釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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抗ガン剤治療の第二クール二日目。今日は偵察部隊の制吐剤15分ほど物見に出かけ、第一陣のペプシド隊が半刻(1時間)、本隊のシスプラ隊が一刻(2時間)、後詰めのブレオ隊四半刻(30分)という戦闘時間で、ガン病巣への波状攻撃の突撃戦を繰り返す。
途中、外科の主治医だったM山先生が陣中見舞い(?)に来てくださった。
「K病院のガンマナイフ、どうだった?」
「フレーム装着と、取り外しがチョ~痛かったですぅ~」
「頑張ったみたいだね」
「処置中は睡眠薬で眠らされてたので、頑張ってないですけど」
「まぁ、準備と後処理がキツイからね。特に麻酔の切れてくる後処理が」
「フレーム装着の時のキシロカイン注射とネジの締め付けも痛かったです。
それと、取り外し前にトイレに行きたいって言ったら、フレーム付けたまま
手術室を出て、外来患者もいる廊下の先のトイレに行かされました」
「外来通路? みんなドン引きしてたでしょう(笑)」
「はい~。中世ヨーロッパの拷問みたいな状態でしたから……。
でも、その後のフレーム取り外しが地獄の痛さでした」
「ははは、頭は痛点少ないんだけどねェ(笑)」
「僕は痛点直撃のクリティカルヒットでしたよ」
「痛み止め飲んだでしょ?」
「このD病院から持って行った、お昼ご飯後用のロキソニン一錠だけ……」
「えッ? そりゃ痛いわ(笑)」
「ナースコールで看護師さんにボルタレン坐薬お願いしました」
「だろうね」
「でも25mmだったから、50mmにしてって頼んだけどダメでした」
「効かなかった?」
「それが睡眠薬もまだ体内に残ってたみたいで、ウトウト眠くなりました」
「よかったじゃない」
「はい。安静時間1時間が過ぎた時は、かなり痛みは消えてました」
「無事に戻ってきて、また”元気に”治療を続けていける前向きさがスゴイです。
これからも頑張って!」
「はい、シッカリと養生します。ありがとうございます!」
なんともありがたい陣中見舞いだった。自分はM山先生の直球ストレートな物言いが好きだ。現在の主治医のN尾先生のコーナーを突く笑顔の物言いも好き。自分は良い先生にお救いいただいていると、家内共々感謝している。
さて、自分は抗ガン剤特有の吐き気や不快感といった、ツライ副作用を感じた事はないが、微熱が出たり、足がむくんだり、多少のふらつきは感じたりはしている。抗ガン剤の投与中は、5分、10分、15分、30分、60分おきに血圧と酸素摂取量を計測し、静脈からの点滴の漏れがないかの確認が行われるので、看護師さんがほぼ付きっきり状態になる。
本隊シスプラ隊の戦闘時間中、ベッドから身体を起こしてジュースを飲もうとしたら、フワッと来た。めまいや不快感じゃない。むしろ快感とも言える、酩酊感に近い感覚が襲ってきた。思わず目を閉じる。
「眠釣さん、どうしました?!」
「あ……。今ね、フワッてなった……」
「気分悪いですか?」
「いや、むしろ気持ちイイ感じ」
「眠いです?」
「違う。フワッってして、締め落とされる寸前の感じ」
「よくわかんないんだけど……」
「貧血で倒れる寸前の感覚」
「それ、ダメーっ!」 (急いで血圧測定)
「あ、上の血圧が100飛び台、下が60寸前まで下がってる!!!」
「大丈夫、気分も悪くないし、意識もはっきりしてるから」
「無理にお話ししなくてイイから」
「したら、音楽聴いても良いですか?」
「いいよ」
「じゃ……」 (ICレコーダー兼MP3プレーヤーをセット)
♪チャッチャッチャラ~チャ~ラ~ラ、チャッチャーラッ!
