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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 BJスナイパーだ、BJ85だ、サーフリーダーSFだ、レブロスだ、バイオマスターだとBBSに書いていたら、「じゃぁ、理想の釣具って一体何ですかい?」ってメールをいただいた。性能、精度、使い易さ、価格など様々な条件はあるけど、釣具に限らず、「モノ(製品)としての基本とは何か?」を考えれば、「壊れにくく、直しやすい製品」だと思う。

 日本メーカーの作る釣具は、中学生がお年玉で買えるクラスの釣具なら、実に高精度で高性能だし、耐久性も充分。購入してから5年間、一度も手入れをしていないリールだって、多少キコキコ音が出ても、水没させたり、砂まみれになったりしていない限りは、使い物にならなくなる様な事はない。ってか、釣具をこまめに手入れしている方が少数派だろう。本当に今のミドルクラス以上の釣具は頑丈に出来ている。

 ところが、いざ調子が悪くなった時に、誰でもサッと直せるかと言うと、さにあらず。リールなどは精密機械のように細かな部品が、複雑な順序で組み上げてあるから、うっかりバラしちゃうと元に戻せない。高級釣具になればなるほど、構成部品数が増え、構造も複雑になっているし、工具も各番手を用意する必要がある。さらには軽量化のためにアルミやマグネシウムなどの、脆い材質を使用しているので、工具の精度が低いとネジ山がつぶれてしまうし、力加減を間違えると、ねじ切れてしまったりもする。こうなると、素人は恐ろしくて手が出せない。へたに分解すると "いじくり回す" ではなく、"いじくり壊す" 羽目になる。(自分など、何度これで泣いてきた事か……)

 性能・精度・耐久性は、現在のミドルクラス釣具なら充分。これからは、いかに早く、簡単に、安く直せるか、だと思う。メーカーに修理やメンテナンスを依頼すると、早くて2週間、込み入った修理になると1ヶ月はかかる。シーズン中に、主力として使っている釣具が1ヶ月も手元に無いんじゃ話にならない。できることならば、交換部品の供給をもっと円滑に、かつ迅速にして欲しいし、アッセンブリーやユニットでの供給も検討してもらえると嬉しい。これなら釣具店の店頭でも、ササッと交換修理が可能になる。それと、交換パーツがやたらと高価なのも何とかならんものだろうか? 実売1万円程度のリールの替スプールが5800円もしたり、クーラーボックスのカバーが8500円、工作機械屋で300円程度のベアリングが600円ってのは、いくらなんでもボッタクリすぎじゃないかと思う。

 ともかく、保守性にも気を配った製品が出てきてくれるとありがたい。メーカーの立場からすれば、買い換えか新規購入してもらわないと儲からないのだろうが……。

 あぁ、現行製品で理想的なお買い得釣具を挙げるのを忘れていた。個人的にはミドルクラスなら、シマノの'05バイオマスターとダイワのレブロスはオススメリールだと思う。'02ツインパワー、カルディアKIX、'03アルテグラ、フリームスKIXのユーザーが、スペックと価格を見たら歯噛みして悔しがるほどの出来の良さ。新製品のレブロスはとりあえず人柱になるつもりで買ってみたが、実売6615円、替スプール2625円。ナイロン3号150mとPE1号150mを巻いて総額13000円程度。実釣フィーリングは極めて良好。リーリングは滑らかだし、ボラを掛けて引っ張り合いをしてみたが、ドラグの利きも良し。ラインが若干だが逆テーパー気味に巻かれるので、気になる様なら雑誌の表紙程度の厚みの紙でスプールワッシャーを自作して追加すればきれいに巻ける。ちなみに、アルテグラやフリームスKIXよりも定価ベースで5000円ほど安く、かつ要所要所に5個のベアリングが使用してありながら、自重は260gと上位の両機種よりも軽いのがレブロス。港湾部での釣りなどにベストチョイスのリールだと思う。

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 つっても、格闘技の蹴り技じゃなくて、釣具の話。かねてから、オイラはミドルクラス釣具を推奨しているけど、最近ではミドルクラスの下位機種というか、ロークラスの上位機種がかなり良くなってきた。シマノのエアレックス、ナビは言うに及ばず、ダイワのサイ、そして最近リリースされたレブロスをいじくってきたんだけど、若干ドラグの滑り出しが渋いかな? ってくらいで、スペックは必要充分。それにマシンカットタイプのハンドル、エアベールもいい。アルテやバイオよりも高級感があるし、本体デザインも遠目には上位機種のイグジストやカルディアKIXに見えるし(笑)。

