釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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とある地方都市の国道沿いにある、ちょっとだけ高級な定食屋でお昼ご飯を食べていたら、隣のテーブルに見覚えのあるお兄さんが座っていて、煮魚定食をお行儀よく食べていた。見掛けは尋常じゃなくいかつくて、周囲を威圧する雰囲気があるんだが、箸使いが実に見事で、「へ~、今の三十代でこんなに丁寧に魚を食える、ってなたいしたモンだ」 と感心しちゃったんだが、実際に魚を箸で上手に食べる事が出来ない日本人が増えています。オマエはどうなんだって? 自分は祖母と母親に厳しく躾けられたので、箸使いには自信があるよ。ちゃんと身と骨を箸先で外して、グチャグチャにしないで食べられます。エヘン! ってか、そんなの日本人して当たり前の事だけどね。
で、いかついお兄さんが視線に気付いたわけだ。黙ってチラリとこちらを見やった。あくまでもチラ見で、決してジロリと睨んだワケじゃないんだが、ここで慌てて目を逸らしたりすると、「なんか用か、こら、オッサン!」ってな事になりかねないので、「見事な箸使いですな。どこで仕込まれなすった?」っと穏やかに話しかけておくのが正解だったりします。
「はぁ? あぁ、オヤジが口うるさかったからね」
「ほう。でも今となっては良いオヤジさんでしたね。恥をかかずに済みますがな」
「そんなモンかな? で、なんか用?」
「いや……、大した用じゃないけど……」
「ふ~ん。悪いけど、飯は黙って食うモンで(話はこれまで)」
「はいはい」
いや、実に食事のマナーがしっかりできてる。なんでこんなにしっかり躾けられた若者(つっても三十代だろうけど)が、とても堅気ではない格好をしているんだろう? まぁ、人には様々な事情があって、いろんな境遇に身を置いているってくらいの事ァ、自分みたいな商売の人間にはよくわかっているんだけどね。
そんなこんなで食事を終えてお茶を飲んでいると、今度はお兄さんから話しかけてきた。
「旦那さん、大した用じゃないって、どんな用?」
「あ、はいはい。自分に見覚えはない?」
「ん~、ない。どっかで会った?」
「DVD」 (参考URL: http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1146722547&owner_id=20381207 )
「あー、アン時のね。ハハハ、そっかぁ~」
「いや、アレは実に良かった。うん、よかったですよ」
「今日は持ってないよ」
「あら、残念(笑)」
「好きなんだ」
「嫌いな人はおらんでしょう」
「そらそうだ。だから商売になるんだし」
「いや、ここで再会するとは、誠に奇遇」
「世の中は狭いね。悪い事は出来ないな」
「あれは悪い事じゃない?」
「まぁ、世間に迷惑を掛けているワケじゃないし」
「ふふふ、確かにね」
っとまぁ、ゆる~い感じで意気投合して、店を出る時にはお互いの携帯番号を交換しちゃって、今度ゆっくりと話をしようって事になった。互いの身性は詮索しないのが、こういった時のお作法なんだが、そのあたりの機微も充分に承知しているお兄さんだったね。
自分が三十代の頃、彼ほど世をさばけた感じで生きていただろうか? 立身出世を夢見て、やたらと鼻っ柱だけが強くて、クソ生意気な若造だったよなぁ。あ、今でもそうか……。いやいや、今では生意気な偏屈オヤジに成り果てているな。
雨の日曜日、午睡をしていてこんな夢を見ましたよ、ってお話でした。
で、いかついお兄さんが視線に気付いたわけだ。黙ってチラリとこちらを見やった。あくまでもチラ見で、決してジロリと睨んだワケじゃないんだが、ここで慌てて目を逸らしたりすると、「なんか用か、こら、オッサン!」ってな事になりかねないので、「見事な箸使いですな。どこで仕込まれなすった?」っと穏やかに話しかけておくのが正解だったりします。
「はぁ? あぁ、オヤジが口うるさかったからね」
「ほう。でも今となっては良いオヤジさんでしたね。恥をかかずに済みますがな」
「そんなモンかな? で、なんか用?」
「いや……、大した用じゃないけど……」
「ふ~ん。悪いけど、飯は黙って食うモンで(話はこれまで)」
「はいはい」
いや、実に食事のマナーがしっかりできてる。なんでこんなにしっかり躾けられた若者(つっても三十代だろうけど)が、とても堅気ではない格好をしているんだろう? まぁ、人には様々な事情があって、いろんな境遇に身を置いているってくらいの事ァ、自分みたいな商売の人間にはよくわかっているんだけどね。
そんなこんなで食事を終えてお茶を飲んでいると、今度はお兄さんから話しかけてきた。
「旦那さん、大した用じゃないって、どんな用?」
「あ、はいはい。自分に見覚えはない?」
「ん~、ない。どっかで会った?」
「DVD」 (参考URL: http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1146722547&owner_id=20381207 )
「あー、アン時のね。ハハハ、そっかぁ~」
「いや、アレは実に良かった。うん、よかったですよ」
「今日は持ってないよ」
「あら、残念(笑)」
「好きなんだ」
「嫌いな人はおらんでしょう」
「そらそうだ。だから商売になるんだし」
「いや、ここで再会するとは、誠に奇遇」
「世の中は狭いね。悪い事は出来ないな」
「あれは悪い事じゃない?」
「まぁ、世間に迷惑を掛けているワケじゃないし」
「ふふふ、確かにね」
っとまぁ、ゆる~い感じで意気投合して、店を出る時にはお互いの携帯番号を交換しちゃって、今度ゆっくりと話をしようって事になった。互いの身性は詮索しないのが、こういった時のお作法なんだが、そのあたりの機微も充分に承知しているお兄さんだったね。
自分が三十代の頃、彼ほど世をさばけた感じで生きていただろうか? 立身出世を夢見て、やたらと鼻っ柱だけが強くて、クソ生意気な若造だったよなぁ。あ、今でもそうか……。いやいや、今では生意気な偏屈オヤジに成り果てているな。
雨の日曜日、午睡をしていてこんな夢を見ましたよ、ってお話でした。
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