激拳

　いやぁ～、内山高志選手のWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチは痺れましたよ。あのホルヘ・リナレス選手から1ラウンドKOで王座を奪った、ファン・カルロス・サルガド選手を最終ラウンド、それも残り12秒で倒してのTKO勝ちですよ。終始リードしているように見えて、どこで一発が飛び出すか分からない、ゾクゾクする、いや、ヒリヒリするような試合展開。そしてクリーンなファイトで最高の試合だった。

　新チャンピオンの内山選手は25歳でプロデビュー、14戦無敗で世界初挑戦、30歳で戴冠ってェのがスゴイね。まさに遅咲きの大輪だ。年の初めにこんなによい試合が観られて、ボクシングファンにとって最高のお年玉です。

　一方、スーパーバンタム級の細野悟選手は残念だったなぁ。お互いに距離を潰した接近戦でのもみ合いで、見た目の派手さはなかったけど、玄人好みのよい試合だった。あの距離からのアッパーやボディーフックは、想像以上に効くだろうなぁ。互いの体力やスタミナ、精神力を削り合う消耗戦だね。もし自分が細野選手だったら、おそらく9ラウンドか10ラウンドで試合放棄しちゃってるなぁ。最後は判定で負けちゃったけど、こんな試合がやれるんだから、細野選手のリベンジマッチに期待したい。つか、アマチュア時代、5年前の国体で内山高志選手に勝ってンだから弱いはずがない。なんでそんなに贔屓目で語るのかって？　だって、細野選手は大学の後輩だからです。面識も何もないけどさぁ、やっぱり同じ大学ってだけで親近感が湧くジャン。必ず世界チャンピオンになれる、なってくれって応援しちゃいますよ。

　ともあれ、これで現役世界王者の日本人は6人。今年もボクシングから目が話せませんよ、ってお話でした。