 価格帯からしてナビの対抗機種に当たると思うんだけど、このクラスの釣具のスペックが充実してくると、アルテ・バイオ・フリームスなどの実売1万~1万5千円クラスよりも、手頃な実売6千円~8千円のリールの方がオススメって場合もある。「ここ一番!」ってシチュエーションのある釣りには疑問符がつくけど、ベイエリアのちょっとした釣りなどには充分。メバルゲーム用にナビ1000、誘いブッ込み用にはレブロス2506なんて選択は悪くない。てか、ベストチョイスかも。

 しかし、「リールが6千~8千円? じゃ、竿はいくらのモノがいいのよ?」って質問が来たりするんだが、竿も実売5千円以上のモノがオススメ。リールほどではないにしても、価格と性能が正比例するのが釣具。竿も5千円を下回ると、ガクンと性能や精度が落ちる。モノの良し悪しを吟味する目があって、釣具に足りない性能や精度を補う腕があるのなら、680円のプラスチックリールでも、1980円のグラス万能竿でも、"使い手の使いよう"って事もあるが……。

 ともあれ、リールも竿も5千円以上の品を選んでおいた方が無難。釣りを趣味としていくなら、実売1万円前後(予算があれば2万円以上)のモノがよろしかろうと存ずる。

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Puppet01 物好きでお人好しのお節介焼きが昂じて、9月9日~10日に愛知県美浜町で開催された「初心者親子釣り教室」で、釣り場の安全と危機回避の人形劇をやってきた。原案・脚本・演出・繰演・声のすべてを一人で、ポニー(子馬)のパペット2体を使って、ライジャケの着用励行、落水時の対応、釣り場の危険箇所、危険回避などについて、20分の人形劇。『Fishing has now become a craze.』のトピックスにも掲載したが、子ども達の反応はまずまず好評。まぁ、学校の授業にも似た、長々とした講義を聴いているよりも、お遊びの要素も組み入れた人形劇の方が子どもウケはするだろう。しかもテーマが「安全と危険回避、危機対応」だから、ウダウダと説教クサイお話を聞かされるのは、子どもならずとも自分だって御免蒙りたい(笑)。そこで人形劇仕立てにしてみた。
 こちとら痩せても枯れても元役者。子どもショーの出演経験だって20年以上あるし、現役の物書きでもある。様々なセレモニーやイベントの演出、MC(司会)も商売にしているんだから、子ども達に楽しんでもらおうって気持ちは誰よりも強い。惜しむらくは本業の仕事が忙しく、稽古の時間が充分に取れなくて、段取りが完璧とは言えなかった点。来年はもうちょっと時間と手間を掛けた人形劇に仕立てたい。

 この親子初心者釣り教室は今年で9年目になる。小学生とその保護者を対象とした、主催:愛知県教育サービスセンター、主管:美浜少年自然の家、後援:愛知県教育委員会という公的イベント。投げ釣りのノウハウ・釣りマナー・釣り場の環境保全の講習+キャスティング実践練習・シロギスの実釣に釣魚料理までを一泊二日で学べる、全国でも希有な釣り教室。当然、県内から多数の応募があり、参加者は抽選。今年は募集40家族に対して、応募は180家族! 抽選倍率4.5倍ッてな人気イベント。
 で、例年参加受講者は120人前後になる。この受講者を10人ほどの公認釣りインストラクターが、文字通り "手取り足取り" 教えるワケ。何しろ竿を持った事も、リールを使った事もない小学生児童に教えるのだから、簡単な事じゃない。講師である釣りインストラクターは釣り歴ン十年のベテラン。講師が常識だと思ってる事が、受講者には理解できていない事もある。釣り教室の開催準備段階から、ものすごいエネルギー&パワーが必要となる。その上、無報酬で貴重な休日を2日間費やすってンだから、よほどの物好きかお人好しでもなきゃ、とてもやってられないのが実情。

