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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 またしても更新が滞ってしまっていたンだが、抗ガン剤の副作用による手足の痺れ・麻痺がひどくて、それどころじゃなかった。リハビリを開始した今も、お箸は使えない、字は書けない、歩くのはペタペタとペンギン歩きでかっこ悪いったらありゃしない。まぁ、全く歩けなかった一頃に比べれば、かなりマシになったけどね。磯・投げ情報の連載原稿も入稿を済ませた。まったく、売文屋の鑑だよなぁ。

 で、なんで手指がろくに動かせないのに入稿を急いだかと言うと、実は来週末に左肺の新発病巣と、再来週末に右肺心臓脇の腫瘍の切除手術を二週連続で行う事になったから。左肺の新発病巣は4月の検査で見つかったンだが、抗ガン剤が効いていない。右肺心臓脇の病巣は半年以上も頑固に居座っているンだが、手術で取れるそうなので、この際バッサリと切り取っちゃおうって事です。外科的に切っちゃう分には、副作用に悩まされる事はないからね。

 まだ決戦の日時は決定していないンだが、まずは物見として水曜日に名古屋ポジトロンセンターで転移病巣が無いか全身チェックのPET検査を受けてくる。この検査は昨年秋にも受けたンだが、ガンがあれば脳と膀胱以外はバッチリわかる。昨年秋の検査では、虫垂ガンと左背筋の肉腫が見つけられた。で、全身の転移状況がわかったところで、来週末くらいに決戦の第一陣となるわけだ。

※その後、左肺の新発病巣の手術と同時に、左背筋内の肉腫も切除摘出することになった。二週連続では身体への負担が大きすぎるので、回復状況を見ながら、二週間の間を開けて第二陣の手術を行う事に決定した。第一陣の手術は6月24日(金)。

 決戦の総大将はM山先生。もうすでに二度も手術をして頂いているので、安心してお任せできるんだが、手術の成否とか、そんな事は別として、手術ってェのは ”生物の本能として” 怖い。それも短期間に連続で手術だよ? しかも体力だって万全とは言い難い状況だもの、怖ェの怖くねェのって、いろんなトコが縮み上がっちまうくらい怖ェよ。手術後三ヶ月は咳をしても痛むし、半年くらいは肋間神経痛に悩まされるンだよなァ。今、味わっている抗ガン剤の副作用による不快感よりはマシ……じゃねェッ! 痛ェもんは痛ェし、それはまた抗ガン剤の副作用とは別のツラさだかンね。

 あ、「神は乗り越えられる試練しか与えない」 なんて無責任で根拠の無い励ましはいりません。慈悲深い神仏は人間に試練なんて与えませんから。試練だの困難だのは、神仏を騙った鬼や悪魔の仕業に決まってます。神仏への代参、お参りも不要です。むしろ 「眠釣よ、しっかりと闘って、元気になって戻ってこい!」 と、みなさんの強い念を送ってくださいね、ってお願いでした。

※日常の短いつぶやきは Twitter をご覧になってください。
 http://twitter.com/minchoh

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 5月になって初めての日記なんだが、4月26日~5月1日までの6日間受けた抗ガン剤治療第六クールの副作用で、指先が痛み、手足が痺れて、更新どころじゃありませんでした。いつもご覧下さっている皆さん、ご心配をお掛けして申し訳ない。ガン性疼痛緩和鎮痛剤のトラマールのおかげで、指先の痛みはいくらか治まっているが、今も手足に痺れと麻痺があって、文字も書けなきゃ、お箸もうまく使えないし、キーボードもマウスもうまく扱えません(泣)。歩行もステッキ無しじゃ無理で、もうヨタヨタのブラブラ……。もちろん、激しい耳鳴りと難聴も続いており、お年寄りやハンディキャッパーの皆さんのご苦労を、我が身の事として理解できた。