ズンズンチャッチャ、ズンズンチャッチャ、
ズンズンチャッチャ、ズンズンチャッチャ、
つぅよい ヤツほど 笑顔は優しい~
だぁあって 強さは あ~い(愛)だモノ~♪
(中略)
た~お~れたら 立ち上~がり~ 前~よりも強くぅなれ~
く~るしみを く~るしみを 越~え~よ~ぉぜ~
Oh,Yes! 俺た~ち おと~こさ~ 男さ~
♪ズッチャカラッチャ、チャ~ラ~ラ、チャ~ラッチャッ♪
宇宙刑事、仮面ライダー、戦隊物、牙狼<GARO>などの、激燃え系特撮ソングメドレーを流す。来た来た来た、キタ━(゚∀゚)━! もう、気分はアゲアゲ、アドレナリンやらドーパミンやら、脳汁ダダ漏れ状態。15分後の血圧は132ー72。なんて単純なオッサン……(笑)。
「眠釣さん……、わかりやすすぎッ!」
「うん、よく言われるし、みんなそう言う(笑)」
「じゃぁ、燃え歌聴いて、安静にしててください。30分後にまた来ます」
「は~い。お願いしま~す」
かくして血圧は正常値を保ったまま、後詰めのブレオ隊の突撃も終了し、戦闘二日目は無事終了。ってか、自分はまだ14日に脳腫瘍を放射線治療のガンマナイフ手術でやっつけてきたばかり。第四ラウンド終了退院から、またしてもインターバル無しで抗ガン剤治療を受けてるンだよなぁ。まぁ、放射線治療と抗ガン剤治療は平行は無理だけど、交互にはできるからOKなんだけろうけど。丈夫な身体と、脳天気な性格を授けてくれた両親とご先祖様に、改めて感謝だよなぁ。やっぱね、いるだかいねぇだか、わかんねぇ神仏よりも、確実にこの世に存在し、この生命と身体を授けくれた、両親とご先祖様が一番だよ。
元気になったら真っ先に、両親と家内と一緒にお墓参りに行かなきゃなぁ。その次に菩提寺のご本尊と近所の神社に行って、「ご加護持ちまして、無事、退院できました。ありがとう存じました」と、お礼参りをしてこよう。神威、霊徳、慈悲のある神仏ならば、乞い願わずとも叶えてくださるモノだからね。良き事があったり、無事に年が越せたりとか、それだけでも有り難い事じゃないか。ましてや願掛けもしていないのに、ガンとの闘病から生還できたら、神仏の慈悲深さに涙してお礼申し上げねばならんでしょう。
眠釣は神仏に自分自身の事は頼らないが、尊崇する心は誰よりも強いのだよ。決して無神論者ではないので、勘違いしないように。
途中、外科の主治医だったM山先生が陣中見舞い(?)に来てくださった。
「K病院のガンマナイフ、どうだった?」
「フレーム装着と、取り外しがチョ~痛かったですぅ~」
「頑張ったみたいだね」
「処置中は睡眠薬で眠らされてたので、頑張ってないですけど」
「まぁ、準備と後処理がキツイからね。特に麻酔の切れてくる後処理が」
「フレーム装着の時のキシロカイン注射とネジの締め付けも痛かったです。
それと、取り外し前にトイレに行きたいって言ったら、フレーム付けたまま
手術室を出て、外来患者もいる廊下の先のトイレに行かされました」
「外来通路? みんなドン引きしてたでしょう(笑)」
「はい~。中世ヨーロッパの拷問みたいな状態でしたから……。
でも、その後のフレーム取り外しが地獄の痛さでした」
「ははは、頭は痛点少ないんだけどねェ(笑)」
「僕は痛点直撃のクリティカルヒットでしたよ」
「痛み止め飲んだでしょ?」
「このD病院から持って行った、お昼ご飯後用のロキソニン一錠だけ……」
「えッ? そりゃ痛いわ(笑)」
「ナースコールで看護師さんにボルタレン坐薬お願いしました」
「だろうね」
「でも25mmだったから、50mmにしてって頼んだけどダメでした」
「効かなかった?」
「それが睡眠薬もまだ体内に残ってたみたいで、ウトウト眠くなりました」
「よかったじゃない」
「はい。安静時間1時間が過ぎた時は、かなり痛みは消えてました」
「無事に戻ってきて、また”元気に”治療を続けていける前向きさがスゴイです。
これからも頑張って!」
「はい、シッカリと養生します。ありがとうございます!」