 こっからはチト裏話。自分が講師として参加して今年で4年目。実は前々から「釣行時のライジャケ着用励行と、安全知識、危険回避を教えましょう」と提案していたんだけど、「釣りの敷居が高くなるから、ライジャケ着用の励行はしない」と却下され続けていた。釣りの楽しさを教える事が安全よりも優先されていたというワケ。それでも「安全は全てに優先する」と提案(=強弁)し続けてきた。安全優先という世論の拡がりもあり、ようやく3年越しの提案が今年になって採用された次第。
 しかし、釣りインストラクターの組織は、潤沢な資金を持っていない。子ども達に体験着用させるライジャケも簡単に購入できない。言い出しっぺである自分は、有力釣具店に協賛提供を掛け合いに行くと約束。幸いにも、釣り雑誌に連載を持っていたり、国交省関係の機関誌に執筆したりしているので、釣具店や釣り具メーカーには顔が利く所もある。決裁権を持つ社長や店長にお願いに行き、ライジャケや釣り仕掛けの協賛提供を得た。どこぞの釣りチームが物乞いやタカリに行くのとはワケが違う。農水省水産庁が主管する公的団体「全釣協」の公認釣りインストラクターが、愛知県教育委員会の後援する公的行事に協賛してくれと言うのだから。

 釣具店にとっても協賛のメリットは大きい。なにしろ、釣り初心者が増えてくれなきゃ、先々の商売は成り立たなくなる。協賛してくれたメーカーや釣具店の名前を冠した記念品を参加者に配る。100名を超える初心者が一堂に会する場所など、滅多にあるモンじゃない。初心者は最初に薦められたモノやお店を使う。釣り教室への協賛は、水道の蛇口を開けるようなもの。いや、川上の水源開発と言ってもいいか。

 かくして、今年の親子初心者釣り教室も大好評で幕を閉じた。この善意の結晶とも言える釣り教室、いつまでも続いて欲しいものだ。

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 常滑市りんくう町の前島護岸で、水辺感謝の日のイベントとして、日釣振、JOFI愛知、常滑市、常滑商工会議所共催で釣り場清掃を行った。今回はボランティアチーフを仰せつかり、前島護岸の管理を管轄する衣浦港務所、常滑市生活環境課、常滑商工会議所への届出や協力要請など、必要な手続きも担当した。それで初めて知ったのだが、釣り場に捨てられているゴミは、厳密に言えば "不法投棄" されたゴミなので、常滑市ではリサイクル対象にならない。つまり、不法投棄ゴミは可燃ゴミと不燃ゴミに分類されるだけで、資源ゴミのカテゴリーはない。

 午前8時30分、現地に到着。あれ? 先日よりもゴミが少ない。これはエエこっちゃ! と喜んだのも束の間、少し先のスロープの角に「J屋」「F遊」のレジ袋に、○キューの配合エサの袋、各社のルアーや餌木のパッケージ、そしてペットボトルに空き缶が野積みされていた。おい、これは全て釣り人が出してるゴミって証拠だぞ。常滑市の職員の方も、「これでもボランティアのご婦人が、ほぼ毎日ゴミを拾ってくださってるんですけどね……」と顔を曇らせる。ゴルァ〜! 釣りをしないオバチャンに、釣り人が出したゴミを片付けさせるな! つか、持って帰れよ。一人分、一家族分のゴミなら大した量じゃないんだからよォ〜。

 27人の有志が手分けしてゴミ回収開始。ついでに前島に来ていた釣り人全員に「帰り際、自分の身の回りだけでいいから片付けてっておくんなさいよ」とゴミ袋と軍手を配って歩く。さすがに、30人近いボランティアが清掃活動をしている真っ最中に、ゴミのポイ捨てや放置をする人はいないし、ゴミ袋の受け取りを拒否する人もいない(協力を申し出る人もいなかったけど……)。
 午前10時、回収したゴミの量は写真の通り。ちょっと見にはキレイに見える釣り場も、護岸の敷石の隙間や、物陰に押し込んで隠したゴミを拾い出すとこうなる。この写真は記念撮影じゃない。ボランティアスタッフの、「なんで自分達が遊び、楽しんだ釣り場を汚して行くんだ! 俺たちは好き好んでゴミ拾いをしに来たんじゃない。きれいな釣り場で釣りがしたいから、仕方なくやってンだッ!」というやりきれない思い、怒りのアピール写真だと思って欲しい。