 そんなヨタヨタのブラブラ状態でも、人間ってのは気組みや心持ち次第で日々を明るく過ごしていけるモンで、ヒィヒィ言いながらも歩行練習をしたり、連載原稿を打ち込んだりしちゃってます。手前味噌に過ぎる話で恐縮なんだが、自分がこんなに心強き人間だとは思わなんだなァ。まぁ、まったくヘコまなかったかと言うと、いささかヘコみはしたんだが、落ち込んだり、自棄を起こしたり、癇癪を起こしたりはしていない。手足の痺れがひどくて、ベッドから起き上がる気になれない日もあるが、挫けたり諦めたりはしていない。

 何がモチベーションの源になっているのか、自分でもよくわからないが、医療スタッフの皆さんのお力添えや、家内の献身的な介護、お見舞いに来てくださったり、電話やメールで励ましてくださる皆さんへの感謝と報恩の思いが自分を支えているんだと思います。こんなボロボロの状態にならないと、自分の身の幸せが理解できない眠釣ってなァ、とんでもない大馬鹿者ですね、ってお話でした。

 ご心配、ご声援くだすっている皆々様、ありがとう存じます。手足の麻痺にも負けず、まだまだ元気を失わずに闘っておりますので、これからもよろしくお願い申し上げ奉ります。

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 薬剤を替えての抗ガン剤治療第六クール二日目。前々日に刺した点滴が漏れ始めてしまった。抗ガン剤が漏れたら大変な事になる。組織が壊疽してしまうのだ。当然、点滴は刺し替え。しめたッ! 刺し替えの合間にシャワー浴びてこよう。「この隙にシャワー浴びたい!」と頼み込むとOKが出た。10時半、2日ぶりのシャワー。気持ちィ~。

 11時15分、点滴を刺し替え。11時20分、生理食塩水にアスパラギン酸カリウムの24時間点滴と共に、抗ガン剤イホマイドの副作用(出血性膀胱炎,排尿障害等)抑制剤ウロミテキサンを点滴前投与。5分ほどでタターと注入。続いて抗ガン剤イホマイドを3時間掛けて点滴投与。イホマイドの投与終了30分前、14時20分に制吐剤のイメンドカプセルを経口投与。イホマイド投与完了後、15時25分抗ガン剤シスプラチン点滴投与。18時10分、シスプラチン投与完了後、、利尿剤ラシックスを5分ほどで点滴投与。18時20分、続いて副作用抑制剤ウロミテキサンの追加投与。やれやれ、コレで一段落。後は補液の生理食塩水にアスパラギン酸カリウムの24時間点滴補液と、22時30分に副作用抑制剤ウロミテキサンの追加投与。

 これで本日の抗ガン剤治療完了。で、これと同じメニューの治療が5月1日までまで続く。う~ん、キツイなァ。どんな副作用が、いつから、どの程度出てくるのやら……。ノーダメージはあり得ない。脱毛は確定的だが、すでに一度経験しているので問題なし。やはり手足の痺れと、味覚障害などの神経障害と、造血機能の低下を引き起こす骨髄抑制が怖い。それと何よりも、シスプラチンによる永続的な難聴、聴覚障害が増強されてしまう危険性が極めて高い。それでも、真っ向から受け止めて耐え抜かないと死んでしまうからなァ。。

 ともあれ、抗ガン剤治療第六クール2日目も、さしたる副作用も無く、順調に乗り越えられましたよ、ってお話でした。つまんねェ日記でごめんなさいよ。自分の療養記録として書き留めてるモンで、読み手の事なんざ、屁ほども考えて無ェんでね。

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 抗ガン剤治療再開で、昨日の午後から24時間の前補液ソルデム3Aの点滴投与、昨夜はアレルギー対策薬の前投与、今日は午前11時頃から制吐剤カイトリル点滴投与に続いて胃薬のガスターを点滴、昼食後にアレルギー対策の経口前投薬レスタミンを5錠飲み、午後から本番の抗ガン剤タキソール点滴投与。今日から6日間の抗ガン剤集中投与ってなスケジュール。う~ん、キツイ治療になるかもしれないけど、シッカリ受け止めないと死ぬしかないからなぁ。

