釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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「夜目、遠目、傘の内」っちゅーと、女性が美人に見える条件なんだが、現代ではこれに 「ゲレンデ、ビーチ、旅行先」ってェのが加わりますな。いや、自分はもうそんな年齢ではないんだが、同業の若い衆が、「眠釣さん、こないだね、豪州で知り合った女の子から連絡があったンすよォ」ってな事を言い出した。ロクな定収もない、若手の売文屋が豪州たァ、ずいぶんと豪気な話だと思ったンだが、どこぞのプロダクションの社長を騙くらかしてくっついていったらしい。あ~ぁ、そういう筋に寄っかかると、後で高くつくのに……。
まぁ、それはともかく、日本に帰ってきてから女性側から連絡があるなんてェのは、たいがいロクな事にならねェのが世の常。案の定、"化七" とまでは言わないものの、さしたる器量じゃなかったらしい。それ見た事かと、内心ニヤニヤしながら話を聞いていたんだが、どうもアチラさんが本気のホンキになっちまってるらしい。「まぁ、男としての責任は取らにゃならんわな」っと、通り一遍の答えをしたンだが、「いや、その、そんな関係じゃないス」 とか言い出した。
「おまいな、やる事やっちゃって、しかも連絡先まで教えちゃってンだろ?」
「だから、ンな事ァやってないスよ」
「はぁ?」
「ゴハンおごってもらって、チョット飲んだだけッス」
「ホントに?」
「手も握ってないスよ」
「ん~、おまいもブサイクじゃないけど、そんなにモテるとは思えんが……」
「でしょ? 金持ってるわけでもないし」
「相手は金持ちの娘さんなんか?」
「いや、知らないス。でも、ブランド物は結構持ってた」
「まぁ、OLなら見栄もあるから、それなりのモノは持ってるだろ」
「はぁ……」
「てかさ、相手の娘さんはいくつなん?」
「27歳、つってました」
「おまい、いくつだっけ?」
「28ッスけど、12月で29歳ッス」
「あのさ、おまい、向こうで調子イイ事、吹いたべ?」
「あ……、まぁ、チョットだけイイカッコしたッス」
「やっぱりな。芸能界だとか、ソッチ方面に顔が利くとか」
「あ~、言っちゃったッス」
「ウソじゃん。おまい、そんなに顔広くねーだろ?」
「いや、その、それなりには……」
「あのな、発行部数十万部以上の雑誌グラビアに載るとかだな、
連続ドラマのレギュラーとか、それクラスじゃねーと有名タレントたァ
言えねーのはわかってるよな?」
「そうなんスか?」
「おまいなぁ……。バラエティーのひな壇の一番後ろとかにチョコっと
座ってる、賑やかしタレントがどんだけのモンだよ」
「はぁ……」
そう、この若手売文屋は怪しげな同人誌みてェな雑誌のグラビアページに、ポエムだかなんだかわからんような文章を書かせてもらって、それをずいぶんと誇張してしゃべってきたわけ。まぁね、自分もかつてはそんな仕事もやってたンで、だいたい想像がつく(笑)。
「ともかくだ、その娘さんには本当の事を話して、謝るこったな」
「だから、こないだ会った時に話したッスよ」
「会ったのかよ! で、なんて?」
「自分は売れないライターで、レギュラーもロクに持ってないって」
「そんでも付き合いたいって?」
「なんか、それがカッコイイって、またおごってくれたス……」
「イイ娘さんぢゃねーか。付き合っちゃえよ」
「え~、だって、この歳じゃ結婚前提になるッスから……、無理ッス」
「なァんで~ェ?」
なんつーか、こんな美味そうな据え膳を食わないって、自分には理解しがたいンだが、自分の将来に自信が持てないって事か? 慎重ってよりも臆病なだけじゃねーか。こんな若い衆ばっかだったら、そりゃ晩婚傾向になるはずだわ。よしんば結婚したとしても、子供なんか作れないだろうよ。