 釣り場清掃はイベントとして、各地で定着しつつある。しかし、本来なら不必要なイベントのはず。台風などの災害で漂着したゴミを片付けるならまだしも、テメェ勝手な連中の不法投棄ゴミを拾って回ってニッコリ記念撮影なんて、ンなアホな話があるかィ! 第一だ、草野球ファンがグランドのゴミ拾いボランティアを必要としてるか? 近所からゴミ放置の苦情が出て野球禁止になった市民グラウンドがあるか? ゴルファーが河川敷をゴミだらけにしていくか? 釣り人を含めたレジャー客だけなんだよ、遊びでゴミだらけにしてンのは。「エエ加減にせんかい!」って、釣り場から追い出されて、泣きを見るのは誰なのかは考えるまでもない。自分達、釣り人じゃん。

 管理者である自治体や公共団体の皆様にも申し上げたい。自分達は "喜んでゴミ拾いをさせて頂いている" ワケじゃない。嫌々、渋々、だけど "仕方ないから" ゴミ拾いをしているだけなんだと。義勇心とか、ナントカ愛なんて高尚な心持ちなんぞ、端っからありゃしません。きれいな釣り場で遊びたい、釣りがしたいから仕方なしにやってるだけです。「釣り場清掃の儀、何卒お許しの程、宜しくお取り計らい願わしゅう申し上げ奉りまする」なんて、平身低頭でボランティア活動の許可届出なんかする気はありません。「水辺のゴミが放置されてヒドイみたいッスね。清掃ボランティアで一肌脱ごうって奇特な御仁が集まってっから、回収ゴミの処分だけ頼ンますわ」くらいのノリで申し入れしますから。それでダメなら、清掃ボランティアなんて、オイラはゼッテーに や・ら・な・い。
 愛知県豊田市は、ボランティアが回収した不燃ゴミは『ボランティアが自宅に持ち帰って処分しろ』って言ってんだよね。何が悲しゅうて時間と労力を提供してるボランティアが、回収ゴミを自宅に持ち帰らにゃならんの? オイラは絶対に豊田市のボランティアなんざやらんよ。協力を拒否するような自治体に、頭を下げてまでボランティア活動をさせていただかにゃならん理由は一つもない! (丶`益´)ムキーッ!

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 伊勢湾奥のサヨリ爆釣情報で、BBSが盛り上がってるもんだから、「どこで釣れてンの?」って問い合わせが、そりゃもうワンサカ来ました。サイト上で公開してくれりゃイイじゃない、って要望もたくさん。自分だって景気のいい話を聞けば、ドコでどうやって釣れば爆釣できるのか知りたい。それは釣り人なら当然の欲求です。だけど、これだけネットが普及し、多くの人がネットで情報を得て釣りに出掛ける時代になると、釣り情報誌や新聞よりも影響がデカイ。困った事に悪影響の方がデカイと来たモンだ。

 ネット上で具体的な釣り場名や、釣り場の詳細を公表しないってのは、何も意地悪やケチな料簡で言ってるワケじゃありません。名古屋港海づり公園や新居海釣り公園といった、公に認知され、大いに釣り人で賑わうべき場所ならバンバン公表します。しかしながら、防波堤や漁港を含む港湾は『関係者以外立入禁止』の場所がほとんどで、いわゆる "黙認釣り場" なんです。あるいは数人で満員になってしまう小場所で、地元の常連さんがひっそりと楽しんでいる場所などもあって、おおっぴらにすべきじゃない。

 本音を言うなら、その釣り場の常連衆は自分達の遊び場だから、ゴミを放置したり、絶対に入っちゃイケナイ場所に侵入したりはしない。暗黙の了解のローカルルールが存在する事もある。けれど、不特定多数の釣り人が来ると、いろんな意味で釣り場が荒れてしまいます。
・前打ち釣り場なのに、団子釣りやフカセ釣りでコマセを撒く。
・エギングがメインの釣り場なのに、ウキ釣りやヤエン釣りでアジを泳がせる。
・投げのブッ込み釣りで5本も6本も竿を出す馬鹿者も来る。
誘う・探る釣りと寄せる釣り、糸を張る釣りと流す釣りは、同居出来ないし、釣り場を独占するなどもってのほか。こうなると釣り場の秩序が崩れ、釣り人同士のいがみ合いになる。釣り人ってのは、オイラも含めて決して高潔な人格者ばかりじゃありません。釣法による釣り座の棲み分けでさえ、キチンと出来ていない。ただでさえ、港湾管理者や漁業者、そして地域住民のみなさんに迷惑がられ、白眼視されているのに、釣り人同士のトラブルまで起こしたんじゃ話にならない。「自分達だけ釣って自慢するなんてズルイ!」ってお叱りもあるけれど、駐車スペースの問題もあるし、釣り場を公表してしまうデメリットが大きすぎるんです。