 不安感は全くないけど、またしても運動制限(行動制限)でベッド上安静が続き、身体が萎えてしまうのがイヤだなぁ。足はヒョロヒョロになり、歩けばヨロヨロ、立ち上がるのもツライ状態になる。おまけに副作用の末梢神経障害が起き、手足の先が痺れる。これがまた、電気系のビリビリや炭酸系のシュワシュワと違い、紙をユックリと破る時のビリビリ感に似た痛みを伴う痺れなのだよ。これが実に不快なんだな。寝てても起きてもビリビリ、ジリジリしてンですよ。痺れがひどくなって、もう1ヶ月になるけど、慣れる事ができないなァ。この痺れがタキソールによって、さらにキツくなるかもしれない、と宣告されているのだよ。怖ェ~の怖くねェのって、怖ェったらありゃしねぇ。

 午後1時半、抗ガン剤タキソールの点滴投与開始。3時間掛けて落としていくんだけど、副作用がいつ出てくるのかドキドキですよ、ってお話でした。すぐに出るのか、数日後に出るのか、数週間後に出るのか……。怖ェな~。(´・ω・`)

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 昨日から血痰が……。ア~ァ、振り出しに戻っちゃったよ。しゃァねェなァ。今日、主治医のN尾先生から今後の治療について説明があるんだが、選択肢は二つ。そのどちらもが根治療法ではなく、対症療法の延命治療だからなァ。とは言え、治療を受けなきゃ死亡率100%。治らないけど抑え込んで、現状維持なら上出来なんだよなァ……。

 その治療法の一つってェのがだね、骨髄液を採取して、そこに抗ガン剤を混ぜて戻す、ってな治療法なワケだよ。全身麻酔でやるってンだけど、ドリルで骨に穴を開けて髄液採取……。怖がりで痛がり、泣き虫で弱虫、根性無しで甲斐性無し、我慢知らずで恥知らずの自分には、耐えられぬ恐怖でござる。恐ろしゅうて寝付きは悪くなるわ、夜中に一人でトイレに行けなくなるわ……(理由が違ッ!)。とにかく、夜泣き、引きつけ、疳の虫を起こしそうなほどですよ。樋屋奇応丸か宇津救命丸を処方してもらおっかな?

 「振出」 なァんてタイトルのせいで、「眠釣の事だから、釣り竿の話だろう!」 と思っちゃったみなさん、ごめんなさいね、ってお話でした。てか、釣り竿だのリールだのって場合じゃねェんだよ、マジで~!

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 休薬1ヶ月半でかなり副作用から回復したのに、肺に新たなガンの腫瘍が見つかった。来週から抗ガン剤を変えて第六クール開始決定だよォ。 アゥ……(´・ω・`)

 もぉ~、せっかく眉毛が生え揃い、頭髪も生えかけてたのにィ~。

 って、ソッチじゃない、ソッチじゃない(笑)。

 実は3月1日~5日の第五クールでゲッソリとやつれて、ベッドから起き上がる事もツライ、ってなダメージを受けたので、一度退院して半年くらい休薬、体力回復を待って第六クール、って主治医のN尾先生から話があったのはつい先日の事。それが昨日のCT検査で新たなガンか見つかり、採血でも腫瘍マーカーのhcgの値が上昇しちゃってた。3月末のX腺検査ではバッチリ縮小してたのに、わずか半月で新たなガン病巣が進行って、どんだけ悪性度の高いガンなんだよッ!

 それでも退院はできるみたいだけど、外来通院で抗ガン剤治療ってヤダなぁ……。毎月、補液と抗ガン剤治療期間中だけでも入院させて欲しいよ。

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 昨日は外出許可を得て、自宅で資料を整理したり、原稿を書いたり、愛鼬のゲンと遊んだりしてきたンだが、病院から自宅への道すがらに見た、満開の桜の美しさと言ったら……。まさに筆舌に尽くし難し、とはこの事であろう。