まぁ、相手が必死すぎるのもアレなんだが、自分が彼の立場だったら、喜んでお付き合いしちゃうのにナァ、ってお話でした。
あ、自分には最愛の家内がおりますので、そんな錯誤や浮いた話が転がり込んでくるはずがありませんわ。それ以前に白髪頭のオッサンだもんね(笑)。
まぁ、それはともかく、日本に帰ってきてから女性側から連絡があるなんてェのは、たいがいロクな事にならねェのが世の常。案の定、"化七" とまでは言わないものの、さしたる器量じゃなかったらしい。それ見た事かと、内心ニヤニヤしながら話を聞いていたんだが、どうもアチラさんが本気のホンキになっちまってるらしい。「まぁ、男としての責任は取らにゃならんわな」っと、通り一遍の答えをしたンだが、「いや、その、そんな関係じゃないス」 とか言い出した。
「おまいな、やる事やっちゃって、しかも連絡先まで教えちゃってンだろ?」
「だから、ンな事ァやってないスよ」
「はぁ?」
「ゴハンおごってもらって、チョット飲んだだけッス」
「ホントに?」
「手も握ってないスよ」
「ん~、おまいもブサイクじゃないけど、そんなにモテるとは思えんが……」
「でしょ? 金持ってるわけでもないし」
「相手は金持ちの娘さんなんか?」
「いや、知らないス。でも、ブランド物は結構持ってた」
「まぁ、OLなら見栄もあるから、それなりのモノは持ってるだろ」
「はぁ……」
「てかさ、相手の娘さんはいくつなん?」
「27歳、つってました」
「おまい、いくつだっけ?」
「28ッスけど、12月で29歳ッス」
「あのさ、おまい、向こうで調子イイ事、吹いたべ?」
「あ……、まぁ、チョットだけイイカッコしたッス」
「やっぱりな。芸能界だとか、ソッチ方面に顔が利くとか」
「あ~、言っちゃったッス」
「ウソじゃん。おまい、そんなに顔広くねーだろ?」
「いや、その、それなりには……」
「あのな、発行部数十万部以上の雑誌グラビアに載るとかだな、
連続ドラマのレギュラーとか、それクラスじゃねーと有名タレントたァ
言えねーのはわかってるよな?」
「そうなんスか?」
「おまいなぁ……。バラエティーのひな壇の一番後ろとかにチョコっと
座ってる、賑やかしタレントがどんだけのモンだよ」
「はぁ……」
そう、この若手売文屋は怪しげな同人誌みてェな雑誌のグラビアページに、ポエムだかなんだかわからんような文章を書かせてもらって、それをずいぶんと誇張してしゃべってきたわけ。まぁね、自分もかつてはそんな仕事もやってたンで、だいたい想像がつく(笑)。
「ともかくだ、その娘さんには本当の事を話して、謝るこったな」
「だから、こないだ会った時に話したッスよ」
「会ったのかよ! で、なんて?」
「自分は売れないライターで、レギュラーもロクに持ってないって」
「そんでも付き合いたいって?」
「なんか、それがカッコイイって、またおごってくれたス……」
「イイ娘さんぢゃねーか。付き合っちゃえよ」
「え~、だって、この歳じゃ結婚前提になるッスから……、無理ッス」
「なァんで~ェ?」
なんつーか、こんな美味そうな据え膳を食わないって、自分には理解しがたいンだが、自分の将来に自信が持てないって事か? 慎重ってよりも臆病なだけじゃねーか。こんな若い衆ばっかだったら、そりゃ晩婚傾向になるはずだわ。よしんば結婚したとしても、子供なんか作れないだろうよ。
まぁ、相手が必死すぎるのもアレなんだが、自分が彼の立場だったら、喜んでお付き合いしちゃうのにナァ、ってお話でした。
あ、自分には最愛の家内がおりますので、そんな錯誤や浮いた話が転がり込んでくるはずがありませんわ。それ以前に白髪頭のオッサンだもんね(笑)。
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