 また、自分は個人活動ながら、ライジャケの着用推進、釣り場保全、関係省庁への取材、港湾施設や釣り公園管理者との意見交換なんて事もやってる立場上、時にはポジショントークも必要なんです(笑)。綺麗事を並べ奉り、お行儀の良い、善良な釣り人たらねばなりません。あ、いや、現在の自分は本当に善良な釣り人ですよ。(´-`)

 そんなワケで、当サイトではコンテンツはもとより、このブログやBBSにおいても、釣り場の詳細は公表しません。決してケチな料簡でナイショにしてるワケじゃありませんよ。

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 安い釣具を全て否定するつもりはない。自分自身、イチキュッパーのグラス製防波堤万能竿も使っている。要は釣具も道具なんだから、使いよう。ところが入門者や初心者には、その "使いよう" がわからない。端っから先々で無駄になるような買い物はしない方が得。安い物で充分なのか、それなりの道具が必要なのかの判断は、場数を踏み、経験を積まねば下せない。一般的に「よ〜し、パパ、これから釣り始めちゃうぞ〜」という方々に、"安物買いの銭失い"にはなって欲しくない。入門者から初心者、そして中級者へとステップアップした時、あまり安価な釣具はリセールバリューも無いので死蔵されることになる。不思議な物で、釣具にはそれぞれに思い入れがあって、使わなくなっても簡単に捨てる事が出来ない人も多い。

 釣りは道楽。道楽の道具だからこそ、快適性を重視したい。リールが原因でライントラブルが頻発したり、ロッドのガイド緩みでまともに釣りが出来なかったり、釣りの最中に壊れたりしたのでは、せっかくの休日、楽しみにしてた一日が台無し。先日、講師役を務めた『初心者親子釣り教室』で、激安セット釣具を持ってきた受講生の何人もが、ガイド抜け、リールの故障で釣りにならなくなった。初めての釣り、楽しみにしてたお泊まりでの釣り体験、それが安物釣り道具のせいでオジャンですよ? もうね、心底ウンザリしちゃって、「二度と釣りなんかするもんかッ!」って思う人もいる。

 釣りを趣味にするなら、少々張り込んでもミドルクラス以上の釣具を買った方がイイ。絶対に、絶対に、絶対にイイッ! 満足感と充実感、そして快適性はプライスレス。私の持論は誤っていないと確信しておるのであります

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 "本気投げタックルにはミドルクラス以上が必要"って持論をBBSで開陳していたら、「初心者がそんな、何万円も釣具に使える訳がないッ! メーカーの手先になって、高額消費を煽るな!」って、お叱りのメールをいただいちゃったッス。いや〜、確かに不景気の折、何万円も道楽に使えんですわな。

 でもね、オイラってば全ッ然、反省してませんから。持論を訂正する気も、謝る気もござんせんのよ。だってさ、チョイ投げならともかく、"本気投げ" にはそれなりの道具が必要だもん。磯釣りだって、船釣りだって、ターゲットや釣法によっては、一式で数十万円が必要になりますゼ。ルアー釣りやSSIIでのサヨリ釣りにも、できれば一式3万円くらいの投資をした方が、快適で長く愛用できる。年に何回かしか使わないとか、高級な魚を釣るワケじゃないとか、それは釣具の価格や快適性とは関係のない話ですわ。