 今年は東日本大震災もあり、花見気分に浮かれた人は多くない。しかし、桜花の美しさに心沸き立ち、いてもたってもいられなくなってきた。自分のお気に入り、とっておきの観桜ポイントが、車で15分ほどの隣町にある。車窓を開け放ち、ゆっくりと桜並木の下を車で通る。運転はもちろん家内に任せてある。車から降りて桜並木の下を歩きたい……。パーキングに車を停め、ステッキを片手にゆっくりと歩いてみる。晩春の陽射しに目が眩む。この桜花が散り果て、葉桜となれば初夏だ。春も残り半月ほどか。

 ウィンドブレーカーを羽織り、ニットキャップを目深に被り、マスクを着け、片手にはステッキ、もう片方の腕は家内に支えられている自分。誰もが道を空けてくれるし、くわえタバコの旦那さんも風下に移動してくれる。フッ、今生の思い出を目に焼き付けに来たワケじゃねェよ。来年も、再来年も、必ずこの桜を観に来るさ。

 15分ばかり歩いただろうか。足が萎えているため、疲れが早い。足が鉛のように重たい上に、膝やふくらはぎが突っ張り、棒のようだ。車に戻り、パーキング脇に植えられた桜をボンヤリ眺める。そよ風と陽射しを浴びていると、心地良い眠気。家内に揺り起こされた時には、もう自宅だった(笑)。

 梅花と桜花はイイね。「花は桜木、人は武士」と言うが、百姓町民、無縁無宿者だとて、日本人は千年を超える昔から、早春の梅と、春の盛りの桜を愛してきた。咲く姿は楚々として控え目ながら、薫り高く咲く梅花。艶やかに一気に花開き、美を競い合うが如く咲き誇る桜花。病を得て初めての春は、花に心寄せながら過ぎていきますよ、ってお話でした。

 あぁ、そうそう。くわえタバコの旦那のタバコの煙。マイルドセブンの6mmだろうか。久々に嗅いだタバコの匂いだが、元愛煙家の自分にとっては、懐かしい薫りだった。愛煙家にとってタバコの薫りは健康の証。自分は二度と味わう事は叶わない……。

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 原稿書きやら、ムニャムニャのお仕事やら、期末控えの期首向かいの時期は何かと忙しいンだが、どうにも心身ともに調子が悪い。気力を振り絞ってキーボードを叩いてはみても、集中力が続かない。気分が乗れば一気に20~30枚くらい書き上げちゃうのが売りだったのに、こんな経験は初めて。気力とか根性とかの問題じゃ無く、何かがおかしい……。

 この不調の原因が血液検査でわかった。白血球の減少だけではなく、赤血球も基準値の1/4に減少していた……。つまり、かなりひどい貧血状態で、輸血も検討せにゃならん状態だとか。抗ガン剤の副作用で、造血機能が低下しちゃってるワケですね。ん~、自分が怠け者だからだと思っていたら、今回に限ってはバッチリと言い訳できる原因と理由があった。エクスキューズが見つかると、それにもたれかかっちゃうのは人情ってモンです。

 とは言え、そんな事ァこちら側の勝手な言い分で、締め切りやら入稿期限やら納期やらは、情け容赦なく、無慈悲に迫ってくるワケですよ。ここは一番、レバーやら鉄分豊富な食品で造血機能を補ってやらねばなりませんなァ。焼き鳥の鶏レバーは食べられない側に入っちゃってるので、牛レバー、それもレバ刺でいってみましょうかね。それもダメなら輸血をお願いするしかないンだが、輸血の副作用もキッツイからなァ~。できれば自力でなんとかしたいよ、ってお話でした。

 この記事を書くだけでも30分以上掛かってンだから、その分を原稿書きに回せばよかった。時間と気力の無駄遣いしちゃったよ……。

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 3月1日から始まった闘病生活第八ラウンド、抗ガン剤治療第五クールは流石にキツかった……。5日間の集中投与でドドーンと副作用が出てきた。

