賭場

　読んで字の如く、「賭け事をする場所」 です。日本では競馬場と競艇場と競輪場とオートレース場とパチ屋と雀荘……じゃない、公営ギャンブル場しか存在しません。建前上はね。で、合法なんだが博打同然ってのが、株や為替や商品相場で、素人（＝個人）が本業そっちのけでのめり込むとロクなことにはなりません。"伝説の相場師" とか "兜町の風雲児" とか呼ばれた人が、幸せな人生をまっとうしたって話を自分は聞いた事がない。プロの相場師でさえそうなんだから、素人の行く末なんか想像するまでもありません。

　自分も証券業界に身を置いた事のある一人として、そりゃまぁ、いろんな話を身近に見聞きしてきてます。全財産を失って一文無しの素寒貧になった挙げ句、刑務所送りになった人はもちろん、悲惨な最期、文字通り 「生命を失う最期」 を迎えた人も知っている。よく食事をおごってくれた、Ｃリサーチグル－プのＫ学Ｋ雄氏なんか、一頃は大層な羽振りだったけど、バラバラ死体になってコインロッカーに捨てられていたもんなぁ。

　博打は借金で打っちゃいけません。相場も自分の懐で張る分には、損をしてもたかがしれていますが、素人がレバレッジを効かせた凄まじい倍率のFXや信用取引やオプション取引や商品相場に手を出して、裏目に出たら火傷じゃ済みません。信用取引は借金です。証拠金という担保を差し入れて、借金をして相場を張ってるって意識を持たないと。証券会社や各種相場を取り仕切る会社も、貸金業の認可を受けてますよ。賭場の胴元が金貸しも兼ねているワケ。信用取引の口座開設書は借金の証文ですな。パチ屋に行くような感覚で、素人がオンラインで相場を張るのは危険です。

　博打で勝ち続けられるのは、胴元かイカサマ師と決まってます。それ以外の参加者は上手く勝ち逃げしないと、尻の毛まで毟られるのが関の山なので、運良く勝ったらさっさと足を洗う事です。一山当てたら脱兎の如く逃げる事が、博打と相場の必勝法です。初手から負けてたらどうするんだって？　そりゃ博才や運や情報力や判断力がないワケで、博打や相場には不向きなんですからスグに足を洗う事ですな。

　マネーゲームは博打と同じ。一度の勝ちに味を占めて、賭場に通い詰めてズルズルと深みに落ちていく姿は、見ていて実に痛ましいんだが、本人はそうとは思っていないから始末に負えませんね、ってお話です。

　気ィつけなはれや！