なんともありがたい陣中見舞いだった。自分はM山先生の直球ストレートな物言いが好きだ。現在の主治医のN尾先生のコーナーを突く笑顔の物言いも好き。自分は良い先生にお救いいただいていると、家内共々感謝している。
さて、自分は抗ガン剤特有の吐き気や不快感といった、ツライ副作用を感じた事はないが、微熱が出たり、足がむくんだり、多少のふらつきは感じたりはしている。抗ガン剤の投与中は、5分、10分、15分、30分、60分おきに血圧と酸素摂取量を計測し、静脈からの点滴の漏れがないかの確認が行われるので、看護師さんがほぼ付きっきり状態になる。
本隊シスプラ隊の戦闘時間中、ベッドから身体を起こしてジュースを飲もうとしたら、フワッと来た。めまいや不快感じゃない。むしろ快感とも言える、酩酊感に近い感覚が襲ってきた。思わず目を閉じる。
「眠釣さん、どうしました?!」
「あ……。今ね、フワッてなった……」
「気分悪いですか?」
「いや、むしろ気持ちイイ感じ」
「眠いです?」
「違う。フワッってして、締め落とされる寸前の感じ」
「よくわかんないんだけど……」
「貧血で倒れる寸前の感覚」
「それ、ダメーっ!」 (急いで血圧測定)
「あ、上の血圧が100飛び台、下が60寸前まで下がってる!!!」
「大丈夫、気分も悪くないし、意識もはっきりしてるから」
「無理にお話ししなくてイイから」
「したら、音楽聴いても良いですか?」
「いいよ」
「じゃ……」 (ICレコーダー兼MP3プレーヤーをセット)
♪チャッチャッチャラ~チャ~ラ~ラ、チャッチャーラッ!
ズンズンチャッチャ、ズンズンチャッチャ、
ズンズンチャッチャ、ズンズンチャッチャ、
つぅよい ヤツほど 笑顔は優しい~
だぁあって 強さは あ~い(愛)だモノ~♪
(中略)
た~お~れたら 立ち上~がり~ 前~よりも強くぅなれ~
く~るしみを く~るしみを 越~え~よ~ぉぜ~
Oh,Yes! 俺た~ち おと~こさ~ 男さ~
♪ズッチャカラッチャ、チャ~ラ~ラ、チャ~ラッチャッ♪
宇宙刑事、仮面ライダー、戦隊物、牙狼<GARO>などの、激燃え系特撮ソングメドレーを流す。来た来た来た、キタ━(゚∀゚)━! もう、気分はアゲアゲ、アドレナリンやらドーパミンやら、脳汁ダダ漏れ状態。15分後の血圧は132ー72。なんて単純なオッサン……(笑)。
「眠釣さん……、わかりやすすぎッ!」
「うん、よく言われるし、みんなそう言う(笑)」
「じゃぁ、燃え歌聴いて、安静にしててください。30分後にまた来ます」
「は~い。お願いしま~す」
かくして血圧は正常値を保ったまま、後詰めのブレオ隊の突撃も終了し、戦闘二日目は無事終了。ってか、自分はまだ14日に脳腫瘍を放射線治療のガンマナイフ手術でやっつけてきたばかり。第四ラウンド終了退院から、またしてもインターバル無しで抗ガン剤治療を受けてるンだよなぁ。まぁ、放射線治療と抗ガン剤治療は平行は無理だけど、交互にはできるからOKなんだけろうけど。丈夫な身体と、脳天気な性格を授けてくれた両親とご先祖様に、改めて感謝だよなぁ。やっぱね、いるだかいねぇだか、わかんねぇ神仏よりも、確実にこの世に存在し、この生命と身体を授けくれた、両親とご先祖様が一番だよ。
元気になったら真っ先に、両親と家内と一緒にお墓参りに行かなきゃなぁ。その次に菩提寺のご本尊と近所の神社に行って、「ご加護持ちまして、無事、退院できました。ありがとう存じました」と、お礼参りをしてこよう。神威、霊徳、慈悲のある神仏ならば、乞い願わずとも叶えてくださるモノだからね。良き事があったり、無事に年が越せたりとか、それだけでも有り難い事じゃないか。ましてや願掛けもしていないのに、ガンとの闘病から生還できたら、神仏の慈悲深さに涙してお礼申し上げねばならんでしょう。
眠釣は神仏に自分自身の事は頼らないが、尊崇する心は誰よりも強いのだよ。決して無神論者ではないので、勘違いしないように。
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