 ミドルクラス以上の釣具は、投資に見合った働きをしてくれます。激安のセット物や、ワゴンに山積みされてる釣具では、とてもじゃないけど快適な釣りは出来ゃしねェんです。また、中古タックルやオークションは、ある程度 "目利き" が出来なきゃ、良い物を安く買うのは無理。腰が抜けたヘタリ竿や、ガタの来たようなリールをつかまされるのがオチです。「釣りを経験してみたいだけなのに……」と言うなら、身近な釣りファンの人に釣具を借りて経験しなされ。"安物買いの銭失い" にならずに済みますわ。

 と、言うワケで快適な釣りを楽しみ、長く愛用出来る釣具を選ぶには、一式2万円以上は必要となるんです。なぁに、2万円突っ込んでも最低3年、手入れを怠らにゃ10年以上使える耐久消費財なんだから、あまりケチらない方が結果的にはお得って事です。

 まぁ、Crazeの前身である「安竿一本勝負」では、「安価な釣具で高級魚を釣ろう!」ってコンセプトでしたけどね。チョイ投げやサビキ釣り、活き餌を泳がせておくブッ込み釣りなら、安いグラスの防波堤万能竿の方が都合が良い場合もあるけど、エギング、本気投げ、カゴ釣りなんて釣りになると、どうしてもソコソコの釣具が必要なんスよ。安くて、軽くて、精度が高く、取り回しが楽で、扱いやすく、丈夫で長持ちしてくれる釣具があるなら、それが一番だけどね。

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 毎年、秋の恒例行事として講師を務めている一泊二日の「初心者親子釣り教室」。今年はゲストにスカパー「釣りビジョン」リポーター太田原久乃ちゃん(写真前列中央)と、報知新聞投げキス第36期名人位の伊達浩憲氏(写真前列左)をお迎えした。正統派の釣りオヤジたる自分は、この御両名と同席するにあたり、まばゆさを感じ……とは言わぬまでも、憧れのまなざしを注いでしまう。久乃ちゃんはキュートで可愛らしく、伊達名人は気さくに話をしてくれて、打ち解けた雰囲気で初日を終えた。その夜は当然、大宴……とは行かない。なぜなら、この釣り教室は、主催:愛知県教育サービスセンター、主管:愛知県美浜少年自然の家、後援:愛知県教育委員会という、"教育事業の一環"として開催されているから。当然、講師陣も館内では禁酒禁煙。宴会など、とんでもない話というワケ。それでも、深夜まであれやこれやと話も弾み、楽しい一夜となった。(もっとも、自分は体質的に一滴の酒も飲めないので、酒宴であろうがなかろうが、全然気にならずに盛り上がれてしまう、お得な人である)

 さて、一夜明けて早朝5時30分の朝マヅメ。本日の実釣タイムのスタート。久乃ちゃんも釣り支度を整えて海辺に立っていた。彼女の投げ釣り師匠は、JOFI愛知副代表の大田氏。釣りビジョンで放映された「渥美半島のシロギス釣り」で基本はバッチリ大田氏に仕込まれている。キャスティングも基本に忠実なフォームで正面4色付近に投入。「ホォ〜、タレントさんにしちゃなかなかのモンだ。さすが大田さん仕込み!」と眺めていたが、誘いのバリエーションが必要な状況になっても、引き出しの少なさで対応できていない。
「久乃ちゃ〜ん、リールを巻くのではなく、竿を動かしてゆっくり誘ってみよう」
とレクチャーを開始。
「は〜い、こうですかぁ?」
「そうそう、それでアタリが来てもアワセずに、もう一匹釣れるように同じスピードで誘い続けよう」
「あの、竿が後ろまできちゃいそうですけど……」
「竿と道糸は直角を基準に、75度〜120度くらいを保ち、糸フケを出さないようリールを巻きつつ、竿を前に出して」
「はい。でも、なんでその角度なんですか?」
「"テコの原理" だよ。魚のくわえた仕掛けが力点、竿先が支点、そして手元が作用点。作用点に最大の力が伝わる角度は90度って、力学の授業で習ったでしょ?」
「え〜! 力学ですかぁ?」
「そうよ。釣りは力学、地学、生物学、果ては天文学にまでつながるんだから」
「???」
「釣りのポイント探しは地学、魚の食性は生物学、潮の干満は月の影響で起きるんだから天文学だもの」
「うひゃー、すごい。釣りって奥深いですね〜」
ってな話をしつつ、いささか自分の鼻が高く、鼻の下は伸びかけてきた時、
「あっ、今度はずいぶん手応えが……」
「そう? じゃ、取り込んでみよっか」
ピン級ながら、シロギスがゾロゾロ付いてる……、って6本針仕掛けに6尾付いてるじゃんッ!
「やったー! パーフェクトですよ、パーフェクト!! YASUさん、ありがとうございます」
ま……、マジかよ?! フィッシングリポーターとはいえ、本業はタレントさん。投げ釣り歴はまだ4、5回目のビギナーだぜ。朝マヅメの好時合、魚影の濃い好釣り場だけど、パーフェクトの6点掛けはそう簡単に出来る事じゃない。脱帽っつーか、これが一般人とタレントの運の違いってヤツだと思った。

