健康保険が適用されて3万円ほどで済んだけどね。

 で、こんだけ好条件で痛みのない検査なのに、なんで 『 拷 問 』 なんてタイトルなのか、ってーとだね、PET検査機のベッドが狭いわけですよ。CTなんかもそうだけど、身体の幅ギリギリ。しかも身体を安定させるため、凹んでいる。胸骨やら肋骨やらが痛くて仕方ない自分にとっては、こんなベッドに寝かされるのは拷問に等しい。しかし、どんだけ痛くても、我慢してじぃ~っとしてなきゃイケナイ。PETだろうが、レントゲンだろうが、CTだろうが、結局は画像診断検査ってェのは写真撮影だからね。動いたら画像がブレちゃって、検査を受ける意味がない。う~ん、なんて力んでもいけないから、ひたすら全身の力を抜いて耐える。力を抜いて我慢するって事が、どんだけツライか……。しかも、臀部から脚部にかけて追加撮影することになったモンだから、さらに15分延長。勘弁してくれ~!

 検査が終わってPET検査室から出る頃にはフラフラ。検査技師には愛想笑いでニッコリ微笑んで、「ありがとうございましたぁ~」 と言っておいたが、まっすぐ歩く事もおぼつかないほど消耗してた。しかもベッドを降りても、胸骨と肋骨の痛みはドンドンひどくなってくる。あぁ、鎮痛剤も飲んでいないからだ。家内にお迎え依頼の電話を入れると、もう病院まで来てくれていた。ありがたい、助かった~。あぁ、早く、早くおウチに帰ってロキソニンを飲み、ボルタレンをお尻に差し込みたい。痛ッてェんだよ、チキショウ! 

 ってなワケで、普通なら痛くも痒くもなく、恥ずかしくもないPET検査も、肺の手術を受けて1ヶ月も経っていない人間には拷問同様でしたよ、ってお話でした。

 オマエが痛がりだからだろうって? ちっげーよ! 脱臼・捻挫した足で30~40分正座してみろ、ってンだ。しかも全身脱力してなきゃいけねェんだぞ。あぁ、まだズキズキする……。今夜は眠剤を飲んで寝よう。退院時に眠剤を処方してもらっておいてよかったよ。

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HN:
YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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自己紹介:
釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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