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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 何をやっても退屈……、なぁんて贅沢な事をボヤいていたんだが、何気なく書架の奥から引っ張り出した一冊の本の、主人公のあまりのヘタレっぷりにグイグイと引き込まれ、一気に読み通すのではなく、何度も行きつ戻りつの読み返しをするほどに熱中してしまった。その作品は、高校の古典の授業でお馴染みの 『 伊 勢 物 語 』 。主人公は在原業平。平安時代のプレイボーイっちゅーか、少々お下品な言葉で云うならば平安ヤ●チ●男ですな。この業平クンがだね、ドスケベなクセに女々しくて軟弱でヘタレで、まったく男の風上にも置けない男なワケですよ。

 作品の舞台となっているのは、平安遷都から間もない平安初期。平安遷都は794年だから、1200年チョイ前。桓武天皇の御代ですな。奈良平城京から京都平安京に遷都して、平城京は廃れつつありながらも、まだ平安京は人家も少なく盛りを迎えていない、ってな中途半端な時期なワケです。で、伊勢物語の第一話 「初冠(ういこうぶり)」 は、元服したばかりの業平クンが廃れかけた奈良に出掛け、美人姉妹に出会って萌えちゃったってお話。元服したばかりってェ事は15歳かそこらだから、現代なら中学生。そのお年頃の男子ってナァ、ストライクゾーンもへったくれもありゃしない、ナンデモアリの発情したお猿みたいなモンです(笑)。

 っとまぁ、読み始めたらいろんなエピソードがちりばめられ、非常に面白い。2年くらい前にも読んでいるんだが、やっぱり面白いね。余談になるんだが、この伊勢物語研究を非常に熱心にやっていた戦国時代の人気者がいるわけですよ。漫画 『花の慶次』 でお馴染みの前田慶次郎です。伊勢物語が好きで合戦の戦場にまで持ち込んでいた、ってンだから。残念ながら前田慶次郎の伊勢物語注釈は残されていないンだけどね。あの天下人の秀吉公に反骨の意気を示し、傾奇御免を許された男が愛した、ってだけでも楽しいじゃないの。なんで高校時代にこの面白さに気付かなかったかなぁ。あの時気付いてりゃ、古典の試験は満点間違いなかったわ。

 ともあれ、幸か不幸か今の自分にはたっぷりと時間がある。いろんな解釈を加えながら、何度でも読み返してみましょうかね、ってお話でした。

 一緒に収録されてる 『 竹 取 物 語 』 も、もう一度じっくりと読み込んでみよう。てかさ、何が 「かぐや姫」 だよ。よくよく読んでみれば、人格障害の高飛車なメンヘラ女が主人公、としか思えないぞ(笑)。

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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自己紹介:
釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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