 今度は伊達名人のキャストを見学。ん……、竿を振る風切り音が違う。「ヒュッ!」もしくは「ビッ!」で、派手な「ビュワッ!」とか「ドシュッ!」じゃない。着水点を目で追うが、着水点が見えない! 当然、着水音も聞こえない。さすがチャンプ……。フォームは豪快にして華麗、さしたる力も入れていないのに、着水点ははるか彼方。何よりも釣り姿が様になっている。ラインに伝わる海底の変化と、シロギスからの魚信(アタリ)に神経を集中し、臨機応変に誘いを掛け、哲学者の思索姿もかくや、と思わせる風情。それでいて威風堂々、まさに王者の貫禄。カッコエエ……。これがただの釣りオヤジとチャンプの違いってヤツだ。

 久乃ちゃんにしても、伊達名人にしても、やはり身に纏う(まとう)オーラが違う。つか、そもそも自分には、オーラさえ出ちゃいないわ……。今回の講師陣の寄せ書き色紙(おこがましくもオイラも名を連ねてる)は、一生モンの宝だ。

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 毎年、冬から春にかけて新製品の出る頃になると猛烈に物欲が湧き上がり、PC・ハイテク家電・喫煙用具・居合刀・釣具などを衝動買いをしてしまう。欲しいとなると後先考えずに購入してしまうのだが、今年は釣具で痛い目に遭ってしまった。店頭在庫のない投竿とリールを取り寄せてもらったのだが、届いた商品を見て愕然とした。

 まず、投竿。税抜き定価3万2千5百円の品で、高級品とは言えないまでも、仕上げのまずさや疵に目をつぶれる価格ではない。3本継ぎの竿で、竿の各部に施された滑り止めスエード調の特殊塗装がウリの竿なのだが、この特殊塗装の全てに妙なシミが浮き上がっており、しかも元竿の中程にはかなり目立つ擦り疵まで付いている。中古品やアウトレット商品なら仕方なかろうが、メーカー取り寄せの新品がコレでは納得がいかない。当然、お店の段階で返品して良品に入れ替えさせるように話を付けてきた。

 その翌日、別の釣具店に発注しておいたリールが届いた。このリールも税抜き定価2万2千8百円と、製品の質や仕上げに妥協したくない金額の品だ。箱を見て「あれ? 取り寄せ品なのにずいぶんと箱が傷んでるな……」と思った。なんとなく嫌〜な予感を覚えつつ、本体を取り出してみる。あ〜ッ、やっぱり! スプールもボディも指紋(手脂)がベタベタと付いている。コレは明らかに『展示中古品』だ。付属品をチェックしてみると、スプールワッシャーと取り付けガタ防止用のゴムシートも入っていない。あ〜ぁ、またかよ……。これまた釣具店にクレーム連絡。チャンとした新品に交換と言う事になったが、なにしろメーカー欠品中の商品だから再入荷はいつになるかわからない。

 2つのメーカー、2軒の釣具店で連続してクレーム。自分の運の悪さにもウンザリするが、原因はすべてメーカーと釣具店の検品漏れ。悪く言えば "手抜き" が原因だ。メーカーは製品完成時と出荷段階で、釣具店は着荷段階と顧客に引き渡す段階で商品をチェックするのは当たり前。自分も商社と小売業という流通業界に身を置いた経験があるが、顧客の信頼を得るために検品は絶対に欠かせない作業。釣具業界は今、メーカーも釣具店も業績の低迷で汲々としている。経営効率化、経費削減は結構な事だが、肝心の製品の質や顧客の信頼まで切り捨ててしまう様では、まさに『窮すれば濫す』の言葉通りだ。業界の低迷が長引いているのもむべなるかな……。

