高利

　平成26年6月まで年率14．95％の固定配当（以降は変動配当）ってドル建て優先出資証券がある。この低金利のご時世になんともまぁ、すごい利回りだ。通常はこんな高金利で資金調達をするってのは、よほど経営がヤバイ会社か、詐欺か、その両方か、と疑ってかかるのが常識なんだが、これがなんと、日本のメガバンクの一角、みずほフィナンシャルグループが発行元だったりするから驚いちゃうワケだ。
　ttp://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20090223release_jp.pdf
　（URLの頭に "h" を付けてね）
発行代金は、最終的に株式会社みずほコーポレート銀行への永久劣後特約付貸付金として全額使用、となっているんだが、永久劣後特約付き貸付金って事は、返済順位が低い、「踏み倒されても文句は言わないよ貸付金」って事です。おーっと、これはですね、借り手のみずほコーポレート銀行は負債ではなく、資本に組み入れられる借金ですね？　よく考えてるなぁ。

　さて、こんな高金利でお金を集めて、どうやって運用する気なんだろか……。約15％もの利率の配当を支払うって事はだよ、固定配当期間中の5年間は、それ以上の利回りで運用せにゃならんわけで、株だの債券だの為替だのじゃ、とてもじゃないが無理です。数年に渡ってコンスタントに年率8％の運用利益率を叩き出せれば、腕っこきのファンドマネージャーとして高額の年俸が約束されます。年率8％の複利で運用すると、出資金は10年でおよそ2倍になります。ね、8％でも充分にスゴイでしょ。

　かてて加えて、この優先出資証券はドル建てときてるから、円安に振れたらさらに運用益を出していなきゃならないわけです。じゃぁ貸し出しで回すか、ってーと、サラ金並みの金利じゃないと間尺に合わない。今時、そんなバカ高い金利を払って金を借りる企業なんざ、ありゃしません。だって、日本の政策金利は0．1％ですぜ、皆の衆。チョイと気の利いた企業なら、0.6～0.8％とかの金利で銀行が融資してくれる。だったら融資を受けて（借金をして）、このドル建て優先出資証券を購入すりゃ、何にもせんでも大儲けですわ。1万ドルが1万7500ドルになるんだから、借り入れたお金の支払い金利を遙かに上回っちゃって、濡れ手に粟です。下手な商売をしているより儲かっちゃうよ。スッゴ～イ！　自分は買わないけど。

　まさか日本のメガバンクが 「ドンガラ」 かまして逃げるとは思えないが、一体何を目論んでいるのやら、さっぱり訳がわかりません。3月決算でドデカイ損金が発生しそうで、その穴埋め資金？　う～ん、もしかしたら世界征服して、この世の全てを手中に収めるって事業計画を持っている、ショッカーとかデストロンとかゴッドとかデルザー軍団とかにでも融資するのかしらん？　ってお話でした。