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釣り、ペット、短編小説、雑記、紙誌掲載原稿
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 2004年7月の改正SOLAS条約施行発効、それに伴う国内法の「国際船舶・港湾保安法」の施行により、全国の主要港から人々の歓声が消えた。多くのレジャー客や釣り人で賑わっていた岸壁は今、ほとんど無人だ。国際情勢の複雑化、テロの脅威を考えれば当然の措置であったが、残念ながら規制強化の告知の方法に問題を感じざるを得なかった。

 「水際線の開放」「市民とともに歩むみなと」、「地域・観光振興の拠点に」という『みなと作りの指針』を掲げた港湾開発には大いに賛同するものだが、実際の運営に目を向けてみると、「本当に? 本気で? 掛け声だけじゃないよね?」と疑問を呈したくなる。

 港湾や護岸の運営を引き継ぎ、実際の管理を行っている地方公共団体に、レジャー目的での港湾立ち入りを問い合わせてみると、必ず「港は遊び場として作ったのではありません」と木で鼻を括ったような回答が返ってくる。SOLAS規制対象エリアでなくても、である。残念な事に「海とみなとの相談窓口」でも、同様の回答をされた事がある。

 港湾は産業振興、護岸や防波堤は国土保全と防災を目的として作られているのは重々承知。されど、開発や造成の段階では市民利用も想定して作られてきたはずなのに、実際には立入禁止になっている場合が多いという現実。これはどう考えればよいのだろう? 親水護岸として造られた護岸にもかかわらず、水辺への立ち入りが完全に禁止されている護岸さえあるのだ。

 人々が潮風に憩い、釣り人が魚釣りを楽しみ、若者達が愛を語った、ロマンチックな場所であった港の岸壁は今、動くものは作業服を着た人々と、クレーンや荷役作業機械だけになっている。「市民と共に歩むみなと」を標榜するならば、現状を充分に検証、理解しておくべきであろう。

 人々が真に求めているのは、生涯に何回利用するかもわからないイベントホールや多目的会館ではなく、気軽に足を向ける事のできる日常の憩いの場なのだ。

-「月刊港湾」'05年10月号掲載稿に加筆修正-

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YASU ・居眠釣四郎・眠釣
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釣りと動物と時代劇、時代小説をこよなく愛する、腰は低いが頭が高い、現代版「無頼浪人」にて候。
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