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 お彼岸を目前に控え、名古屋はすっかりと春めいた日が続いている。5日(啓蟄)以来、空を見上げる事が多くなったのだが、空の色、空気の匂い、陽差し、すべてが春めいてきている。花粉症の方々には誠にツライ時期とも言えるワケだが……。これだけ暖かくなってくると、釣りの虫もモゾモゾと蠢き出してくる。狙いはノッコミのクロダイ。さすがに孕みの魚をバカスカ釣ろうなどとは思っていないが、年無し(ねんなし)と呼ばれる50cmオーバーの年齢不詳な大物に出会える確率が高い時期。まぁ、心配しなくても自分にはバカスカとクロダイが釣れるなんて事はないのだけれど。そしてスズキが稚鮎やバチ抜けのイソメを食いに回遊してくる時期。コチラも40〜60cmくらいの釣って楽しく、食べて美味しいセイゴからフッコサイズが揃う。

 ともあれ、陸上はすっかり春の陽気に心浮かれる時期だが、実は海の中は今が冬真っ盛り。GW開けくらいまでは水温が低く、年間を通して一番魚が釣れない時期に当たる。この厳しい時期に盛期を迎えるのが、クロダイとスズキなのだ。で、この二大ターゲットを同時に狙ってしまおうという、よく言えば効率的で合理的、悪く言えば欲張りな釣法が『誘いぶっ込み釣り』。ボケジャコ、カメジャコ、フクロイソメ、イワイソメなどを餌に、磯竿2号4.5〜5.3m、小型スピニングリール、道糸3号、ゴム管付き中通しオモリ3号、ハリス1.5号(夜は2号)1m、チヌ針3号という非常にシンプルな道具立て。2〜3本の竿を置き竿にして狙う人も多いが、自分は「誘って喰わせ、アタリを取ってアワセて釣る」のが釣りに対する信条なので、男度胸の一本竿、手持ちで誘う。だから "誘いぶっ込み" と称している。

 この釣りの面白い所は、運の要素が非常に高い事。なにしろ、餌を付けて投げ込んだ後は、腹を空かせた魚が通りかかってくれる、あるいは目に付くように誘ってやるだけ。ポイント選び、エサ付けや誘いのコツもあるが、こんな事は一度教えてもらえば、誰だって理解出来る。それが証拠に、釣友のK江氏やT辺氏は "初体験" でフッコやマゴチを仕留めている。遠投の必要もなく、ビギナーもベテランもチャンスは平等。冬場は夕マヅメ(日没の頃)から午後9時くらいまでの半夜釣りが有利だが、春になると日中でも喰ってくる。春の大潮・中潮はお昼頃に干潮となるので、午前の下げ潮と午後の上げ潮と、潮の動きのあるチャンスタイムが2回ある。さぁて、今年も一発狙いに竿を担いで出掛けてみるか。ちなみに自分の道具立ては、
【ロッド】宇崎日新 スーパースクエア RX ISO 2号遠投 4.5m(ガイドをSiCに交換)
     宇崎日新 ナチュラルアート Super 究極 ISO 2号 5.3m
     ダイワ スーパーIL ブレイゾンマルチDRY 1.5号 4.5-5.2m
【リール】シマノ アルテグラ2000(ベアリング増設)
     シマノ アルテグラ2500(ベアリング増設)
     シマノ ツインパワー2500
     リョービ ザウバー1500Zi
【ライン】ゴーセン フルキャスター3号
     ヨツアミ パワーキャスト投PE1.5号
【オモリ】ゴム管付きナツメ型中通し3号
【ハリス】クレハ シーガーエース 1.5号、1.7号、2号
【ハ リ】カワセミ針 チモト革命チヌ3号(特注黒針)
     ガマカツ チヌ3号(銀)
     カツイチ ボケ専用チヌ3号(黒)
【エ サ】カメジャコ(小指〜人差指サイズ:2時間分で15匹)

※誘いぶっ込み釣りのノウハウは  http://fishingcraze.fc2web.com/sasoibukkomi.html を参照してください。

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プロフィール
HN:
YASU ・居眠釣四郎・眠釣
性別:
男性
自己紹介:
釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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