 ・3月1日、制吐剤点滴後、ペプシド、シスプラチン投与。
 ・3月2日、制吐剤点滴後、ペプシド、シスプラチン、ブレオマイシン投与。
 ・3月3日、制吐剤点滴後、ペプシド、シスプラチン投与。
 ・3月4日、制吐剤点滴後、ペプシド、シスプラチン投与。
 ・3月5日、制吐剤点滴後、ペプシド、シスプラチン投与。

 二日目の3月2日から、食事どころか水さえも飲みたくない状態になってしまった。なんとか口から栄養分を摂らねばと、トマトジースと野菜ジュースを無理矢理飲んでいた。もちろんベッドから降りるのはトイレに行く時だけ。ベッド上で身体を起こす気力さえも無くなってしまった。

 食事が摂れない状態なので、5日間の集中投与を終えた3月5日夕方から、持続栄養点滴ビーフリード(ブドウ糖点滴)の24時間点滴を受ける事に。この持続栄養点滴が曲者で、水分も栄養分も点滴で強制的に体内に送り込むので、飲まず食わずでいられる。性根が怠け者の自分などは、ますます飲み食いしたくなくなってしまう。ベッドの上でテレビをボンヤリ眺め、時折ネットを覗くだけ。それ以外の時間はトロトロと眠って過ごしていた。

 3月9日、本来ならブレオマイシンの追加投与の予定だったが、ダメージが大きすぎるので休薬する事に。3月10日、身体の臭いが耐え難くなってきた。蒸しタオルで身体を拭ってはいても、なにしろ10日以上お風呂に入っていない。嗅覚がおかしくなっているとは言え、イヤな臭い、キライな臭いには超敏感になっているので、ストレスで苛立ってくる。一時で良いから点滴を抜き、お風呂に入らせて欲しいと看護師さんに頼み込み、主治医のN尾先生の了承の上で点滴を抜いてもらった。早速、ベッドから降りて病棟内を散歩してみる。――ッ! ふくらはぎもスネも太腿もお尻も筋肉が落ち、真っ直ぐに歩けない! 足が萎えて自力歩行が困難になってしまっていた。それでも元気を出すためにシャワー入浴。

 熱めのシャワーを浴び、入浴介助用の椅子に腰掛けて、石けんでガシゴシと身体を洗う。ギモヂイイ~。が、椅子から立ち上がった途端に立ちくらみ。入浴を終えて身体を拭っていても、クラクラして脱衣場でしゃがみ込んでしまう。クソッ! たかが入浴でこの様かよ。それでもサッパリしたが、いきなり入浴はチョット無理しちゃったか……。自分の病室に戻り、ベッドで横になると心地良い眠気に誘われ、看護師さんが夕刻のバイタルを取りに来るまでグッスリとお昼寝。

 この入浴が効いた。空腹感は感じないが、家内に作ってもらった小さなオニギリを口にしてみると食べられる。しめた! 口からモノが食えるから、持続栄養点滴を中止してもらえないかと相談してみる。N尾先生からOKが出た。翌11日にはお餅を焼いて持ってきてもらい、食べてみると美味しく感じた。12日のお昼には焼き芋も食べられた。しかし、味覚が狂ってしまっているので、美味しいから食べられる、のではなく、気持ち悪くならないモノだけを選んで口に入れているだけ。

 食べられるか食べられないかは、味や匂いよりも食感で分かれている。パンや揚げ物の衣はアウト。お豆腐や油揚げもアウト。野菜類も茹でたほうれん草や白菜もダメ。肉類はステーキはOKだが、ハンバーグはダメ。白米と麺類はOKだが、チャーハンなどはダメ。もう食べてみないと何がOKで何がアウトなのわからない状態。好物だった餃子や麻婆豆腐などがアウトになったのはショックだった。

 とは言え、いくらかでも口からモノが食えるだけで違う。もう点滴はイヤなのだよ、ってお話なんだが、この3月11日が未曾有の大災害、戦後最大の国難の日となろうとは夢にも思わなかった……。

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 かなり楽になってきた。少しは散歩もできるようになった♪

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プロフィール
HN:
YASU ・居眠釣四郎・眠釣
性別:
男性
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釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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